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阪神考察・キャンプを見て(投手/先発編)

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転載元 スポーツナビ+

阪神考察~キャンプを見て(投手/先発編)~

早いものでキャンプも終わりまして、あとは実戦のみ。
実戦では、キャンプで何かを掴んだ者が急激に進化を見せたり、または状態の悪さを改善出来ないまま沈んで行ったりと、悲喜交々色々出てくるでしょう。

シーズンに向けては実戦の中から色々見えてくると思うのですが、まずはキャンプ全体を見ての選手個々の感想などをザックリと。

自分的な評価ですが、とりあえずA+~Cまでの段階で評価してみました。

【先発投手】

(A+):能見、メッセンジャー

@能見:
昨年はWBCの影響もあって、シーズン状態が上がらないままの一年だったみたいですね。
球威もさほど上がらない中で「どうするか?」と悩んだシーズン。
そこでフライアウトからゴロアウトの比率が上がるなど「打たせて取る」という技術で、なんとか1年を乗り越えたわけです。

今年は昨年の反省からか、キャンプでとにかく「速球に磨きをかける」という目的を持ってしっかりと練習してました。
その成果は徐々に出てきて、球威自体は徐々に上がってきているようです。
あとは角度など付けれるようにして、内角をガツンと攻めこむようになれば、もっと楽に抑えられる投手になるのではないかと。
技術力は抜群な投手なので、そこにプラス力感がついてくれば、楽しみなシーズンになるのではないかと。

「課題」:
昨年シーズン前半に完投しまくり、後半は完投出来ませんでした。
勝負どころで勝てなくなるなど、エースとして「勝負弱い」「と言われても仕方ない姿を見せてしまっているわけです。
ここの部分の対策として、シーズン前半にはさほど完投にこだわらないでもいいと思うのですがね。
シーズン後半の勝負どころで強い投球が出来るように「1年通してのペース配分をどうするか?」というところでしょうか。

@メッセンジャー:
この投手の球自体は、もう別に何も言わなくてもいいでしょう。
昨年はメジャー復帰も考えていたのか、どっこかシーズンに集中しきれない部分があったようです。今年はもう「阪神一筋」と決めているわけで、それが球に現れているのかは分かりませんが、昨年よりもグレードアップしてます。
上から下にズドンと落ちる速球が150キロを超える。
制球も悪く無いし、ブレーキの効いたカーブで緩急を付けられるし、決め球のフォークも鋭く落ちる。
自分の中では、普通にやれば沢村賞の筆頭候補です。

「課題」:
球は素晴らしいのですが、なぜかコースを狙いすぎるところがあって、それが余計な球数になってしまう部分。
初回から球数を重ねて抑えていくので、完封していたとしても6回でスタミナがきれてしまう。
球の力的に考えて、QS率が昨年は70%超えてなかったのですが、出来れば越えてもらいたいし、越えなければいけないでしょう。
長いイニング投げる為に「どのようにして、球数少なく打者を抑えて行くのか?」というところが、今の所の課題でしょうかね。


(A):藤浪

@藤浪:
高卒で、まさか1年通して二桁勝つとは思ってもみませんでした。
アンバランスな部分が綻びとなって、大きな壁にぶつかると思っていたので。
「凄いな」と思ったのは、アンバランスな部分に対して、シーズン中に高卒のルーキーが工夫して乗り越えようとした部分です。
乗り越えきれたとは思いませんが、それでも改善していたのは事実ですからね。
それで二桁勝てたわけですから、これはやはり並みのルーキーでは無いと。

今年のキャンプでは、昨年よりもグレードアップしてました。
速球なんて、昨年は「速いな」とはあまり思わなかったのですが、今年は間違いなく速いしエグいです(苦笑)
まだまだフォームにバランスの悪さがあるので、指にかからないボールも多々ありますけど、指にしっかりと掛かったボールなどは「凄い」と唸るしかありません。

課題とされていた対左打者ですが、速球しか投げれないような技術不足な投手なら、シュート回転が課題とされるのでしょうが、藤浪はカットボールの制球力も上がってますからね。
左打者の懐を攻めれる術があるので、多少シュート回転したとしても、腕をしっかりと振れば球威で空振りを取れるのではないでしょうか。
実際にこのキャンプでも、シュート回転した球に対して、左打者が空振りしているシーンがよくありましたし。

しっかりと身体も鍛えてきたし、技術力向上への探究心も持っているし、素晴らしい素材の投手です。
この素材が今年1年間で「どこまで大きく育つのか?」が、今年のシーズンの楽しみの一つです。

