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男と女

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一周遅れのフェミニズム
最近の脳科学が発見した男女脳の違いから
フェミニズムを見てみると…

転載元: 
Japan on the Globe 国際派日本人養成講座 
http://blog.jog-net.jp/ 
 
 
■1.夫婦円満の秘訣■
夫が冷蔵庫の中で、バターを探している。
見つからないので、妻に聞くと、冷蔵庫にあるはずだ、と答える。
もう一度探してみるが見つからない。
「どこか別の所に置いたんじゃないか」
と言うと、業を煮やした妻がやってきて、冷蔵庫に手を入れ、
まるで魔法のようにバターをとりだす。
「目の前にあるじゃない、どこを探しているの?」
 
妻は方向音痴である。
新しくできたスーパーに行くのに地図を見て、
「郵便局が左側にある四つ角で、右に曲がる」というように覚えるのだが、
帰りはその角をまた右に曲がって、帰れなくなってしまう。
夫はまたかとあきれる。
 
我が家ではこんな事でよく言い争いになるが、ベストセラー本「話を聞かない男、地図を読めない女」を読んで安心した。
これは我々夫婦の能力上の欠陥ではなく、
そもそも男女の脳の違いによるものだそうだ。
 
男は視野が狭いので捜し物が不得意であり、
女は頭の中で物の位置や形状、動きを思い浮かべる「空間能力」が低いので運転が下手だ。
双方がこう理解していれば、うまく役割分担して、お互いの欠点を補い合うことができ、円満な家庭を築けるだろう。

■2.別方向に進化した男女の脳■
 
男女の脳が違うのは、進化の過程で才能や能力が別々の方向に発展してきたからだ。
はるか太古の昔、男は危険だらけの外界に出かけていっては、自分の生命を賭けて獲物をしとめて、持ち帰る事が仕事だった。
見知らぬ地域を長い距離を歩き回ることで空間能力が発達した。
さらに遠くの獲物を見逃さないよう、視野は狭いが長距離を見通す「トンネル視」ができるようになった。
だから遠出しても帰り道を苦もなく見つけられるが、冷蔵庫の中のバターは見つけられない。
 
女は子どもの世話をし、果物や木の実を採集し、群れの中の女性同士と共同で煮炊きをする。
たえず周囲に気を配るために、周辺視野が広く、味覚、聴覚、臭覚、色彩感覚が発達し、細部の観察力に優れ、同時にいろいろな事ができる。
一時に一つの事しかできない男から見れば、女たちのおしゃべりは、互いに相手の言うことなど聞かずに、一方的に話してだけのように見える。
しかしマルチ・トラックの女の脳は、しゃべりながら、相手の表情を読み、
その服を「ちょっと素敵ね。どこで買ったのかしら」などと眺めつつ、テーブルの上の紅茶とケーキを味わう、
などと並行していくつもの事ができるのである。
だから話題が無限に展開していく。

■3.職業上の男女差別?■
 
職業によっては、男女の脳の違いが大きな向き不向きをもたらす。
英国建築家協会の調査では、女性建築家はわずか9%しかいないという。
 
パイロットにいたっては、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドの6665人のうち、98.8%が男性である。
パイロットはまさに空間能力が不可欠の仕事である。
 
空間能力に関連する数学的推理力も男性の得意分野である。
会計学を勉強する学生の38%は女性だが、実際の会計士となる女性は17%しかいない。
一般に女性が数学に弱い、というのは科学的な事実のようだ。
 
しかし、数学的推理力や空間能力が同等であれば、女性の方が優秀だということは言えるらしい。
性差を補正した知能テストでは、女性の方が3%ほどIQが高い、という結果も出ている。
 
一方、女性が優れているのは、言語能力、コミュニケーション能力だ。
子どもや他の女性と長い時間を過ごすために、特に発達した能力である。
イギリスにいる1万6千人のフランス語教師の75%、14万4千人の福祉・カウンセリング従事者の70%が女性である。
さらに同時通訳などは、マルチトラックの言語能力を要する仕事で、まさに女性の独壇場である。
    
