『キャスト』12月14日 (続)
伊藤:コスト・カットの話をしたいんですが、財政のためにはやはり…橋下:いや、そういう理由ではないんです。今回は、大阪府庁も市役所も、完全にこれまでの統治機構を見直していこう、ということなんです。たとえば、地域振興会。町内会の集まりなんですが、これは完全に現職市長の選挙マシンになってるだけなんですから。おカネを市役所がバラ撒いて、町内会がその見返りに応援するというね…僕は町内会の仕事はちゃんと支えていきますから。地域振興会なんていうのはね、政治に対して中立でなければならないんですから、ですから、仕組みを変えます。キチンと監査を入れます。伊藤:地域振興会には交付金、4億数千万が予算としてありまして、そこに属してる町内会に配分されてという…橋下:その4億ちょっとっていうのは見えてる部分だけでね、おカネの流れをこれから見ていきますけど、70億以上はいってるんじゃないですか。(全員あ然)橋下:それはある仕事に対しての対価というのもありますけど、ここを通じてね…皆さんも報道を忘れちゃいけないんですけども、ここを通じて、色んな団体に市役所のOBが天下ってたり…カラオケ代とかね…藤井:僕も他県で、町内会のおカネのこと取材したことがあるんですけども、裁判でね、これ領収書、必要ないんですよね。これ、一つひとつの町内会に払われてるおカネは4万5万と少ないですが、明細はいらないというね…これ、非常に問題のあるおカネだなと…橋下:ただ、勘違いしてほしくないのは、しっかり町内会活動をしてる人には、しっかりサポートしますから。このおカネがね、一部のメンバーのところに消えていってる実態もあるんですよ。僕はこの仕組みを変えて、会計監査も入れて、若い人のところにもおカネが行くようにして、世代交代できるようにして、その仕組みをつくるまでの間の凍結なんです。それと、地域振興会の皆さんが政治活動をするのは自由ですが、それと行政活動は離してね、やればいいんで…あそこは行政活動と政治活動が一体となってしまってる。地域振興会が現職市長を支え、そこに交付金を配分する…まさに霞が関のミニ・バージョンがこの大阪の市役所体制なんで、ここを変えていかないとダメです。やっぱり、ルール化は必要です。木原:文化予算はどうでしょう。知事の時代には「大阪フィルハーモニー交響楽団」(6300億円)と、「大阪センチュリー交響楽団」(4億円)の予算をゼロにしました。「文楽協会」は3600万円から、2000万円に減額しました。市長になって、どうでしょう。また、大フィルまで、カットされるんでしょうか?橋下:僕はね、文化行政に対しても挑戦したいですね。日本の文化行政は間違ってると思ってますから。「大阪は文化を大切にしてる」、「文化行政をやってきた」と言っても、じゃあ、大阪はそれで文化都市になってますか?戦後、莫大なおカネが投じられて、それで大阪に文化というのが根付いてるのか。クラシック音楽というのが大阪の子どもたちに浸透して、大人になったとき、「クラシック聴きに行きたい」ってふうになってるかどうか…文化行政っていうのは、これまでやってきたことに漫然とカネを出す。おカネを受け取る方も、既得権化している。ここにはおカネを出したことに対する検証って作業が全くない。今、世界の自治体を見ても、みんな「アート・カウンセル」といって、キチンと文化行政を評価する仕組みがあるんです。クラシックにおカネを出すなら、それでイイですよ。だけど何故出すのか、何でそれが1億なのか、何でそれが大フィルなのか、何で他じゃなダメなのか、何故、他にチャンスを与えないのか。こういうのを一から検証しないと。どうやったら大阪は文化都市になるのか、その戦略がまるでないですよ。「近代美術館」見てください。財政議論になって、おカネがないから122億の建設費に縮小したんですね。ホントにそれで、世界が注目するような美術館になるのか。部局で議論したら、オルセー美術館とか、オペラ座とかを引き合いに出してね、文化っていうのはこうして都市の格を上げるんですよ、って言うんですよ。じゃあ、今つくろうとしてるのがね、そういうクラスのものなのか、そんなもん建てたって誰も見に来ませんよ、遠いとこから。つくるんだったらもっとカネ入れろと。僕は文化行政におカネを出さないって言ってるんじゃなくてね、戦略をもっと練れと言ってるんです。何で、文楽劇場をあんな風俗街に建てたのか。ホントに普及するつもりがあるのか。何も考えずにやってるとしか思えない。
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大阪都抗争(市闘編)/登庁前Ⅷ
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