原発再稼働と節電―大阪発で変えてみては
朝日新聞 4月13日関西電力大飯原発について、関電の筆頭株主である大阪市が大阪府とともに「再稼働に関する8条件」を提示した。原発から100キロ圏内の府県との安全協定の締結や、使用済み核燃料の処理体制確立、原子力規制庁を独立性の高いものにすることなどを盛り込む。内容は、東京電力福島第一原発事故で生じた原発への不安を、住民や電力利用者の目線で反映させた項目が並ぶ。ただちに実現するのは難しいものが多く、事実上、急ぎ足の再稼働への反対表明といえる。その思いには強く共感する。橋下徹大阪市長は株主として「脱原発」など、関電の経営のあり方に根本的転換を求める意向を表明している。現時点で大飯の再稼働には大阪、滋賀、京都の各府県知事が反対の立場だ。福井県の西川一誠知事は国に安全性を担保するよう求めてきた。こうしたなかで国が再稼働ありきのような姿勢でつき進むことに、8条件は電力の大消費地から待ったをかけるものだ。橋下市長は「政治的なメッセージにしたい」とし、代表をつとめる大阪維新の会の国政進出で、争点にすることも考えているようだ。しかし再稼働への動きは進んでおり、衆院解散まで待つ状況ではない。出した以上、メッセージに終わらせず、再稼働なしでどう夏を乗り切るのか、実のある対策を打ち出してほしい。行政として関電に脱原発に向けた取り組みを促すには、府・市民の協力が不可欠である。橋下市長は夏に向けて、「計画停電もあり得ると腹を決めれば、電力供給体制を変えられる1歩になる」と言う。これは企業や市民に一定の不便を受け入れる覚悟をもってもらうことを意味する。この夏はまず、節電意識を高め、広げていくことが大切だ。住民の暮らしに近い自治体の役割は大きい。脱原発依存を前に進めるには、再生可能エネルギーの利用を増やすことが大事で、発電施設を集中立地型から分散型へ転換しなければならない。地域の電力供給を1社にゆだね、安全もコスト計算もまかせる供給者主導から、電気を使う側が自ら考え、選べる消費者主導に移す必要もある。地域住民の意思をどうまとめ、新しいエネルギー自治の先例につなげるか。地方からの変革を重んじる橋下市長には、先頭に立って住民や企業に理解を求め、創意工夫に満ちた対策を繰り出してもらいたい。【枝野へ】13日朝日新聞朝刊社説。了解。読売や産経には原発再稼働で攻められているのでこれは大変心強い。大阪発で変える・・・やりたいのだが、今の自治体の権限と財源では限界がある。しかし弱音を吐いても仕方がない。松井知事とまさに府市統合でやれるところまでやってみる。しかし電力供給体制を変えるにはやはり国が制度を変えて、電力会社が動かなければ本質的な解決にはならない。第一にピーク時における電力市場の自由化。夏の電力ピーク時に、電気料金をマーケット価格にする。需要が高ければ値段が上がる。値段が上がれば需要は抑えられる。神の見えざる手。そこに節電も取引に加えれば(ネガワット取引)、なお一層、価格を通じて需給均衡を図れるのではないか。しかしこれは一自治体、大阪市役所だけではできない。太陽光発での普及に関する助成は各自治体がやっているが、多くの自治体はキャッシュを補てんする補助金システム。僕が知事時代のときにそれは止め、金融システムを使う方向に改める指示をした。今回松井知事がしっかりと制度を作ってくれて、大阪府は、補助金で太陽光発電促進を図るのではなく、ローン金利を抑える一種の融資制度を作った。金融緩和によってカネが金融機関でダブついている。金融政策を実体経済を結び付けることを考えないとダメだ。国は金融政策。それを現場でいかに実体経済に結び付けるか。そこは自治体が一定の役割を果たさなければならない。何でもかんでも補助金でカネを配るのはではなく、金融を使う制度を自治体は考えるべきだ。