米「トランス脂肪酸」全廃へ、日本での影響は?
TBS系(JNN) 6月17日(水)18時54分
マーガリンなどに含まれている「トランス脂肪酸」。
アメリカのFDA=食品医薬品局は、動脈疾患との関連が指摘されていることなどから、トランス脂肪酸を多く含む油脂について、食品への使用を3年以内に全廃するよう通達しました。
日本の対応は、どうなっているのでしょうか。
日本でも、トランス脂肪酸は、マーガリンやお菓子をつくるときに使われるショートニングなどに含まれていますが、現在、表示の義務や含有量に関する基準値はありません。
「分からないです。あまり何が入っているか気にしたことがない」
「よくニュースとか周りのネットとかでは、体にあんまり良くないとは聞くので、回数は減らそうかなと」
WHOは、トランス脂肪酸の摂取量を総エネルギー摂取量の1%未満にするように勧告していますが、日本人の平均の摂取量は0.3%と推計されていて、内閣府の食品安全委員会は、
「日本人の摂取量は少なく、通常の食生活では健康への影響は少ない」
としています。
「日本人の平均値に関しては届いていないので、規制が必要という状態ではない。
ただあくまで平均値なので、何かをたくさん食べたりということは避けた方がいい」
(管理栄養士 浅尾貴子さん)
今回のFDAの対応を受けて、食品安全委員会は、「今のところ評価を見直すことは考えにくい」としています。
アメリカでは食品添加禁止に! クッキーやドーナツなどに含まれる「トランス脂肪酸」って?
Mocosuku Woman 6月17日(水)
6月16日、アメリカの食品医療薬品局は、加工油脂に含まれる「トランス脂肪酸」の食品への添加を2018年の6月以降は原則禁止にすると発表しました。
心臓病や心筋梗塞のリスクを高めるとされ、アメリカでは「安全とは認められない」と結論づけられたトランス脂肪酸。
日本ではいったいどんな食べ物に含まれているのでしょうか?
また、健康に対する影響は大丈夫なのでしょうか?◆トランス脂肪酸が含まれている食品って?
トランス脂肪酸は、天然の食品に含まれているものと油の加工や精製を通した過程で作られるものの2種類があります。
前者のトランス脂肪酸は、主に牛肉や羊肉、牛乳、乳製品に含まれているのが特徴的です。
一方で生成される後者のトランス脂肪酸は、「水素添加」という加工技術によって作られます。
これは、植物油や魚油から油脂をつくる方法のひとつです。
主にマーガリンやファットスプレッド、ショートニングが挙げられます。
また、これらを原材料に使ったクッキーやクラッカー、スナック菓子、ケーキ、ドーナツ、ピザや揚げ物に含まれるため、意識せずとも摂取していることが多いのが特徴です。
さらに、植物性のサラダ油も製造過程のなかで微量のトランス脂肪酸が生成されます。◆トランス脂肪酸による身体への影響は?
日常的に摂取することも多いトランス脂肪酸。
長期に渡って過剰摂取することにより、血中の悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減少されるとみられています。
これによって動脈硬化を起こし、心臓病や心筋梗塞などの危険性を高めると言われています。
トランス脂肪酸が与える健康への被害を恐れ、アメリカやヨーロッパ、イギリス、フランス、カナダ、オーストラリアなどの多くの国では問題視されています。◆日本では健康への影響は少ないってホント?
海外では制限されることもあるトランス脂肪酸は、今の日本では制限されていません。
WHO(世界保健機関)では、トランス脂肪酸の摂取量を総エネルギー摂取量の1%未満にするように指示しています。
日本人が1日に消費するエネルギー平均は1,900kcal。つまり、総エネルギー摂取量の1%は1日で2gになります。
1人あたり1日に摂取すべきトランス脂肪酸の目標量は2g未満。
2008年に農林水産省が実施した調査研究によると、日本人が1日あたりに摂取しているトランス脂肪酸は0.92~0.96gが平均と推定されているため、総エネルギー摂取量の0.44~0.47%に相当します。
これは、WHOが勧告する摂取量の1%未満にとどまるため、問題にする必要はないと考えられているのです。
ちなみに、100gあたりの食品中に含まれる脂質やトランス脂肪酸の含有量で1gも超えるものは次の通りになります。
・クロワッサン:0.29~3.0g
・チーズ:0.48~1.5g
・味つけポップコーン:13g
・和牛ロース・サーロイン:0.52~1.4g
・チーズ:0.48~1.5g
・生クリーム:1.0~1.2g
・バター:1.7g~2.2g
・マーガリン:1.7g~2.2g
・クッキー:0.21~3.8g
(食品安全委員会:2007年「食品に含まれるトランス脂肪酸の評価基礎資料調査」より)
とはいえ、日本人がこれらの食品を1日に100g以上摂取することはごく稀です。
日本人のトランス脂肪酸の平均摂取量はWHOの基準値よりも少ないため、日本ではトランス脂肪酸に対する厳格な規制はありません。
とはいえ、いずれにしても過剰摂取は禁物です。栄養バランスを考え、トランス脂肪酸をとりすぎないよう日頃から注意しましょう。
参考:
農林水産省
(http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_wakaru/)
食品安全委員
(http://www.fsc.go.jp/fsciis/survey/show/cho20070330002)
監修:山本ともよ(管理栄養士)
Mocosuku編集部トランス脂肪酸って体に悪いの? ワースト5の食品を今すぐチェック
All About 6月18日(木)
ケーキやお菓子が大好きな人は、普段の食事内容を見直してみて!◆トランス脂肪酸とは?
