橋下徹(大阪市長):これを出せば、98%の国会議員が去るであろうと思ってましたから。今の国会議員が去っていくような案を出さないと日本は変わらないですよ。今の国会議員のメンバーで日本を変えられなかったんだから、今の国会議員が乗ってくるような案だったら、それはダメでしょ。それと、これは既存政党への踏み絵ではあるんですが、同時に国民への踏み絵でもあるんです。『ワイド・スクランブル』 2月14日
―― 維新八策のポイントをお訊きしたいんですが…中田宏(大阪市特別顧問):ポイントは『価値観』です。実はお気づきになってるかと思いますが、これは政策と言えるのか、ということも含めて、これは価値観の提示をしてる段階なんです。すなわち、「国の統治機構を変えよう」と、橋下さんは何度も言ってますが、「首相公選制」も、「道州制」も…それと、一方では経済政策も、当然、語らなければならない。今、維新八策が出してるのは、基本的価値観、この方向性でやれる人を求めていきますよ。だって、価値観バラバラで政策の議論やっても、今の民主党みたいにあとでバラけるだけですから。方向性の話です。だから「憲法改正」も入ってるし、こういう覚悟がある人は誰ですか?という問いかけの内容です。ですから、船中八策…維新八策が政権公約だ、みたいな話が独り歩きされてもいけないんであって、現段階ではこの方向性でいきますよ、この方向性で皆さん議論しましょう、ということなんです。で、「維新塾」ではですね、単にお勉強の場、というんではなくて、そこで各論を詰めて議論しましょうという場なんです。―― たとえば、首相公選制なんですが…中田:たとえばですね、民主党の社会保障の一体化で言えば、今、これを賛成か反対かは言いませんが、このことを野田さんが言って、代表選で勝ったワケです。ところが、いざ、法案出すとなると、後ろから弾が飛んでくる。党内で、もう決まらないワケです。リーダーを選んだ、このことは物事を決める人を選んだということであって、決めるべきときに、決めるべき人が、決めれないから、この国はドンドン、ダメになってる…この問題意識は、おそらく、ほとんどの国民は、そう思ってられるはずなんです。現実、地方議会だって、市長や知事を直接選んでます。選んでるけども、今度は議会が足を引っ張って、ワーワーやる。このことに対して、大阪府では維新の会が選挙で議会の過半数占めるとこまでいって、決められるようにしようとした。で、そもそもは、総理大臣の仕組みからして、これ決められない仕組みの典型じゃないかと。国会議員の顔色見て、国会議員にウケのいい人選んで、国民のほうを見てない。それじゃあダメなんだ、ということで首相公選制…決められる仕組み。これが橋下さんの…というか、これは私も含めて、多くの人が言ってきたことですから、国会でも何人か言ってましたけど、まともな議論にならないんです。首相公選制はもちろん、憲法を変えなきゃいけない話ですから、でも、まず、首相を皆さん、自分たちで決めませんか…人気投票じゃなく、政党の出した候補のなかから選ぶ、ということなんですが、それをするには憲法を変えないといけないですよと、国民に問いかけていくんです。『キャスト』 2月14日
―― 首相公選制、参議院廃止、憲法改正の賛同を3分の2から、2分に1に。東国原英男(維新塾講師):これ、すべて可能です。あのー、いろいろと議員の皆さん、「実現性が薄い」とか、「言うのは易しい」とか、言ってましたけど、政治・行政で一番大事なのは、可能性からの発想だと思うんですよ。「これはできません」「あれはできません」は、役人の発想です。政治家は可能性の発想をしましょう。「できるんだ」「やれるんだ」「やるんだ」という発想を持ちましょう。―― ただ、これ、参議院を廃止…東国原:私の考えでは、参議院は100名程度。そのうち、47人が都道府県の知事が兼務です。残りの53人は全国比例区から出します。参議院は今、その機能を果たしてません。衆院のカーボンコピーになってます。同じような選挙制度で、同じような政党…これを解消するためには、参議院のあり方を原点に戻さないといけないと思ってます。木原善隆(ABCコメンテーター):私はこれは橋下さんのいつものやり方だと思うんです。一点突破(大阪都構想)、全面展開(船中八策)。ただ、今回に関してはこれ…えらい大風呂敷を広げたなと。さすがに橋下さんも、すぐに全部できるとは思ってないでしょう。だんだん、維新塾で揉まれていって、可能な案に修正していくんじゃないかなと思うんですが…東国原:多少は変わるかもしれませんね。でも、概ね、変わらないと思います。これから、既存の政党の議員が各々、どれくらい、これに乗ってくるか…ですね。国家を根本から変える…首相公選制とか参議院廃止とか、言ってる人はいたけど、実際、本気でやろうとした人はいなかった。これをやったら、ホントに大阪から日本を変える、となるでしょうね。―― 教育基本条例ですが…東国原:まず、私は、教育委員会の設置の選択制ですけども、これは地方がそれぞれ決めることでですね、一律に一元化して決めるのはどうなのかなと…たとえば、20年前の「ゆとり教育」。