虎ミスミス3連敗、俊介“台無し”バント失敗
阪神はソフトバンク戦(甲子園)で10安打を放ちながら2-4で敗れ、交流戦開幕から、今季初の3連敗を喫した。五回無死一、二塁で俊介外野手(25)が犠打失敗、六回は1点を返した場面で鳥谷敬内野手(31)が走塁ミスと、拙攻のオンパレード。18日、甲子園で4連敗だけは勘弁して!!開幕から7戦全勝だった金曜日が、悪夢の1日となった。歯車が噛み合わない。好機のたびにミスが頻発すれば、結果は暗くなるのは当然か。テコ入れした打線が10安打を放ったが、奪ったのはたったの2点…。交流戦いまだ勝ちなし、今季初の3連敗に、和田監督の表情も険しかった。「勝負をかける前にコケてもうたな」自虐的に振り返ったのは2点を追う五回だ。新井良、藤井の連打で無死一、二塁。だが、続く俊介のバントは、投手の真っ正面。二走・新井良が三塁で封殺された。こういう場面で決めるのが仕事の25歳は、「絶対に決めないといけない場面だった。あそこで流れが止まった」と肩を落とした。続くメッセンジャーのバスターも、三塁・松田の好守に阻まれて三ゴロ併殺と、流れは最悪。痛恨の「0」がスコアボードに刻まれた。さらに六回二死一、二塁。5番に昇格した新井が右前適時打で1点を返したが、三塁を狙った一走の鳥谷が右翼・吉村の好送球でタッチアウト。反撃ムードは一瞬でしぼんだ。三塁コーチボックスの吉竹守備走塁コーチは「(新井の)打球が速くて(返球が)ホームにいくと思った。難しい判断だった」と説明したが…。和田虎が標榜する細かな野球、バントや足で好機をつぶしては、流れをつかみようもない。2点差で迎えた八回一死満塁では、マートン、新井が連続三振に倒れ、ジ・エンド。本拠地・甲子園に、もどかしさとイライラが募った。2連戦の交流戦。先手必勝を誓ってきた和田監督は、「踏ん張りどころであることは確か。ズルズルといったらアカンから、しっかりあした止めたい」と語気を強めた。昨年は交流戦開幕から5連敗。指揮官のいう「ズルズルといった」まま、シーズン5位の大低迷に直結した。甦る屈辱の記憶…。絶対に同じ轍は踏めないはずだ。首位・巨人とは3・5差に開いた。貯金は「6」あるとはいえ、もう余裕はない。6連勝から一転、和田虎が正念場を迎えた。
この試合、打順を変えた。
新井を5番にした。
たかがオリックスに連敗したくらいで、オタオタ慌て、これまでのいい流れを自ら変えた。
肝心なときに指をくわえ、動かないベンチもダメだが、定見なく軽く動き過ぎるベンチもどうかと思う。
一旦変えた打順がダメだからといって元に戻したところで、元通りになんかならないのが目に見えない流れというもの。
端的に言えば、兄が番・弟6番がダメだったからといって、兄5番・弟6番にもう一回戻せるか。
兄の気持ち、プライドを考えればできにくいだろう。
良太のケガで緊急に4番マートンをはめ、偶発的に出来た打順を、簡単にいじって元に戻せなくしてしまった。
打線をいじるのには、よっぽどの勇気と判断力がいる。
それほどの覚悟をもってかえたのか、どうか…
今日の場合、
まず4回、新井の併殺でチェンジ。
その次の回、良太、藤井の連続出塁でノーアウト1,2塁となった。
この後、8番俊介のバント失敗は論外だが、
9番メッセンジャー強行バスターが裏目に出、いい当たりが併殺打になった。
これも流れ。
いい流れなら、不思議とあの当たりは抜けてるもの。
新井と良太を逆にして、4回にも5回にも、点にならなかった。
「打順をがえなければ、点は入っていたのか?」という〝タラ・レバ〟話をしたいんじゃない。
打順変更が、いかに流れを変えるものかを考察したい。
次の新井の打席は6回表。
好投の帆足にホークスは代打を送ったにもかかわらず、追加点を奪えなかったホークス。
監督の積極采配がいい流れを悪くした。
これがなかったら、タイガースはホークスの継投の前にすんなり完封されてたかもしれない。
その裏、1点奪って、なおも1アウト1、2塁で4番マートン三振のあとの新井。
この試合2度目のチャンスはモノにし、1点差に迫るタイムリー(2-3)。
今日の試合、新井は4打数2安打1打点。
新井はイイ。
好調を依然キープしてる。
新井はイイが、打線全体の目に見えない流れがどうか、を危惧してる。
新井に5番を打てる力がない、ということを言いたいんじゃない。
今日、最後の打席は8回、
1アウト満塁でマートン、新井連続三振。
1,2番がつくったチャンスをものに出来なかった。
簡単に打順を変えて、
偶発的に出来た優良な〝打線〟を、自らの手で消滅させてしまった。
やがて、新井の調子自体も落ちていくだろう。
岡田監督が新井を3番にしたことを金本は誉めてた。
そして、真弓が新井を5番にしたことを暗に貶してた。
金本は4番だった。
後ろに金本がいるのと、金本の前で打つのでは新井のプレッシャーは全然違う。
金本が後ろにいればつなぐ気持ちで打席に立てるし、
逆に、金本の後ろだと、金本が歩かせられたりした場合、自分が決めなきゃいけなくなるからだ。
真弓はこれプラス、新井にサードを守らせる2重のプレッシャーを与えた。
ヘボ監督を知るほんの一端の話だが…まあ、それはもういい。
これ式でいえば、
良太はこれまで、後ろに兄がいてくれて気楽に打線に立てれた。
これからは、兄が残した走者を自分がかえさないといけなくなった。
良太の調子まで落ちるかもしれない。
まあ、今シーズン、この種のネガティブ的発想は、幸いなことにずっと外れてくれてた。
これもまた、外れてくれるに越したことはない…というか、外れてほしいから書いたようなもの(笑)。