トランス脂肪酸は、水素添加した植物油を扱う過程で人工的に生成される副産物です。
トランス脂肪酸はLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を増加させるもので、動脈硬化をはじめ、心臓疾患、ガン、免疫機能、認知症、不妊、アレルギー、アトピーなどへの影響が報告されています。
日本人の一般的な食生活においては、トランス脂肪酸の摂取過剰によるリスクを心配する必要はないとの見解が強いため、日本では特段の規制はされていませんが、「普通」の食事をしていない人にとっては深刻な問題になりかねません。
実際のところは、「普通」の食事を定義するのも難しいと思います。◇トランス脂肪酸の過剰摂取が心配される食事例
朝食:パンにマーガリンや菓子パン、クリーム入りコーヒー
昼食:ファーストフード、又は冷凍食品を利用したお弁当
おやつ:クッキー、クラッカー(ショートニングを使用したもの)
夕食:インスタント・レトルト食品を利用したもの
上記のような食べ方をしている人は要注意です。
特に、LDLコレステロール値が標準より高く、アレルギー、アトピーなどで悩んでいる人は、食事内容を見直してみるべきかもしれません。◆トランス脂肪酸が多く含まれる食品
トランス脂肪酸が多く含まれている食品を日常的に摂取しているか、ワースト5の食品グループをチェックしてみましょう。
下に示している食品を多用していたり、よく食べる人は過剰摂取している危険性が高いです。◇オイル系
マーガリン、ピーナッツバター、マヨネーズ、コーヒーのクリームなど◇お菓子系
ケーキ、アイスクリーム、チョコレート菓子、クッキー、クラッカー、菓子パン、ポテトチップス、ドーナツなど◇インスタント・レトルト系
カップ麺、インスタント麺、缶のスープ、シチューのルウ、カレーのルウなど◇ファーストフードやファミリーレストラン系
チキンナゲット、フライドポテト、フライドチキン、パイなど◇冷凍食品系
から揚げ、ケーキ、ピザ、魚のから揚げ、コロッケ、天ぷらなど
なお、日本では食品事業者による自主的な努力によって、トランス脂肪酸の含有量が従来よりも少ない食品が販売されています。
食品を購入するときは、それらもあわせてチェックすると良いでしょう。
一政 晶子(All About 療養食・食事療法)植物性人工脂肪のトランス脂肪酸は健康の敵
(更新日:2004年05月29日)
自分が口にしている脂の種類を意識したことはありますか?
最近は、健康をキーワードにした食材がブームですね。
このサイトをお読みになっている方の中にも普段から健康に気を配っている方が多くいらっしゃることと思います。
そんなアナタは植物性という言葉にも弱いのではないでしょうか?
今回は、ご自身が普段口にされている脂について関心を持ってもらうために、植物性油脂から生成されるトランス型脂肪酸の健康に及ぼす影響についてお話をしようと思います。
普段の食生活に深く浸透するトランス型脂肪酸!
皆さんはトランス型脂肪酸という脂肪酸をご存知でしょうか?
