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大阪都抗争(市闘編)/司馬遼太郎かくいう「義」

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橋下新市長、各会派と直接討論を希望

2011.12.1産経新聞
次期大阪市長に就任する橋下徹氏が、議会運営をめぐり、各会派と直接協議する懇談の場の設置を希望していることが1日、橋下氏率いる地域政党「大阪維新の会」関係者の話で分かった。
市長与党会派となる大阪維新の会とのなれ合いを避けるとともに、オープンで緊張感のある議会運営にするのが狙い。
実現されれば、重要施策を各派の有力議員への根回しによって進めてきた市議会のあり方も大きく変わりそうだ。
 
維新関係者によると、29日に開かれた市議団総会で橋下氏が方針を示した。
構想によると、定例市議会の開会前などに、市側が提案する議案や重要政策について直接、市長と各会派の議員が意見交換する場を設ける。
また橋下氏は「予算要望などの際に、維新会派を特別扱いしない」とも言及したという。
 
府議会では毎年8月ごろに、各会派が知事に要望を伝える場を設定。
橋下氏の知事時代の平成21年からは毎年1月にも意見交換の場を持ち、議員が予算編成にかかわることを橋下氏が求めてきた経緯がある。
 
大阪市議会では毎年12月ごろに、予算編成にあたって各会派が要望書を市長に提出しているが、この要望は市当局と会派が内容をすりあわせたうえで提出されていることも多く、“セレモニー的な場”になっているという。
市の重要施策も副市長ら市幹部が各会派の幹事長や有力議員に直接説明し、水面下で合意形成を図る方法が主流だった。
 
大阪市議会の会派構成は維新33人▽公明19人▽自民17人▽民主系9人▽共産8人。
平松市政では自公民の三派が共同歩調を取り、市当局と調整を行いながら重要案件の議決を左右してきたが、自民党のベテラン議員は「有力議員への『根回し』が重視されてきた議会運営も、これから、かなり変わってくるのではないか」と話していた。
 

市役所への意見3日で240件 市民からも「改革圧力」

12月2日産経新聞
前大阪府知事の橋下徹氏が初当選し、全国的に注目を集める大阪市役所に対し、市長選翌日から3日間で、市民から意見や問い合わせが約240件に上ったことが2日、分かった。
通常より2・5倍以上の件数で、最も多かったのは「市職員の態度が悪い」といった批判。
一方で橋下氏への期待が目立ったといい、「市役所をぶっ壊す」としている橋下氏の今月19日の就任を待たず、“改革圧力”が市民から押し寄せている格好だ。
 
市情報公開室によると、橋下氏の当選翌日の28日、市役所に出勤した市職員のインタビューがテレビニュースで流れたが、同日から30日までの3日間で、こうしたニュース映像をめぐって「市職員の態度が悪い」といった批判が69件寄せられた。
ニュースでは選挙結果の感想を問われ「僕が考える民意とは違う」と答えた市職員がおり、この映像を見た橋下氏も「公務員は民意を軽く見ている」と批判していた。
市民らの意見は「選挙結果に従え」といった内容が多く、「公務員が政治活動をしていた」と指摘した橋下氏に同調する意見が多かったという。
 
このほか、橋下氏に期待を寄せる意見が13件、大阪都構想への期待が14件あったほか、市政改革に期待感を示す意見も7件あるなど、橋下氏に好意的な意見が多かった。
 
一方で、橋下氏の市政運営に懸念を示す声も。
「市の文化政策が後退するのではないか」との声が7件あったほか、橋下氏が選挙期間中のラジオの討論番組で東日本大震災の被災地のがれきの受け入れる考えを示したことについて、反対する声も19件あった。
地下鉄民営化や生活保護、職員の給与改革といった重要施策についての意見も相次いで寄せられた。
市担当者は「問い合わせ窓口にこれほどの反響があったのは今年初めて」と驚いた様子で話した。
 

橋下氏は1週間で何をしたのか?
部局レクチャーの実態

2011.12.10 産経新聞
大阪市の橋下徹次期市長は19日の市長就任を控え、5日から1週間にわたり各部局のレクチャーを受けた。
当初は各局が抱える重要案件の説明を行い、橋下氏は「聞き役」に回るはずだったが、就任前から次々と改革方針を提示。
市幹部に対して意識改革を迫るとともに、市長就任と同時にスタートダッシュを切るため、すでに助走を行っているようだ。
レクチャーを担当しているのは、各部局の局長。
A3用紙1枚に部局の課題などを列挙したペーパーを準備し、約1時間かけて説明を行う形式になっている。
来年度予算、局方針、大阪維新の会のマニフェストと市の方針の違いなどについて提示し、その1枚をみるだけで、その局が抱える問題点が分かる仕組みになっているという。
 
次期市長の橋下氏とともにレクチャーに同席しているのは維新市議団の幹部たち。市議としての経験から市政にも精通しており、ともにレクチャーを聞きながら橋下氏にアドバイスを行っているという。
橋下氏は職員の話を聞き、自らの問題意識を披露。
維新の会が提示したマニフェストに基づき、早くも改革を実行するよう要請しているという。
市長就任前から矢継ぎ早に指示が出せているのは、マニフェスト作成を通じ、政策議論を行ってきた経緯もあるからだという。
参加した局長たちからは「理解力が早いから話がどんどん進む」といった声も。
一方で選挙前は市職員を“シロアリ”に評していた橋下氏も市幹部たちを「優秀だ」と評価した。
 