■4.男は地位と力を求め、女は関係と協力を求める■
狩猟者として進化した男の脳は、自分の目指すものを獲得するための問題解決マシン、目的追求マシンである。
西欧5カ国で実施された調査で、自分はどんな人間になりたいかという理想像を多くの形容詞から選択するアンケートでは、男性に多かった回答は
「大胆な、競争に勝てる、有能な、支配力のある、断固とした、賞賛される、実際的な」
であった。
狩猟者のリーダーとしての「地位と力」が男の理想である。
 
同じアンケートで女性の回答には
「温かい、愛される、寛大な、思いやりのある、魅力的な、友好的な、惜しみない」が多かった。
子どもを育て、家庭を維持し、他の女達と一緒に働く女性は「関係と協力」を大切にする。
 
西欧が作り出した近代世界システムは植民地主義と人種差別、自然征服を基調とするものだが、こういう世界では、主役はあくまで「地位と力」を求める男であり、「関係と協力」を求める女は、男の所有物、あるいはせいぜい補助者でしかないことは当然だろう。
西欧世界の近代世界システムと女性蔑視とは、同じコインの両面と言えそうだ。

■5.女の権利宣言■
男性支配の近代世界システムの中で、女性の権利を求めるフェミニズムが生まれた。
その出発点はフランス革命の時に、オランプ・ド・グージェという女性が、「人権宣言というのは不十分である。
男(homme:オム=人)の権利しか言ってないじゃないか」と言って、
女(femme:ファム)の権利宣言を出した事が出発点になっている。
 
西洋語では「男」(英語では man、フランス語では homme)が、同時に「人」をも意味することから、人権宣言=男権宣言とも捉えられる。
言語からして男性中心なのである。
そこで女(femme)に主義(isme)をつけて、feminisme、すなわち、フェミニズム(女権拡張論)が生まれた。
 
それは西欧近代世界システムの他国も自然も征服せずんばやまず、という極端な男性原理支配への反撥として生まれた思想である。
西洋に生まれたからと言って、人類普遍の思想と勘違いしてはならない。

■6.男女共同参画社会基本法の前提■
政治的権利については男女対等が実現した現在、フェミニストたちは、男性と対等の「社会進出」を目標としているようだ。
女性も男と同じように、いつまでも家庭に縛られているのではなく、社会に出て職業を持ち、「成功」を目指すべきだという。
 
社会における制度または慣行が、性別による固定的な役割分担等を反映して、男女の社会における活動の選択に対して中立でない影響を及ぼすことにより、男女共同参画社会の形成を阻害する要因となるおそれがある…
 
平成11年6月に志向された「男女共同参画社会基本法」の一節である。
ここで言う「性別による固定的な役割分担」とは、
 「男は仕事、女は家事」という概念であって、これが女性の社会進出のブレーキとなっているという主張である。
この条文の主張は次の前提に立っている。
 
1) 男女の固定的な役割分担は、社会の制度や慣行によってできたもの。
 
2) 女性の「社会における活動」には、家事や育児は含まれない。

■7.ジェンダーフリーの迷信■
 
1)から、「ジェンダーフリー」という理想が生まれる。
セックスとは肉体的な性差だが、ジェンダーとは制度や慣行によって文化的に作られた性差別だというのである。
そして育児の段階から文化的に「男らしさ」「女らしさ」を植え付けるようなことをしなければ、男女はみな同等に育ち、パイロットも会計士も半分は女性になるはずだ、という「信仰」である。
そのために、学校では男子生徒の名札をピンク、女子生徒を黒にしたり、世間でも「うちの主人は…」等と言うと、「あなたは奴隷か」と突っ込んだりする。
(逆に男性が「うちのカミさんは…」と言ったら、どう叱られるのだろう?)
 