耳にしたことが無かったとしても、普段の生活で摂取されていると思います。
例えば、家庭でも天ぷらや豚カツを植物性油で揚げた時など、植物性油のような不飽和脂肪酸を多く含む油を加熱処理した時に生成されます。
他に、
•マーガリン
•ショートニング(無水マーガリン)
などの食材にも含まれています。
食材を想像してみるだけでも、私達の生活に深く浸透していそうなトランス型脂肪酸ですが、実は、天然にはほとんど存在していない脂肪酸で、健康に及ぼす影響について少し考えていただきたいのです。◆トランス型脂肪酸は花粉症やアトピー性皮膚炎にも関係します
もともと脂肪酸は、生物学的には生体を構成する細胞膜の基本成分です。
私達の体を構成する細胞膜の脂肪酸は、免疫学的には炎症や免疫を促進(抑制)する局所ホルモンであるプロスタグランジン系の元となります。
ところが、今回ご紹介したトランス型脂肪酸は生体内でプロスタグランジン系を作る元として使うことができません。
そのためにトランス型脂肪酸を含む細胞膜は局所での炎症反応の調節に障害が起きる可能性があります。
なので、花粉症の症状にプロスタグランジン系が明らかに関係している人は、トランス型脂肪酸の摂取は控えた方が懸命です。
もし、皮膚の細胞膜がトランス型脂肪酸を多く含むと、生体を構成する細胞膜が不安定になるために、外部からの刺激に弱くなる可能性があります。
そのためにマーガリンの摂取量とアトピー性皮膚炎との関係も示唆されています。◆米国でトランス型脂肪酸を規制するのは何故?
米国から輸入された加工食品を見ると、総脂肪量、飽和脂肪酸量、コレステロール量の表示があります。
これらが冠状動脈疾患(狭心症や心筋梗塞)の危険因子となるからです。
そのために消費者に注意を促すために脂肪に関して表示が義務付けられています。
それに加えて、2006年1月までに冠状動脈疾患の危険因子となるトランス型脂肪酸含有量も義務づけられる事になりました。◆ドイツでトランス型脂肪酸を規制した理由
腸の慢性炎症疾患でクローン病という難病があります。
ドイツではマーガリンの摂取とクローン病の因果関係が証明されました。そのためにマーガリンの使用が制限されています。◆日本でトランス型脂肪酸の摂取を避けるには?
日本ではアメリカのように総脂肪量、飽和脂肪酸量、コレステロール量の表示を義務化する動きはありません。
それより一歩進んだトランス型脂肪酸の表示の義務化も当然、ありません。
また、マーガリンの使用の制限もありません。
しかし成分表示があるのでマーガリンやショートニングの使用については確認できます。
スーパーやコンビニで確認すれば、市販のペストリーや袋パン、ケーキ、クッキー、レトルト食品はマーガリンやショートニングを使用してあることが直ぐにわかるはずです。
ファーストフードやファミレスで加熱調理に使用している油もトランス型脂肪酸を含んでいる可能性が指摘されています。◆授乳中の方は特にトランス脂肪酸に気をつけましょう
母親がトランス型脂肪酸を摂取すれば母乳中に分泌されます。
急速に成長している乳児が取り込んだトランス型脂肪酸を自分の細胞膜に使うとアレルギーやアトピー体質になりやすくなります。
授乳中の女性は特にトランス型脂肪酸に気をつけましょう。◆まずは、自分の食べている油に関心を持ちましょう!
自分で食べている油について関心を持って生活することがトランス型脂肪酸摂取を減らすことになります。
すぐにできることは、マーガリンを使用しない、加熱調理にはオリーブ油を使う、マーガリンや植物油を使用した加工食品は買わないことです。◇おまけ:
マーガリン・ショートニングの作り方
マーガリンやショートニング(無水マーガリン)は、不飽和脂肪酸を多く含む室温で液体の植物性の油脂に化学的に水素を添加し、過熱処理して工業的に合成します。
液体から固体の油脂となりますが、同時に生産中にトランス型脂肪酸ができてしまいます。
実際、マーガリンやショートニングは多いものでは、その脂肪酸の10%以上がトランス型脂肪酸となっているものもあります。
西園寺 克
臨床検査の中で臨床細菌学、臨床薬理学、臨床免疫学を専攻
今さら、というニュースだけど、
今回、この話で全然触れられてないところが気になった。
たしか、
錠剤薬を固めるのにも、トランス脂肪酸使われてる、って前に言ってた記憶がある。
薬の場合、毎日飲んでる人もいるワケで、
こっちの方がより深刻なんじゃないか、
って思ったりした。
わかってたら、液体であったり、粉末カプセルに代えるだろうし・・・
これも、スポンサーに気がねして、
庶民に隠してる『不都合な事実』なのかも知れない。
今回、この話で全然触れられてないところが気になった。
たしか、
錠剤薬を固めるのにも、トランス脂肪酸使われてる、って前に言ってた記憶がある。
薬の場合、毎日飲んでる人もいるワケで、
こっちの方がより深刻なんじゃないか、
って思ったりした。
わかってたら、液体であったり、粉末カプセルに代えるだろうし・・・
これも、スポンサーに気がねして、
庶民に隠してる『不都合な事実』なのかも知れない。