太陽光発電補助についても全国の自治体が補助金から大阪府方式に切り替えれば金融機関の貸出量が若干増えるだろう。大阪府は制度融資もこれまでの自治地丸抱え方式を改めた。金融機関の商品開発を促すやり方も採り入れた。金融機関にだぶついているカネをどう実体経済に結び付けるか。知恵の絞りどころ。それと発電と需要のタイムラグをいかにつくるかが技術革新の大テーマ。需要の少ない時の発電を、いかに需要の多い時期に使うか。発電と需要の同時性をどれだけ緩められるかだ。これは蓄電しかない。そこで大阪は国際戦略総合特区において蓄電を大きなテーマとしている。でもやっぱり自治体の力には限界がある。そこで朝日新聞の出番だ。何と言っても供給力の上乗せが今夏を乗り切る切り札だ。昨年から電力需給のデータ開示を国や電力会社に迫ってきたが、ビシッとしたものが出てこない。国会議員もちゃんと働かない。枝野大臣には期待しています。専門家を集めて公開で電力需給状況について検証するとのこと。さすが枝野大臣だ。ここが一番のブラックボックス。関電だけの需給データーではダメだ。中部電力、中国電力、四国電力、九州電力・・・融通はどれだけできるのか。また民間の自家発電分はどれだけ使えるのか。ここを朝日新聞の取材力の総力を挙げて、暴きえぐり出して欲しい。自治体としてやれるところまではやってみる。しかし朝日新聞も新たな電力供給体制を目指すべきだと言うなら、自らもやれるところまでやって欲しい。枝野大臣の電力需給検証が全てのカギを握る。【湯浅へ】最近、反貧困ネットワークの湯浅さんの記事を良く目にする。行政の責任者として中に入るといかに物事を進めるのが大変か良く分かったという中身だ。外から意見を言うだけなら簡単だ。それがいわゆる自称インテリの行動。それを行政の中で実行するとなると、想像を絶する困難が伴う。利害調整。それに尽きる。そして湯浅さんは、僕が利害調整を全てすっ飛ばしているような論調。それも知事・市長の仕事を知らないが故の想像での見解。湯浅さん、知事・市長こそ、利害調整の最後の極みですよ。行政の仕事の99%以上は職員がしっかりとやってくれている。しかし職員で解決できないものが知事・市長に上がってくるのです。他の知事・市長は知りませんが。僕も日々、行政をやっているのです。これまでの知事の仕事、そして今の市長の仕事でも、議会で議案を通して、物事を進めている。湯浅さんが経験したことは、行政機構の中でもほんの少しの一部分だけ。行政で物事を進めて行くと言うのは膨大な調整が必要にってくる。それをすっ飛ばせば政策の一つも条例の一つも実現できない。湯浅さんは行政の中に入って、外から言うだけの時が如何に楽か分かったはず。そして行政の実態がこういうことだったのかと始めて知ったはず。中に入らないと分からない。僕は最後、もうこれ以上話をしていても解決しないという問題は、決定し、それでもダメなら選挙に訴える。そしてメディアはそういうところをバンバン報じてくれます。しかしメディアで映っているのが僕の仕事の全てではない。知事・市長の仕事も行政なんです。大阪府で実施した私立高校の無償化策、給食普及補助制度、その他学力困難校に対する対策制度、市役所においては子どもの医療費助成や塾代助成、その他個人の労力を発揮してもらうための基礎となるこれらの政策も調整が必要であり、カネを工面しなければならない。政策を一つ実現する労力は、国も地方も変わらない。一言言ってそれで実現なんて言う世界ではない。せっかく国の行政の中に首を突っ込んだんだから地方の行政見てもらいたいですね。外から言っているだけでは変わらない。だから変えるために市長になった。僕は西成を変えるためにエネルギーを注ぎます。
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