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ハシズム・スプラッシュ/桜宮高入試中止、是か非か 3

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暴力の認識にずれ / 山口香(JOC理事)

 
読売新聞 2月10日
 
―― 15人は今、どうしているか。
 
悩んでいるし、怯えている。
園田くんが(社会に)晒されて監督を辞めたことにl心を痛めている。
社会って、振り子じゃないが、最初は「勇気ある行動」と美化してたけど、今度は「あいつら何様だ」って言われる。
私が言ったことが引き金となって彼女たちが決起したのであれば、責任は私にある。
あの子達が否定されるようなことがあれば、2次被害、3次被害にもなりかねない。
日本のスポーツ界で不思議なのは、こんなに騒いでいるのに、アスリートの声が、ほとんど聞こえてこないことだ。
 
―― JOCなど、今後の調査はどうあるべきか。
 
JOCの加盟団体調査は、調査というよりも注意喚起だと思う。
過去はほじくり出さないけれど、ここからは一切ダメという宣言をするなり、全団体に署名させるなり、何らかの方法で撲滅宣言をするという姿勢を示すのが大事。
「前にあった」と過去を調べるだけでは無意味だと思う。
 
―― 選手から相談を受けてサポートしたのか。
 
雑談で数人の選手がポロっと喋ったって感じ。
インターネットに(桜宮の)体罰の話が出ていて、彼女たちが「ナショナルチームでもあるよね」って。
ひどいと思ったのは、一人の選手が暴力を受けたと聞いたとき。
看過できないと、昨年9月にもう少し(人数を)広げて聞き取りをした。
 
―― 当初、全日本柔道連盟は真剣に取り上げなかった。
 
園田くんに話を聞いて厳重注意をするというので、選手と「ちょっと様子をみるか」となった。
ところが、10月下旬の世界団体選手権(ブラジル)で優勝して帰ってきた選手から、「ひどいです」と電話があった。
(最初に全柔連に通報した選手が)遠征先で突然、園田監督に呼ばれて、「文句あるらしいな」と言われたという。
その選手は、今回は殴られなくてもできるというところを見せたくて頑張ったのに、「俺は叩いたりしたけど、ちゃんと成果が出ただろ」って。
周囲の選手も、発言が暴力を肯定するように感じた。
報告会では全柔連の上村春樹会長にも、「やり方、間違ってないでしょう」見たいなことを言ったという。
 
―― 11月に園田監督の続投が発表された。
 
もっと強烈に言わないと伝わらないんだな、早くしなきゃ、と。
(全柔連の幹部は)「絶対あってはならないこと」と同調してくれても、「でもな、園田の指導力は素晴らしい。情熱がある」となる。
彼の情熱は認めるが、反省しているとは思えない。
そのまま続投を発表して、後でえ表面化したら柔道も連盟も、園田くんも、大きなダメージを受けますよ、と訴えた。
発表を急がず、その前に園田くんが全員の前で謝るとか、色々提案したけど、いくら言ってもダメだった。
 
―― 相談を受けた選手には、どう話した。
 
柔道をやってる意味って、自分を主張する、思っていることを伝え、自分で足で立つこと。
それが必要じゃないかと伝えた。
JOCに告発するとかの言及はしていない。
 
―― JOCも動きが鈍かった。
 
全柔連もJOCも隠蔽しようとしたわワケではない。
暴力に対する認識の差だと思う。
「なんでお前たちはそういうことで怒ってるんだ」「皆、我慢してやってきた」。
そう思っているんです。
認識がずれていると話が噛み合わない。
一番の問題はそこにある。
会話が噛み合わないから時間もかかったし、選手が声明を出したのも、噛み合っていないことをわかってほしかったから。
学業との両立とか、何かを相談したとき、否定されてしまう。
声明は監督のあり方について訴えたかったんじゃないか。
 
―― 女性の理事や監督の登用を検討するなど、全柔連にも変化がある。
 
組織が変わり始めたのは間違いないが、今回の問題を女性の問題にすり替えないでほしい。
何度ボールを投げても受け止めてもらえなかったのかが残念。
今できるなら、何であの時にできなかったのかと、私はそこが一番悲しい。
 
