「野党の得票はたかだか32%。おこがましい」橋下氏
都構想否決を痛烈批判産経新聞 10月27日(月)
「このまま大阪都構想を葬り去っていいのか」。政策の金看板に掲げる都構想の協定書(設計図)議案を否決された橋下徹大阪市長(大阪維新の会代表)は27日の本会議後、記者団の前でぶぜんとした表情を崩さず、協定書議案を再提出する意向を改めて表明した。「非常に残念」と感想を述べたが、意気消沈した素振りはなかった。むしろ淡々とした口調ながらも野党をやり玉にあげた。「都構想は議会の判断に左右されるような問題ではない」。野党市議が前回の統一地方選で得た総票数が当時の有権者数に占める割合が32%だったことに言及し、「たかだか32%の支持しか得ていないのに最終決定権を持つというのはおこがましい」とボルテージを上げた。そして協定書の是非を議会が最終決定すべきか住民投票で決めるのかを問う新たな住民投票の実現に向け、市民に「自分たちで決めさせてほしいと声を上げてほしい」と直接請求を呼びかけ、必要な署名活動などを維新が支援していく意向も表明した。一方で「いろいろな選択肢をテーブルに残し、判断する」とも。議決を経ずに住民投票に持ち込む専決処分の可能性について否定しなかった。
大阪都構想「橋下市長、行き詰まっているのでは?」
野党4会派が“勝利宣言”27日の大阪市議会本会議で、橋下徹市長(大阪維新の会代表)が提出した大阪都構想の協定書議案に反対、否決した公明会派の待場康生幹事長、自民会派の柳本顕幹事長、民主系会派の福田賢治幹事長、共産会派の山中智子幹事長が報道陣の取材に応じ、「都構想には区切りがついた」「結論が出た」「けりをつけた」と自信をみせた。主なやり取りは次の通り。--議案が否決された意義は待場氏「長い時間がかかったが、私どもは大阪がこのままで良いとは思っていない。大都市の改革はやらなければならないという思いだ。今回、協定書に関してはわが会派としては仕切り直しをすべきだということ。また、きちんとした案が出てくれば、(制度設計を話し合う大阪府、大阪市の)法定協などでしっかりとした議論をすべきだ」柳本氏「長きにわたり問題があると指摘してきた特別区設置に対して、市議会で一定の結論が出たと非常に重く受け止めたい」福田氏「長かったようで短かった感じがするが、一つの結論が出た。特別区設置の議論は国の法律に基づいて、それぞれの議会が否決した場合は終わりだ。結論が出たわけなので、これを踏まえて法定協が正常化されたのなら、大阪のまちづくり、大都市制度はこれからしっかりと議論をしていきたい」山中氏「長い間議論をしてきたが、議会として協定書が承認できないという議決が得られたのは大きなけじめだ。さまざまな奇策を考えてくるとは思うが、市民にとって良いのか悪いのかということを物差しにきちんと議論をしていれば、市長がどれだけ道理がないことをしてきても、道理をきちんと通しながら市民を真ん中に置いて考えたら、ちゃんとした答えが出せると思っている。議決に真摯に従ってほしい」--市長は最後は議会ではなく、住民が決めるべきだと言っている。また、都構想についての住民投票をするために住民投票をするとも言っている。待場氏「住民投票をするための住民投票は、法律の中にはない。議決は法に基づいて動く。法にないことは賛同できない。私たちは民意を得て議会に送り込まれた。民意を反映する意志がある。やられるなら、住民サイドからやっていくべきで、税金を使うべきではない」柳本氏「特別区設置法の中には議会で可決された場合に限って住民投票を行うとある。最後に住民投票を行うというのは否定しないが、あくまで議会での議決があっての住民投票。議会で否決されて住民投票を行うのは違法行為だ。特別区設置制度に反している。住民を良からぬ方向に先導するのは好ましくない。来年4月の統一地方選で(市長率いる大阪維新の会が)市議会過半数を取り、議会で可決すべきだ」福田氏「今日の議決で一つのけりがついた。住民投票は普通は想定されないだろう。市長は議会は住民投票をするための環境づくりとおっしゃっているが、これは二元代表制の中での議会の存在を否定している。住民投票するのであれば、しっかりとした議論なり、住民投票の必要性を議会に訴えるべきだ」山中氏「議会をないがしろにしていると思うのと同時に、市長は中身の議論はできないと白状したのだと思う。新しい見せ場として、住民投票のための住民投票などと、とんでもないことを言い出したと思っている。市民があり得ないと思うことをまたも6億円をかけるというのは、内容の議論を避けるために、自らを追い込んでいる感じがする。都構想は断念すべきだし、どうしてもとおっしゃるのなら、法定協で内容の議論をすべきだ」--市長や維新は、市長を委員会に呼ばなかったことを議論不足と指摘しているが待場氏「市長の答弁を聴いていると、何ら新しいことは出てこない。同じ言葉の繰り返し。議論は尽くされたと思っている。行き詰まっているのでは」
