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大阪都抗争(市闘編)/Ⅸ.対決というにはあまりに役不足な面々

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朝まで生テレビ 1月28日
橋下徹(大阪市長):
僕らの思想は一貫してるんです。
今、権力を持ってる、権限を持ってる体制を…住民に取り戻そうということなんです。
そこは一貫してるんです。
ですから、大阪都構想では強い大阪を目指してると言われますけども、このとてつもない巨大な大阪市役所から住民の方へ、権限と財源を移しましょう、と。
教育制度についても、今、教育委員会が全てを独占してるんです。
教員の評価権から、教育内容を決める権限から、授業内容まで、何から何まで独占してるのを、これを学校現場に戻しましょう、ということなんです。
だから、僕らがやることがダメなんだったら、じゃあ、どういうカタチがいいのか、たとえば今の教育委員会をどうやって立て直すのか、その具体案を、対案がほしいんですよね。
 
田原総一郎:
ただね、基本的な問題になるとね、橋下の言うのには矛盾がある。
というのはね、統治機構を変える、あるいは構造を変えるというのはいいけども、
「選挙で勝ったんだから、やってもいいじゃないか」と言うならね、今までずっと自民党がね、選挙で勝ってきたのに、でも自民党は変えなかったんだよ。
つまり自民党が今まで変えなかったっていうのは、それは統治機構が自民党を抑えつけてたんじゃなくて、自民党が変えようとしなかったからじゃない。
 
橋下:
違います。
これは、政治が政治の力を発揮するのは、今の統治機構を変えないとムリですよ。
 
田原:
なんで自民党は変えようとしなかった?
 
橋下:
それは統治機構を変えられないからです。
 
田原:
なんで?
 
橋下:
戦になるから。
ものすごいバトルになるんです、統治機構を変えようと思ったら。
 
田原:
どことバトルになるの?
 
橋下:
それは今の体制を良しとする人たち、その人たちと大バトルになる。
大阪のダブル選挙見てくださいよ。
もうすべてが大阪市役所の体制を守りたい側と、変えたい側とで、まさに大戦争になったんです。
それはね、田原さん、体制を変えようと思ったら、今の体制で補助金受けてる側、今の体制で守られてる側の抵抗が…
これはまさに今の日本の縮図なんです。
大阪市役所というものがあり、現職の長を組合が推す。
そして役所は地域団体に補助金を配る。
この地域団体がまた選挙マシーンになり、全部が一体となって、現職の市長を担ぎ…これ、組合が反対した市長が誕生したのは僕が初めてなんですよ。
だから、この体制を変えようと思えば…
 
田原:
いや、だからこそ、橋下さんが市長になるときに、自民党も民主党も公明党も、共産党までが反対した。
こういうところは何も変えたくないから…
 
橋下:
そうです。
 
山下芳生(共産党参議院議員):
いや、違います。
私たちが橋下さんと市長選挙を対決したのは、橋下さんのやろうとしてることが、これまでの政治家、あるいは市長候補のレベルと違ってたからです。
そのひとつの典型が、教育基本条例案だと私たちは思ってるんですよ。
 
橋下:
それは体制を変えるために…
 
山下:
体制じゃないですよ。
思想・信条の自由を踏みにじるような内容になってるじゃないですか。
 
橋下:
それは君が代条例の方ですね。
 
山下:
それもなかに入ってるんですよ。
 
池田知隆(元・大阪市教育委員長):
いや、入ってない入ってない。
 
山下:
要するに知事が教育目標を決めて、従わせると、従わなかったらクビだと…
そういう独裁者を許しちゃならないと。
私たちは自民党や民主党と市議会ではバンバン、ケンカしてるんですよ。
そういうね、市j議会で政策論争できるというのが、民主主義ですよ。
だけど選挙で通ったら、それが民意だと言って問答無用で全部通していくと。
府議会で君が代条例通したときも、1日ですよ。
4年前の選挙公約にもなかったのをね、バーンとすると。
そういうのはダメだと…
 
