虎・能見、鮮やか竜斬り!なんくるないさ~8勝
111球の力投を称えるように南国の島で初めて黄色いジェット風船が飛ぶ。能見が「やわらかい」と語っていたマウンドを気にする素振りを見せながらも、なんくるないさ~とばかりに歴史的白星をつかみとった。「暑いね~でも…」ゲーム開始時の午後7時2分に気温29・6度を記録し、湿度は70%を超えた。粘り強くイニングを重ね、最大の山場は七回だ。3点差に詰め寄られ、なおも二死一、三塁。一発なら、同点の場面で長距離砲のクラークを迎えたが、動じない。
「フォーク、フォークでね。(配球は捕手の)藤井さんに聞いて」頼りの女房役を信じて4球連続でフォークを投じ、空振り三振斬りだ。二回以降は毎回の8Kを奪う7回7安打2失点の熱投でリーグ2位の8勝目(3敗)。中西投手コーチは「マウンドはちょっと合わなかったみたいだけど、弱みを見せながら、投げるタイプやから」地方球場で今季3戦3勝と順応力の高さをみせつけた。左腕にとって沖縄は春季キャンプはもとより毎年、1月上旬から自主トレを行う。ゆかりは深いが、意外? にも食に対してはチャレンジ精神旺盛で「好き嫌いはほとんどない」と沖縄料理もこよなく愛す。ただ唯一、挑戦してギブアップしたものがある。ヤギ肉がたっぷり入った伝統のヒージャー汁。「一回食べてみたんだけど、癖が強すぎて…」。そのときばかりは持ち前のポーカーフェースがゆがんだとか。もちろん、この日の戦いの最中は端正なマスクが崩れることはなかった。「言われたところで投げるだけ」が大黒柱の口癖。次回先発は15日の首位・巨人戦だ。直接対決へ、竜倒で弾みをつけた暑い熱~い夜だった。勢い止まらん!阪神・今成、6打席連続打
勢いが止まらない。今成が連続試合安打を「5」に伸ばす2打数1安打。蒸し暑さが増す南国の夜に快音を響かせた。「コンスタントに1試合1本でも出るようにしていきたい」そう意気込んだ前日8日。宣言通りのバットコントロールだ。この日は打順が「5番」から「6番」になったが、3点をもぎ取り、なお、攻撃が続く一回一死二塁。カウント1-2と追い込まれた4球目を外角の直球を中堅方向にはじき返した。2打席目は二ゴロに終わり、連続打席安打は「6」で止まった。六回に四球を選んだところで代走が送られ、打率は規定打席には達していないが・349まで上昇した。巨人の背中を追う戦いのなか、背番号「49」が虎をさらに加速させる。
今成は、レギュラーでいいんじゃないか。
このバッティングセンスは、
ずっと使ってれば首位打者も狙えるんじゃないかって代物だ…たぶん。