橋下氏は基本的に、大阪府知事時代に行ってきた政策の延長線上に市政を位置づけて判断しているところが特徴だ。
9日には報道陣に対し「知事時代は大阪市以外の府内のことを考えていたが、今は府内のほかの地域のことを考えながら、大阪市内のことを考えている。知事と市長の両方を経験するからこそ、大阪全体のことを考えられる。これこそが大阪都構想の中身だ」と語った。
 
 
 
 
 
司馬遼太郎 『国取り物語』より――
「すべてが変わりつつある。この先、なお変わるだろう。
時代に残されてゆくものはほろびる。
わしがおぬしでも、長井藤左衛門は殺すよ」
「ほう」
庄九郎は、穏やかな日護上人に意外な面を見出したようである。
「われわれの宗祖は、日蓮様だ。元寇のとき国難来るとを予言してはげしく時の政府を糾弾なされ、そのため斬られようとさえなされた」
と上人はいう。
「鎌倉幕府は居眠っていた。たまたま執権時宗のごとき英傑がいたればこそ元寇をふせぎえたが、居なければ日蓮様はみずから兵仗をとって幕府を攻め取られたかもしれない。
国家有事のとき、無能と旧弊と安逸主義こそ悪だ
……
「長井藤左衛門はわるい男ではない。しかし藤左衛門のにぎっている組織こそ、腐りきった美濃の旧弊組織というものだ。
藤左衛門はその代表であり、それを斃さなければ美濃は近江や尾張のようにあたらしくならぬ」
 
……
 
歴史が、英傑を要求するときがある、ときに。 ――
時に、でしかない。
なぜならば、英雄豪傑といった変格人は、安定した社会が必要としないからだ。
むしろ、安定した秩序の中では百世にひとりという異常児は毒物でしかない。
が、秩序はつねに古びる。
秩序がふるび、ほころびて旧来の支配組織が担当能力をうしなったとき、その毒物が救世主の薬物として翹望される。
 
……
 
―― 人間とは、
と庄九郎とほぼ同時代のヨーロッパの戦国時代に出た策略家ニコロ・マキャヴェリは、五カ条をもって定義している。
一、恩を忘れやすく
二、移り気で
三、偽善的であり
四、危険に際しては臆病で
五、利にのぞんでは、貪欲である
と。
むろん庄九郎は、このイタリー半島のフェレンチェの貧乏貴族の名も思想も知らないが、まったくの同意見であった。
だから、第五条の利を与えてやるために、京の山崎屋の巨富をどんどん美濃へ運びこんで懐柔し、かつ、第四条の臆病という人間性に対しては、
「従わねば、敵として討つ」
というおどしを持って向かった。
マキャベリはいう。
―― 君主というものは、愛せられるべきか、怖れられるべきか。これは興味ある命題である。
常識的に考えれば両方兼ねるがよいということになろうが、その域に達するのは困難なことだ。
だから君主にしてそのどちらか一つを選べということになれば、愛せられるよりもむしろ怖れられるほうがよく、またそのほうが安全である。
「蝮のほうがいい」
とマキャベリはいうのだ。
愛嬌のある仔犬よりも、猛毒をもった蝮のほうが、風雲を叱咤するばあい、うまくいくであろう。
第三条の「人間は本来、偽善的である」という性質を庄九郎は見抜いていて……
 
人間は、つねに名分がほしい。
「正義」がほしいのである。
慾ぼけで移り気で臆病な人間ほど、いざ新奇な行動に駆りたてられるようにするとき、
―― 頼むからおれの行動は正しい、といってくれ。
という護符を、指導者に請求するのだ。
庄九郎はこの合戦を、
「謀反人討伐の義戦である」
とこの護符をばらまいた。
人間の偽善性に訴えた。
美濃の村落貴族どもは、よろこんだ。
この護符のおかげで、稲葉城下に馳せ参ずることが、「蝮の武威におびえた」ことでもなくなり、また「親の富力に懐柔された」ことでもなくなった。
かれらは、ぞくぞく美濃十数郡から庄九郎の稲葉城下にあつまってきた。
 

宮嶋茂樹 「抗争」後に橋下市長にすり寄るヤツ

産経経新聞2011.12.8 
橋下徹大阪府知事…もとい大阪市長か。
たいしたもんやないか。
さらに現役弁護士やろ。
あれほどお高くとまった日本の新聞社サマが手を出さんかった身辺を週刊誌が洗うて、バンバンたたいても、ボロ出すどころか、それを逆手に取りよったのである。
地元の民主、自民から共産までケツもってくれた前市長に大差をつけて勝ちよったのである。
共産党が自民の尻馬に乗ったことなんか初めてちゃうか…。
 
それにしても情けないのは日本の既成政党や。
国会のセンセイ方なんか、ついさっきまで選挙で戦っていた相手に、手のヒラ返して、すり寄っとるやないか。
見苦しいのお…権力の亡者は。
 
国会のセンセイ方の気持ちもまあ分かる。衆参合わせて700人ちょい。
その選良の多くは親子、親類、兄弟や。現実は2世以外は立候補すら難しい。
当選しても、ちょっと油断しとったら、すぐ「刺客」を送られるんや。
そりゃあ、党の綱領もオノレの政治理念もかなぐり捨ててでも、次は橋下センセイにすり寄りよるわ。
 
映画「ゴッドファーザー」の中でマフィアの父親が息子にこう、さとしとった。
「抗争の後に最初に手打ちの仲介を申し出てくる奴が裏切り者だ」と。
もちろん現実の世界は、党に対する裏切りやない。
国民に対する裏切りである。
 
せやけど橋下市長、調子コイとったら、応援に来とった元お笑い芸人の元宮崎県知事みたいになるで…。
(カメラマン)
 
市民から見て、橋下が東国原に見えてきたら、
それは橋下に「義」がなくなったとき。
私利私欲が見えたときだ。

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