田原:
つまりね、今までは自民党や社会党の市長や県知事がなっても、選挙で通ったんだから、俺は何やってもいいんだとは言ってない。
 
山下:
そうですよ。
 
田原:
ところが橋下さんは、選挙で通ったんだからやってもいいだろう、って言い過ぎのところがある。
 
池田:
教育の世界に土足で入り込んでくるところがある。
 
山下:
そういうやり方は教育には絶対なじまない。
 
橋下:
僕は選挙で通ったから、すべて正しいなんて、そんなことは思ってないんです。
一番争点になりそうなこと、あえて批判が出るような、反対論が沸き起こるようなことを選挙では設定しました。
今までの自治体の選挙、それから国政の選挙なんていうのは生ヌルイ選挙してるんですよ。
当選するためだけに、何言ってるかわからないような選挙をやってる。
だから、今回は、「大阪都構想で行政機構を変える」「教育委員会制度を変える」「公務員制度を変える」、そしてもう一つは原発問題、「関電に株主提案する」。
このすべてを、今の現体制を変えることを問題提起して…
 
田原:
大阪市民は、橋下さんに何を期待したんだと思う?
 
橋下:
これは「不連続への挑戦」だと思ういます。
またマニフェスト論争になりますがね、書いてないことをやるな、なんか言ったら、政治なんか成り立ちません。
 
香山リカ(精神科医):
不連続への挑戦ってね、とってもいい言葉で、何かしてくれるんじゃないかなって、期待する気にさせてくれるんですけど、不連続に変えるためには生ヌルイやり方じゃダメっていうこと仰ってましたが、ということは、強権が発動されるんじゃないかっていう、やっぱり、非常に不安もあるワケですよ。
 
田原:
今までは、香山さんが言うように「話し合え、話し合え」と言ってて、決断しない。
だから話し合いじゃ物事が変わんないから、決断して実行するんだって橋下さんは言ってる。
その話し合わず、決断することをファシズムだって言ってんの?
 
橋下:
あのー、話し合いもね、絶対必要ですよ。
府議会でも今の市議会でも、ずっと話し合ってやってきてるんですから。
僕の全政治活動を見ていただいて、どの部分が白黒つける決定に踏み込んでるのか、全体から言ったらね、10万分の1ぐらいです。
それくらいですよ。
普段の政治行政の日常業務なんか、ご覧になってないからね。
で、そのときに、話し合いをして、話し合いをしてどうしても決着がつかなかったら、
そのとき、現状維持のままで行くのか、そのとき誰かが責任を持って決定するのかと言えばね、僕は今の時代、民主主義っていうのは、少数の意見も大切ですけども、多数の意見を尊重するというのも民主主義の原理原則ですよ。
 
薬師院仁志(『ハシズムを許すな』共著者):
そんなことないよ(笑)。
 
橋下:
責任を持った決定を誰かがやらなきゃいけない。
その決定権を与えるのが選挙なんですよ。
議論はとことん尽くします。
しかし、議論で決着できない問題…
じゃあ、大阪市と大阪府の二重行政の問題、僕のやり方がダメだというなら、対案を教えてくださいよ。
どうやったら解決できますか。
僕はこれしかないと思ってます。
 
吉富有治(『橋下徹・改革者か、壊し屋か』著者):
今の二重行政の話なんですが、そもそも大阪都構想が出てきた背景は仰るように二重行政の解消のためじゃないですか。
それでね、今、府市統合本部ってあって、実質的に司令塔になって、大阪府と大阪市の広域と基礎の仕分けをやってるじゃないですか。
 
橋下:
やってます。
 
吉富:
ですから、少なくとも今の段階では首長レベルでは、〝府市合わせ〟というのは表面的にはない。
 
橋下:
ないです。
 
吉富:
ないですね。
僕が思うのは、この府市統合本部を司令塔として、もう実質的に大阪都構想に入っちゃってるワケですよ。
でも橋下さんが仰ってるのは、「府知事と市長が変わったとき、どうするんだ」と言うワケですよね。
いつも今みたいに、府知事と市長が同じ方向を見てるとは限らないから。
だから大阪都構想が必要なんだと。
人が変わってもいいようなシステムをつくらなきゃいけないから。
 
田原:
だから何が言いたいの?
 