前述したように、男女は肉体ばかりでもなく、精神においても脳そのものから異なる、という最近の脳科学の成果は、このジェンダーフリーが迷信であることを証明しつつある。
 
男女は、肉体的も精神的にも異質である。「同等」であるべきだが、事実として「同質」ではない。
そして数百万年の長い進化の過程で、男女の脳の「違い」は、競争しあうよりも、補完しあうように発達してきた。
相互の違いを認め、互いに補完し会ってこそ、真の「男女共同参画社会」が生まれるのである。
 
■8.男の考える成功基準は?■
 
2)の家事や育児をしている女性は「社会において活動」していない、
という前提から、専業主婦を、古い「制度または慣行」に盲目的に縛られた無自覚の「遅れた」女性、という先入観が生まれる。
 
女は社会で成功していない? 
それは男の考える成功基準を女にも当てはめた見方だ。
だが、大きな会社を経営したり、ジャンボジェット機を飛ばしたり、スペースシャトルに搭載するコンピュータにプログラムを組んだりすることが、最大の成功だなんて誰が言ったのだろう?
 
高給や高学歴が社会的成功の基準だというのは、「地位と力」の男性原理に囚われた偏見である。
無給で、また学歴も不要だが、難しく、また価値ある仕事が世の中にはたくさんある。
主婦もその一つである。
 
「社会において活動」している著者の経験から言うと、
一人の子どもを20年かけて立派に育てることは、企業で30人の部下を使って業績を上げることよりも、はるかに難しく、創造性と忍耐力を要する仕事である。
 
仕事の価値においても、次世代の立派な国民を育てることの方が、TVゲームのソフト開発をして億万長者になることよりも、社会的貢献度は高い。
TVゲームなどなくとも人間は幸福に生きていけるが、次世代の国民を立派に育てることなくして、心豊かな国民生活はありえないからである。
 
職場で男と競争しようとする女性には、能力と実績以外の性差別があってはならず、どしどし才能を発揮して欲しいが、「高給と高学歴が成功の証明だ」という偏見からは自由になる必要がある。
同時に家事と育児に専念する専業主婦も、自分の仕事の偉大さに自信と誇りを持つべきだ。
    
■9.女性原理の先進国■
西洋世界に比べて、わが国の思想的、社会的伝統はまったく異なる。
キリスト教では、神はアダムを作られ、そのあばら骨から補助者としてイブを作ったのであるが、日本神話では最高位の太陽神・天照大神からして女性神である。
その直系の子孫である神武天皇は、民を「大御宝(おおみたから)」として、一つ屋根のもとで仲良く暮らすことを、建国宣言の中で理想とされた。
さまざまな部族が、大家族として仲良く暮らすことを願われるということは、まさに「関係と協力」を理想とする女性原理そのものである。
「国民統合の象徴」という現憲法の表現にも「関係と協力」の理想は引き継がれている。
 
中世以降は、武家が実権を握ったが、それも天皇から征夷大将軍として地位を認められたものであり、あくまでも「関係と協力」の女性原理のもとで、国家の安寧と秩序を守るための「地位と力」であった。
幕府を皇室の権威のもとにおいたということは、国民生活の「関係と協力」こそが真の目的であり、「地位と力」はあくまでもをそれを守り、維持するための手段として位置づけた、ということである。
そこに我が祖先の叡智が窺われる。
 
近代世界システムは「地位と力」を自己目的化してしまい、ついに20世紀には核兵器と地球環境破壊という行き詰まりを迎えた。
21世紀には人類は「関係と協力」という女性原理に方向転換し、新しい世界システムを構築していかなければならない。
その面で女性原理の先進国としてのわが国の責任は重大である。
 
わが国のフェミニスト達は、「遅れた」日本女性達の先頭を走っているつもりかも知れないが、現実は半周遅れの西欧社会で生まれたフェミニズムを、さらに半周遅れで追っているに過ぎない。
先頭を走っているのではなく、一周遅れなのである。
 
わが国のフェミニスト達には、無自覚な西洋崇拝から目覚めて、わが国の伝統から明日への叡智を引き出し、男女がその違いを対等に補完しあう真の「男女共同参画社会」を目指して、真のトップを走ってもらいたい。

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