 
『モーニングバード』 朝日放送2月10日
山口香:
最初、話を聞いたとき、正直ガッカリしましたね、選手たちの方に。
なんでそういうことさせられてたの、と。
(格闘技やってきたあなたたちが)何でおとなしく、と…
それが私には考えられないと。
選手たちは麻痺してたというようなことを言ってましたね。
そういう世界の中にずーっとい続けたので、どれが正しくて、どれがおかしいのか、その境が見えなくなってたと。
嘉納治五郎先生の教えに私たちは戻って、指導者自身がちゃんとした講義ができるように、問答に応じられるように、キチンと勉強をして、その上で強い選手を、人間的にも素晴らし選手を、育てていくことが柔道の目指すところだと思います。 
何か質問があったら言ってこいと。受けて立つと。
指導者たち自身が、もっと勉強しろということです。
私たちが受け継いできたことが、少しずつずれてきてたんじゃないかなと、今は考えてます。
 
山口香がこんなに賢い話し方する人って知らなかった。
いわゆる柔道バカじゃない。
小沢にマインドコントロールされてるヤワラちゃんとか、相撲道は極めてても、兄弟の確執を乗り越えれない貴乃花とか、実社会においてバランス感覚に何か欠けてる選手たち…まあ、それが長嶋とか、猪木とか、アスリートの魅力ではあるんだろうけど(笑)。
 
山口や桑田みたいな、世間知に賢いのが、組織のトップにいないと…
桑田には将来、プロアマの垣根を越えたNAB(日本・オール・ベースボール)のコミッショナーになってほしい。
 
 

『体育科入試中止に、異議ありor異議なし?』

『そこまで言って委員会』 2月10日
 
野々村直通(元開成高校野球部監督):異議あり
スポーツを求めて、これから行きたいと思ってる子、スポーツで3年間燃え尽きたいと思ってる子らに、罪があるのか。
子どもたちの利益、幸せに叶うか、どうか、それが教育の最大目的でね。
私は27年間、どちらかと言えば武闘派教師と言われ長く教師をやってきたものとして言うならば、どうにもならない子どもたちがいる。
この子らを、理屈だけで良くしていけるのか。
底辺で戦ってる先生たちが、「お前たちは間違ってる」と生徒に言えるだけのものがないと。
やっぱり萎縮してしまう。
 
宮崎哲弥:異議なし
ひとつ、区別して考えないといけないのは、スポーツで成績が悪いから殴る、というのと、悪いことをした時に、生活指導上、戒めとして体罰含めて、何らかの罰を科すというのは、分けて考えないと…
 
加藤清隆:異議なし
体罰で、スポーツ選手が良くなることなんて100%あり得ない。
体罰を一回断ち切るために、全部一回入れ替えましょう、という橋下市長の意見に私は賛成なんです。
 
金美齢:異議あり
でも、橋下さんは伝統を全部断ち切ると言ったんですよ。
そうでなきゃ新しく始めちゃいけないって言ってるけどね、ひとつの学校が営々と築き上げてきた伝統っていうのはね、それはコインの両面でね、プラスもあれば、マイナスもある。
すべての伝統を断ち切るなんてことはね…
 
加藤:
伝統を断ち切るなんてことは言ってませんよ。
 
金:
言いました。
 
加藤:
少なくとも体罰問題を断ち切るために、全部入れ替えようとしてるんだけど…
 
金:
伝統を全部、一旦断ち切るって、言ったんですよ。
 
加藤:
伝統っていうのはその伝統じゃないですよ。
 
金:
いや、だから、体育科含めてです。
違いますか?
 
加藤:
そういう意味じゃないですよ。
 
金:
いや、そういう意味です。
 
※サルメラ:
だからそう言う意味じゃないって。
なんで金が勝手に橋下がそう言ってるって決めつけてんだ?
このオバはん、傲慢に正義を振りかざし、それでいて、世間の風で態度決めてる、まさに偽善者。
橋下が言ってることが理解できないなら、「伝統」という言葉をこう言い変えよう。
「因習」だ。
「古い因習を断ち切ろう」と言ってるんだ。
それを、何、勝手に橋下が言ってることを曲解した自分の考えを人に押し付けてんだ?
しかも言葉尻の、あげ足を捉えて、ワザと本質と違う方向にミスリードする。
言ってることは他のアンチ・ハシズム評論家と同じで、批判したいから批判してるに過ぎない。
 