柳本氏「市長を呼ぶか呼ばないかというのはわれわれが必要性を感じるかどうか。呼ばないということは異常ではない。逆に、私たちはこれまで、議員間討論を求めてきたが、維新は受けなかった。これは、市長の頭の中にしか都構想を描けておらず、維新の議員は都構想を語ることができないということなのだろう。総務相が協定書に問題ないと意見するとともに関係者間で議論をすべきと苦言を呈している。関係者とは知事であり、市長であり議員だと思う。その4者がそろうのは法定協なのだから、再開すべきだ」福田氏「市長を呼んでも、委員会や協議会がパフォーマンスに利されてしまう。真摯な議論をするにはまず事務方と議論すべきという考えがあった」山中氏「われわれが議論したいのは都構想で市民の暮らしはどうなるのか、大阪市の行く末はどうなるのかというのを聞きたい。しかし、市長は『ちまちましたことや重箱のすみはどうでも良い』と言っている。そういう方とは議論ができないので、制度設計した事務方と議論すべきと考えた」--法定協での仕切り直しという話があったが、政令市を廃止するということには賛成なのか待場氏「でてきた内容による」柳本氏「かなり否定的な思いを持っているが、都構想については、本当に住民にメリットをもたらすのかどうかについて議論を進めてきた経過がある。真摯な議論ができるのであれば、やぶさかではない。まず正常な委員構成のもと、協議会の再開をするのが必須だ」福田氏「政令市をなくすことは反対だが、法定協で大阪府市の大都市制度あり方が真摯に議論されてきたのだから、それを生かし、大都市のあり方について政令市をなくすということやりも、大阪府市がどうしたらいいのかという視点で議論をしてほしい」山中氏「われわれは大阪市の解体は市民にデメリットしかないと思っている。今回の議決を真摯に受け止めるのであれば、都構想を断念してほしいと思っているがごく当たり前の地方自治体の議論を早く始めたい」柳本氏「付け加えるが、この間の議論が無駄だったとは思わないが、協定書を設置された状況をみると、労力や職員を使ったわりにとんでもないものができたと思っている。まず、協議会を続けるということではなく、廃案になるのが前提となると思う。ただ、この議論の中で生まれてきたものを一つの実りとして、大阪の繁栄を考えるのであれば、われわれが提案している大阪会議を始め、大阪市域内の都市内分権なども積極的に議論すべきということだ」--市長はもう一度議案を提出すると表明しているが、統一選までに出てきた場合の対応は待場氏「出てきた内容による」柳本氏「基本的に出てきた内容が同じであれば、一事不再議の原則になる」福田氏「提出される理由をもっと聞いてみたい」山中氏「全く同じものは一議不再議がルール。それ以外にない」--自民が提案する大阪会議は進んでいるのか柳本氏「(協定書議案の審議を行った)財政総務委員会の代表者会議の中で、委員会を設けて、われわれが提案者として質疑を受けようと調整している」--別の形の統治機構を議論するということか待場氏「公明では、ブロック化とか周辺自治体の連携とか今後勉強していきたい」柳本氏「特別区設置協議会(法定協)ということになれば、維新は協定書を設計すべきと主張するかと思うのでこれ以上議論すべきとは思わない。ただ、大阪がこのままで良いとも思っておらず、さまざまな観点で議論をすべきだと思っている」福田氏「協定書は今日、否決されたわけだから、結論は出た。しかし、橋下市長や維新が一石を投じたのは間違いない。これを契機に、大阪府・市のあり方については積極的に議論に加わって良いと思う」山中氏「特別区への解体というのはかなり市民へのマイナスが大きい。われわれは大阪市の統治機構に問題があると思っておらず、中身が間違ってきたと思っている。大阪は公共投資をじゃんじゃんやり過ぎてしまったという間違いは二度としないという政治の中身の改革や、無駄に使ってきたものは社会福祉や中小企業の対策など地域でお金がまわるという政治の中身を変えていくことを論していきたい」大阪都構想否決 市民の声さまざま