吉富:
だから、大阪都構想が成功するとは限らないんですよ。
失敗するかもしれない。
だから、今の府市統合本部には法的根拠ないじゃないですか。
これに法的根拠を与えちゃう。
 
橋下:
それが大阪都構想なんです。
 
吉富:
いや、そうじゃない。
今の段階…リスクヘッジ、都構想が失敗するかもしれないワケだからリスクヘッジとして…
中央政界も今は橋下さんになびいてるけども、政界なんか一寸先は闇ですから。
だから府市統合本部に法的根拠をカチッとはめ込んで、話し合いの場をいつでもつくれるように…
 
橋下:
吉富さん、違うんです。
話し合いなんかいくらでもできるんです。
一番重要なのは決定権を誰が握るかなんです。
今の民主主義っていうのは話し合い話し合いって言いますが、最後、話し合いがつかなかったときに、どう解決するかっていう仕組みがないんですよ。
それが今の日本の政治行政の欠陥なんです。
今は同じ方向を向いてる二人が知事と市長だけども、また選挙でバラバラの考えの人が選ばれるかもしれない。
そしたらまた府市100年戦争の逆戻りですよ。
そうならないように担保するのが大阪都構想なんです。
府市統合本部今始まってます。
これを法的にどこまで担保するのか。
話し合いの場を設定するだけじゃ決定しません。
だから都構想にして都知事に決定権を与えるんです。
衆参のねじれ現象にしても…
 
吉富:
いや、それはわかる。
だから都構想が実現したらそれでいいんだけども、失敗した場合のことを考えといて…
 
橋下:
ただ、吉富さん、僕はこの「ハシズム」って本を読んでスゴイ背筋が寒くなったのは、
有権者を信用してないんです。
都知事が誕生して…
 
田原:
いや、彼(吉富)が言ってるのは、府市統合本部に法的根拠をつくったらどうかと言ってるんだよ。
 
橋下:
いや、だから、それが都構想なんですよ、決定権を…
 
吉富:
違う違う。
そうじゃなくて、今の統合本部っていうのは、まあ言えば、今は法的根拠がないワケですから、二人(橋下と松井)が変わったら、雲散霧消しますよね。
そうじゃなくて、今、地方自治法の252条の2という法律があって…
 
橋下:
あります。
 
吉富:
協議会の設置ってあるじゃないですか。
 
橋下:
協議機関には決定権がないんですよ。
 
吉富:
…(ふーん)
 
橋下:
だから話が割れたとき、どうするんですか。
組織をひとつにしないと、これは行政の長になればわかりますが、トップの二人が協議をしても、役所の組織が別々だと、つまり人事権が別々だと役所は動きません。
 
田原:
協議会には決定権がないのか。
 
橋下:
ないんです。
だから、大阪都構想で決定権のある政治を目指そうと言ってるんです。
皆さんは協議会協議会って言いますけども、教育委員会も協議会ですけども、結局何も決められないんです、今のままでは。
日本は決定権を持たせることを恐れてる。
独裁になるんじゃないかと…でもそれは有権者がチェックすればいいんですよ。
 
薬師院:
日本は日本は、って他どこの国でそんなことしてるんだよ。
 
橋下:
アメリカでも、ヨーロッパでも決定権ありますよ。
 
薬師院:
ヨーロッパどこですか?
 
橋下:
いや、自治体はどこも決定権あります。
 
田原:
わかった。
コマーシャルのあとは、関電の話にいきたい。
 
 
to be continues.

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