 
金:
私はここの一番の問題点は、橋下さんは何かあった時にね、オール・オア・ナッシングの考え方をする、そして橋下さんが言いだしたことに誰も抵抗できなくなってるという、この構造に、私は異議あり、と申し上げてるんです。
  
加藤:
市の教育委員の立場…全柔連も同じなんだけど、みんな、自分たちの組織を守ること、自分を守ることのみでね、生徒のこと、選手のことで全然彼らは動いてませんよ。
これを一回断ち切ろうと言ってるんじゃないですか。
 
勝谷誠彦:
いや、教育を受ける権利の剥奪ですよ、こんなのは。
 
宮崎:
体育科と部活っていうのは完全に一体化してるんですよ。
部活の成績、試合に勝ったか、負けたか、そういう成績が、体育科の成績そのものなんですよ。
 
※サルメラ:
つまり、全国大会で勝って、学校の名前を有名にしたいが為、学校側における受験戦争…つまり、体育科を希望する受験生からの人気度を上げるために、今いる生徒を馬車馬の如くムチで叩き、その馬が死んでも歩みをやめない。
死んだ馬が駄馬だからしょうがない、という考え方。
 
宮崎:
これ構造として異常だと思いますよ。
 
勝谷:
たしかにそう。
そして、それに推薦枠問題が絡んでくる。
次の大学にいかなきゃ、っていうんで…
 
宮崎:
ええ。
 
勝谷:
それで推薦がなくなって、亡くなった生徒が悲観したという話もある。
 
宮崎:
レギュラーになったり、推薦を受けたりというね、そういう生徒の生殺与奪権を教師が持ってしまう。
そうすると行き過ぎた体罰が行われていても、これを告発するということが、なかなかできにくい。
恐怖の支配を肯定するというふうな構造があった。
 
野々村:
勝つことを最高目標にしようとするから、つい手を出すんだとか言うけども、話をそこに飛び火させたらね…
生徒は勝つことを目標にするから、厳しい練習についてこれるんですよ。
最近、スポーツ評論家なんかがね、「スポーツは元々楽しいもんなんだ」と。
いい加減でいいみたいな、楽しけりゃいいみたいなね、それ、スポーツを評論してメシ食ってる人が言ってるから、これ著名な方ですよ。
これは、許せませんね。
 
加藤:
日本の場合、おそらく少年野球も高校野球と同じような方式…今は知りませんけども、監督は絶対、体罰もあるかもしれない。
だけど、アメリカに行って驚いたのは、そんなことが一切あるどころか…
 
勝谷:
向こうは訴えられるから(笑)。
 
加藤:
まあ、それもあるでしょうが、根絶丁寧に、ホントに丁寧に教えるんですよ。
殴って、どうとかっていうのは、おそらく世界でも極少数派ですよ。
 
津川雅彦:異議あり
でも、やっぱり、体罰は必要です。
だけど、条件がある。
それは、体罰を受ける相手が納得するか、どうか。
この、お互いの条件が成り立つのであれば…あの死んだ生徒さんは、20発も30発も殴られたっていうじゃないでか。
1発や2発じゃなく、そんなに殴るっていうのは、それは、その先生の自分のカタルシスですよ。
 
辛坊治郎:
そもそも体罰って言葉は、罰っていうのは、罪があるから罰があるワケで、
悪いことをしたから罰を与える、これは本人だって納得できますよ。
だけど、スポーツの指導の場で、罪って…負けるのが罪か、弱いことが罪なのか、って。
 
野々村:
罰じゃないんです。
高見盛が、自分の顔とか、体を叩くじゃないですか、土俵に入る前に。
肉体に痛みを感じさせ、ショックを与えることで、気持ちを引っ張り出すって世界は、絶対あるんですよ。
そこをいかに子どもたちにうまく伝えられるか…
 
加藤:
それ、仰ってるのは、自分で気合を入れるってことでしょ。
 
野々村:
でもね、自分で気合を入れられない状態、浮ついてたり、気持ちがフワフワしてときとか…
 
宮崎:
金さんが言ったように、全てを否定するのは良くない。
じゃあ、一体、どういう伝統を断ち切るべきなのか、これ、柔道の問題のときに、監督の人が、自分はそういう教育を受けてきたと。
それと同じことをしただけなんだと。
これは断ち切らないといけないんですよね。
 

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