あれは文部省の暴走ですよ。あれに全部、右に倣えで…どうだったの、あれは、と。今、「ゆとり教育」は失敗だったという意見が大方ですよね。あのとき、地方が「ウチはそれやらないよ」と言えてたら、それを住民の皆さん…保護者と教員で決めれてたら…ある程度の大枠は国が決めてもいいんですけどね。木原:私はこれ(船中八策の内容)、半分本気で半分脅し、と見てます。国政に進出する上で、その情熱は本気だと思いますが、一方で、都構想が実現しないならば、こんだけ国に過激な政策をもっていくんだぞ、という…既成政党に脅しをかけてるんですね。つまり、選挙で脅し、八策で脅してるワケですよ。―― 実現するには、国会議員の3分の2が賛成しないと…東国原:ですから、私の理想は、来年の夏、衆参同時選挙。つまり、今年は民主党に解散してほしくない。『みのもんたの朝ズバっ!』 2月16日
古賀茂明(大阪市特別顧問):私は年金廃止論者なんで、橋下さんより、もっと過激なんですが、要するに実際今、破綻してるんです、見えないだけで。で、それをどうするかって話をするときに、ホントだったら、いったん清算して、まあ、返すって言っても、ちょっとしか返んないですけど、それで始めなきゃいけないくらい、もう追いこまれてるんですよ。それを橋下さん、問題提起したというのが、まず第一。これから行われることは、たぶん、財務省と厚労省が試算というものを出します。だけど、これ気をつけないといけないのは、この試算は必ずウソです。今までも、ずっとウソやってきました。モデルをやってると言いますが、モデルっていうのは隠してますから、何やってるかわからない。で、答えが出てきたら、「これでなんとか、ギリギリやっていけます」、「100年安心です」ってかつてやったんです。これからも多分やりますから、そこ一回チャラにして、考え直そうと…―― でも、今の年金をアテにされてる人もいるワケで…古賀:橋下さんは、それはまだ何も言ってないんですよ。そこを、あんまり、できるかできないか、よくわからないうちに言っちゃうと、また良くないので、詳細な制度設計は時間をかけてやると、仰ってますが、単純に言えば、「清算する」ということです。でも、清算するには積立金は、ものすごく減っちゃいました。今、600兆って言ってますから、ちょっとしか返ってきません。アメリカの学者が今、消費税を30%にすれば、という話ですが、でも、それだって消費税を全部、年金に使えばの話で、現実には、他にも医療とかにも使わなきゃいけないし、電気料金もこれから上がるでしょう。だから、もう実質的にはもう破たんしてるんです。今のままではどうにもならない。それなのに「ギリギリなんとかなる」っていう試算を出してきて、また何年か後に「やっぱり足りないからまた5%」って…それがずっと続きますね、「取り合えず」とか、「当面」とか言って…荻原博子:今の年金は、「受給年齢を上げる」か、「保険料を上げる」か、「支給をカットする」か…この3つの繰り返しなんです、いつも。私は橋下さんは、切っちゃうってことだけじゃなくて、沢山持ってる方の貰う分を、低所得者の方に回そうっていうことなんでね、これからどんどん生活保護も増えてくる、これを年金と合体させて、という発想もひとつあるワケですね。ここでお聞きしたいのは、お金持って、いくらくらいから何でしょうね?古賀:まあ、それは、これから国民的に議論して決めるしかないんですが、でも、背番号は絶対いりますよ。でね、今、働かないで養ってもらおうって人がどれくらいいるか。そういう人たちが、このままだと、どんどん増えてくってことですよ。荻原:でも今、年金不信で納めない人が増えてるっていうなかでね、ますます貰えないなら払わないっていう人、増えるんじゃあ…ここで大事なのは、招集するシステム、民主党は「歳入庁をつくる」と言ってたんだけど、かけ声倒れで…そこら辺がクリアになればね。みのもんた:外国の機関から、日本は消費税が30%以上じゃななきゃやってけない、って言われてもねー。古賀:あれも財務省から人が行ってて、それがつくるんですよ、数字を。それをIMFに言ってもらってるというのが実体ですね。荻原:IMFのナンバー2は日本から行ってますから。おカネも日本が2番目に出してますから。みのもんた:そうすると、小宮山大臣は「掛け捨て?私はそういう考え方は取らない」と言ってますが…荻原:でも、そう言いながら、収入が850万円以上の人には辞退してもらいます、って言ってますよね。これ、同じことですよね(笑)。古賀:今までだって、おカネ持ってる人のところ、全部返ってませんから。そういう意味では掛け捨てなんです。年金は税金と同じだ払わなきゃいけないものだとね、そう思わないと。お金持ちが、どうせ掛け捨てだから払わない、というモラルハザードは許しちゃいけないんです。
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大阪都抗争(市闘編)/維新八策スプラッシュⅣ
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