「当然の結果」「どっちもおかしい」大阪都構想の協定書が大阪府市両議会で否決された27日、大阪市民からは橋下徹市長の強引な手法や本格的な議論を避けた野党の双方を批判する声、不毛な対立にうんざりする意見が聞かれた。「聞く耳持たずに強引に推し進めたのだから否決は当然の結果。出直し市長選を強行した頃から、やり方がおかしいと思うようになった」。大阪市平野区の男性会社員(67)は、橋下市長ら維新側の手法を“独りよがり”と批判する。大阪市住吉区の建設業の男性(35)も「議論して良い案を作ることができれば議会も反対できない。幅広い意見をまとめて実行できる力があってこそトップといえるのでは」と話す。一方、大阪市北区のアルバイトの女性(52)は野党側の対応を疑問視。「反対するばかりで、大阪を本当に良くしようという姿勢が全然見えなかった」と不満をもらす。大阪市北区の経営コンサルタント、山口裕樹さん(36)も「反対のためのあら探しが多かった。反対した側の責任として、今後どんな具体的対案を出すのか注目したい」と話した。大阪市東住吉区の無職、浜田保さん(67)は「(維新側も野党側も)どっちもおかしい」とうんざり顔。「二重行政を解消するという都構想の考えには賛成するが、理解できない部分がある。反対側の理由もよく分からなかった。もっとメリット、デメリットをしっかり話し合ってほしい」と求めていた。
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『す・またん』(10月28日)大阪都構想 否決
橋下市長再提出の方針辛坊治郎:関西版の新聞は皆、一面トップですね。読売だけは一面トップじゃありませんが、それでも一面サイドに書かれてます。大阪府と大阪市で話しして、それで両方ともなくして、大阪都をつくる。その区割り、設計図みたいなのができたわけですよ。その設計図つくるのにだって、市議会も不議会もボイコット状態で、まあ、『維新』単独でつくったものなんで…まあ、議員数が双方、今、過半数に足りてないんで、否決は織り込み済み、ということなんでしょうけど、さあ、これからどうするか。おそらくこのままだと、公明党も賛成してくれないんじゃ、何回出しても否決されるでしょうね。とくに市議会は、何度選挙やっても、単独過半数取れるように(区割りが)できてませんから。府j議会の方は、来年から議席数がどっと減ることになりましたんで、どうなるか、読めないとこあるんですが、まあ、過半数は無理でしょうね。そうなると、来年の統一地方選に向けて、「住民投票でやります」と…これ『専決処分』って言うんだけど、市長が勝手に自分で、議会が開いてない時に出来るんですよ。地方自治法に一応それ、書いてある。だから、違法か、合法か、っていうと違法じゃないんだけど、それやったら、さらに反発が強まるでしょうね。ただ、大阪の府民市民が、賛成なのか、反対なのか、見てみたい、っていう橋下さん…維新の考えもわからんでもないんでね。まあ、今後の流れとしては、こういう事もあり得るってことです。◇議会が開かれてない時に、市長(首長)の権限で、住民投票を強行するってこと、これ、出来ることはできるんでね。これを『専決処分』って言うんだけど、議会を経ずに、住民投票で、議案(設計図)は出来てるんで、それを直接問うことはできるんだけど、それをやると…えー、かつて、それ連発してやった首長さんもいて、結構大きな問題になったこともありますので…まあ、これ、市民府民の受け止め方次第なんですが、朝日新聞 『都構想案 泥沼の第二幕 専決処分も辞さず』毎日新聞 『維新打開へ 民意頼み』・・・これ、もうだけど、野党は乗らないでしょうね。統一地方選がもう近いですから。野党の思いとしては、来年の統一地方選で、「維新」がさらに小さくなったら、都構想は完全に潰すことができる。逆に維新から言いますと、今、維新が(前回の選挙での議席)大勝ベースですから、これ以上、議席数を減らすとなると、都構想は完全に潰えてしまう。今、多分、橋下さんの腹の中には、専決処分を強行して、統一地方選のタイミングで住民投票まで一気にやってしまおうと。それで住民投票で否決されたら、そらもう、どうしようもないですから。だけど、設計図は出来てるんで、住民投票のワンチャンス、通るということになったら、全部、ひっくり返すことができる。法的には可能なんです。その手段に出てくるかどうか、ということですね。産経新聞 『廃案後も、続く攻防』どうなるか・・・
府市二重行政からの脱却、
労働組合等、既得権益貪るヤミとの断交、
橋下の前にも市民の求めに応じ、改革を志した市長がいた。
だが、結局、その市民が道半ばで改革に飽き、ハシゴを外した。
2度あることは3度ある。
よもや、今度の橋下改革が成らないなら、
大阪は永久に変われまい。
3度目の正直なんて、慰めの言葉にもならない。