「課題」:
対左打者と言われてますが、昨年シーズン後半には、右打者に踏み込まれて打たれるシーンが目立ちました。
今年のキャンプでの実戦でも、そういうシーンがありました。
シュート回転を意識して、右打者の内角を攻めきれていないという部分を他球団に読まれていたとすれば、今年もそういう攻略をしっかりと立ててくるでしょうから、そこは気をつけてもらいたい。
「左右関係なく、しっかりと内角を攻めていく」といった所が、とりあえずの課題でしょうか。


(B+):不在


(B):岩田、榎田、秋山


@岩田:
本来ならB+ぐらいの実力のある投手だと思うのですが、一昨年から昨年にかけて、一気に自信を無くしてしまったかのように見えます。
それがキャンプ序盤に出てしまい、恐る恐る投げてしまう。
腕の振りが弱いし、下半身と上半身の連動が出来ない。
身体の開きが早いので、腕だけに頼って投げようとするから、高めに球が集まってしまう。
それを見ていて「どうしたんだ?」と心配していたのですが、そこから投げ込みをしまくってしまくって、なんとか状態を上げてくる。ですので、今のフォームはしっかりと下半身が使えるようなフォームになってきたと思います。
球に角度も出てきましたし、低めに集める事も出来るようになってきました。
なんとか「先発を任せられる」という所までは来たので、まずは一安心という所でしょうか。

「課題」:
最大の課題として「立ち上がり」と言われてますが、そんなモノは精神的な問題として「どうでもいい」と開き直ってもらいたいですね。
技術的な改善が出来るんであれば当然するべきでしょうが、多分出来ないだろうし、そんなモノは存在しないと思うので。
2回から抑えられるなら、初回も抑えられるはずですから。
昨年は力が無かったから、初回も抑えられなかった。
それだけですから、下手に意識を持たないでもらいたい。

あとはスライダーの精度をもう一度高める為に、しっかりと腕を振って、スライダーで打者を仕留める形の数を増やして行く。
シュートを増やしすぎた分、今の不信に繋がっているとこをを感じるので。
「スライダー=岩田」を思い出して、なんとかローテをしっかりと守ってもらいたいですね。


@榎田:
アマ時代は先発で、ルーキーのキャンプでも先発の調整をしていたのですが、急遽シーズン前に中継ぎに転向させられてしまう。
自分としては「中継ぎ経験が無い投手で、いきなり調整も無しではキツクないか?」と思っていたのですが、案の定でした。
そこから故障に悩まされるのですが、昨年先発に転向して、なんとか1軍で活躍する事が出来たと。

肘の痛みもあってなかなオフにトレーニングも積めなかったみたいですが、今年のオフではしっかりとトレーニングが積めたようです。
「それが球にどう影響しているのか?」とキャンプ中に注目していたのですが、正直まだ出ていませんかね。
球種が多いし、タイミングを外す術などを持ち合わせている投手です。
そこは魅力なのですが、まだまだ変化球のスッポ抜けが目立つなど、アンバランスな部分が多いわけです。

「課題」:
頭がどうしても突っ込んでしまうので、腕の出所が遅すぎると思います。
頭と肘の位置が離れてしまう分、スッポ抜けてしまう。
下半身が強いので、頭が突っ込んだとしても、グイっと右足に重心を残せるわけです。
ですので投げれているわけですが、普通の投手ならまず投げれないような上体の使い方をしているのではないかと。

ですので、もう少しフォームのバランスを整えて、球の精度も整えてもらいたいと思います。
そうすれば、肩肘の負担も減るわけで、1年間を通して投げる事に通じていくのではないかと。


@秋山:
シーズンオフでは「秋山が良い」なんて言われていたので、自分も少し期待してましたし、キャンプでの秋山を楽しみにしてました。
しかし初日の秋山をみて、あまりにもへんてこりんなフォームに驚愕させられたわけです。
下半身から上半身にかけて、何一つ力を加えられないフォームをしていたわけです。
さすがにブルペンで球を受けていた藤井が「フォーム間違っているよ」と指摘してましたが、あれはするでしょうね(苦笑)。

そんな感じで初日のやらかしてくれたわけですが、それが逆に良い効果となったのか、そこからフォームをコーチと共に見つめなおして、なんとか下半身をしっかりと使えたフォームになりました。
その結果、球の力が昨年以上のモノを見せてくれるようになったわけです。
広島とのOP戦での登板でしたが、球の力には驚きました。
「ここまで上がるか?」と、信じられなかったですね。

極端にダメだった投手が、キャンプ中に昨年よりもグレードアップしてしまう。
こんなケースは、ちょっと記憶にありません。ですので、まだちょっと信じられないところもあるわけです。
「広島戦での出来がたまたま良かっただけでは?」なんて見方もどうしてもしてしまうので、ここからの実戦でしっかりとした姿を見せて、不安から安心そして期待を抱かせてもらいたいですね。

「課題」:
球の力は上がりましたが、まだ投球術へと繋げられるレベルには無いと思います。
球の力があるうちは抑えられるが、少しなくなると打たれてしまう。
これでは困るので、悪いなりに抑えられる様になるためにも、しっかりとしたウイニングショットの確立。
「これが僕の武器です」という特徴を見つけて、それをベースとして投球を組み立てていく。
そんな事が出来たとすれば、飛躍の1年になるかもしれないですね。


(C+):鶴、二神、筒井


@鶴:
今年のブルペンを見る限りでは「良い」です。
そういう感じで見ていたのですが、初の実戦練習でヘボい姿を晒してしまう。
特に走者を出すと、軸足が早く折れてしまい、骨盤が回転する前に膝が開いてしまいます。
その結果上体の開きも早くなるので、球が高めに集まってしまうんですよね。

「課題」:
もうプロに入って数年経つわけですから、そろそろ自分のフォームぐらいは把握出来るようにしてもらいたいですね。
把握出来ないまでも、しっかりと調整出来るようにチェックポイントを見つけておく。
これが出来ないから、悪い時に悪いままになってしまい、それを引きずったのが昨年です。
「昨年の反省をどう今年活かしているのか?」と見ると、まったく活かせてません。
これではとてもローテなんて無理ですから、もっともっと意識高く野球に取り組んで、なんとか自分の能力を引き出す事を全力で取り組む。
そんな姿勢が出てくる事を、期待しておきます。


@二神:
ブルペンからとにかく投げ込みまくっていたわけで、今年に懸ける意気込みは、若手投手の中でもNO1ではないでしょうか。
そんな姿勢を見ていたので、とにかく活躍してほしいと思います。
実際に球のキレは素晴らしいし、制球も悪くない。
良い球が決まった時は、惚れ惚れとするわけです。

「課題」:
フォーム的ですが、肘を強引に上に上げすぎる様な感じもします。
ですので、肩肘への負担も結構大きいのではないでしょうか。
となると、肩肘のスタミナが無いとなれば、良い球を投げ続けるスタミナも無いとなるわけです。
良い時は素晴らしいけど、悪い時はどうしようもなくなっている様では、やはり「1軍」という座も危うくなりますからね。
ましてスタミナを要求される先発なんて、ちょっと厳しいでしょう。

ですから今のフォームで行くのであれば、その中で安定した球を投げ続けられる様に、何でもいいからスタミナ強化に繋げられる術を見つけてもらいたいですね。


@筒井:
中継ぎでようやく活路を見いだせたのですが、今年から先発へと挑戦。
先発として見ると、全力で9回投げれるわけありません。
ですから、筒井が中継ぎで見せていた全力投球というのは出来ないわけです。
その中で抑えていく術が必要となるのですが、それが何一つ見られません。
「球種を増やす」という意欲ぐらいは見せて欲しかったのですが、まるっきり無いのですが、ちょっと先発としては「難しい」としか思えないですね。

「課題」:
先発筒井は全てが課題だと思うのですが、簡単に書くと、力を抑えて投げるにしては、速球の威力は並です。
その中で、変化球はスライダーとチェンジアップのみとくる。
例えば「左打者に対して懐を攻めるにはどうするの?」となって場合、普通の威力の速球で攻めこむには怖い。チェンジアップなんて左打者には投げにくい。
スライダーは内角に投げれないので、速球しか無くなるわけですね。
それだともう無理なんですから、せめてシュートを覚えるなど必要性を感じて欲しかったのですが、それが無いのですからね。

先発としてうんぬんというよりも、今年も中継ぎで全力投球で頑張るしか出来ないかと思います。


(C):
白仁田、岩貞

故障してあまり見ていないので、何も評価なんて出来ません。


先発はこんなところでしょうかね。
とりあえずの開幕ローテには、A’~Bの投手が入ってくるのではないでしょうか。
6人から5人にするなんて話もありますし、二軍で力を蓄えている投手もいるのですから、またOP戦が進むにつれて変化も出てくるでしょう。
Cの選手もどんどん上がってもらって、OP戦だけでなくシーズン中でもいいから、ローテへと食いこんでもらいたいですね。
筒井は中継ぎとしての活躍を期待しているので、別ですが(笑)

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