<橋下氏>「大誤報をやられた」 メディアの報道批判
毎日新聞 5月17日(金)日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長(43)は17日、旧日本軍の従軍慰安婦をめぐる自身の発言に関し、「大誤報をやられた」とメディア批判を展開。「もういい、囲みは今日で最後。やめましょう」と声を荒げ、ブチ切れ。今後は正式な記者会見以外の取材を拒否すると表明した。橋下氏は「当時従軍慰安婦は必要だった」と発言した言葉の解釈をめぐり、「『慰安婦は必要だ』と言ったと大誤報をやられた」と複数の大手新聞社を名指しして批判。「日本人の読解力不足が原因だ。(発言の)揚げ足を取るんじゃなくて、全体の文脈をとって、きちんと報道するのがあなた方の役目でしょ」とイライラしながらたたみ掛け、「もういい、囲みは今日で最後。やめましょう」と話すと、記者団からの制止を振り切り、市役所を後にした。橋下氏は、登退庁時などに、記者団からの質問に答える囲み会見をほぼ毎日、任意で行っている。今回の囲み打ち切り通告により、今後は原則週1回の定例記者会見以外は取材に応じないことになる。また慰安婦発言が売買春と受け止められたことには「僕の国際感覚のなさだ」と釈明した。
橋下氏ブチ切れ!囲み取材拒否宣言
デイリースポーツ 5月17日(金)日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長は17日、従軍慰安婦制度が「当時は必要だった」とする自らの発言を巡り、「大誤報をやられた」とメディアの報道を批判した。「僕は慰安婦を容認したことは一度もない。メディアは一文だけ聞いて、そこだけ取る。(誤解されたのであれば)日本人の読解力不足だ」とも語り、正式な記者会見以外の取材を今後拒否する意向を示した。【橋下氏の慰安婦発言】市民団体が「人間の鎖」で抗議
橋下氏は市役所で記者団に、発言について「必要だったから(世界各国の軍が)皆やってたんでしょ。(自分が)必要と認めたわけではない」と説明。「文脈をきちっと取って報道するのが皆さんの役目だ。『一言一句チェックしろ』というなら(取材対応を)やめます」と話した。一連の報道について橋下氏は、最初の発言の翌日の14日、「(記事は)比較的正確に引用してくれていた」「フェアに出している」などとツイッターに書き込み、毎日新聞が掲載した一問一答について「ある意味全て」と評価。その後も「いろんな報道の仕方は、報道の自由だから仕方ない」と語っていた。また、日米関係への影響については「何もない。本当に信頼関係があるなら、全然違うことに関しては『違う』と言わないといけない」と否定。「沖縄の占領中、(米兵が)沖縄の女性を性のはけ口として活用したのは事実だ。沖縄県民の人権が蹂躙されているような現況について直視すべきだ」と、米政府の批判に改めて反論した。一方、維新幹事長の松井一郎大阪府知事は17日、「そういう形でコメントを(米政府が)出していること自体マイナスだろう」と記者団に影響を認めた。橋下氏発言 女性の尊厳踏みにじる不見識
(5月16日付・読売社説)
公人としての見識と品位が問われる発言だ。日本維新の会の橋下共同代表が、いわゆる従軍慰安婦について、兵士によるレイプを抑え、「軍の規律を維持するには当時は必要だった」と記者団に語った。さらに、橋下氏が在日米軍幹部に、風俗業の「活用」を働きかけていたことも明らかになった。橋下氏は15日、慰安婦について「いま必要とは一切言っていない」と釈明した。戦時中、旧日本軍以外にも類似した存在があったという指摘は、その通りだろう。とは言え、軍に慰安婦が必要だったと声高に主張することが、女性の尊厳を軽んじるものと受け止められても仕方あるまい。橋下氏の発言に対し、稲田行政改革相が「慰安婦制度は女性の人権に対する侵害だと思っている」と述べたように、強い反発の声が上がったのも当然である。今回の発言は、歴史認識をめぐる安倍内閣の姿勢に関連して、記者団の質問に答えたものだ。慰安婦問題に関する1993年の河野官房長官談話には、資料的な根拠もないまま、日本の官憲が組織的、強制的に女性を慰安婦にしたかのような記述がある。そうした誤解を招くような記述は、事実を踏まえた見直しが必要だ。橋下氏は河野談話の見直しが持論である。だが、戦時中の慰安婦の存在を「必要だった」と認めることは、逆に国際的にも誤解を広げることになるのではないか。橋下氏は、日本政府が1965年の日韓基本条約で慰安婦問題は法的に解決済みだとしていることを批判し、元慰安婦に「配慮すべきだ」とも語っている。だが、何ら具体策もないのに、こうした主張をするのは無責任である。一方、「風俗業活用」発言は橋下氏が最近沖縄を訪問した際、在日米軍幹部に進言したという。兵士の性をどう制御するかは、いつの時代も軍の課題だとして、日本で合法的に行われている風俗業を活用してはどうかと語った。幹部は、軍では禁じられていると答え、この話を打ち切った。米軍の規律に対する無理解であり、侮辱とも受け止められたのではないか。米国社会では、女性の尊厳が重んじられている。日本の歴史問題の中でも、とりわけ慰安婦問題に対する視線が厳しい。沖縄などからも、女性を道具として扱う暴言と批判の声が上がったのももっともだ。なぜ、橋下氏がこうした提案をし、それを表明する必要があったのか。首を傾かしげざるを得ない。
橋下発言検証「大筋正しいものの舌足らず」
産経新聞 2013.5.16 00:52慰安婦問題をめぐる日本維新の会の橋下徹共同代表(大阪市長)の発言は何が問題なのか、その内容を吟味すると、「事実関係は大筋正しいものの、舌足らずの部分がある」(現代史家の秦郁彦氏)ようだ。橋下氏の言動を検証した。(阿比留瑠比)【強制連行】
「国を挙げて韓国女性を拉致して強制的に売春させた事実の証拠がない」この問題では、慰安婦問題で「おわびと反省」を表明した平成5年8月の河野洋平官房長官談話が「日本政府が強制連行を認めた」との誤解と曲解を世界に広めた。しかし、談話作成にかかわった石原信雄元官房副長官は産経新聞の取材に「(河野談話は)いかなる意味でも、政府の意を体して政府の指揮命令下に強制したとは認めていない」と明言している。また、9年3月には、当時の平林博内閣外政審議室長が参院予算委員会で「強制連行を直接示す政府資料は発見されていない」と答弁。第一次安倍内閣は19年3月に「軍や官憲による強制連行を直接示す記述も見当たらなかった」とする答弁書を閣議決定している。橋下氏は政府の公式見解を述べたに等しい。【各国の慰安所】
「日本軍だけでじゃなくて、いろんな軍で慰安婦制度を活用していた」磯村英一・元東洋大学長は東京都渉外部長だった終戦直後、連合国軍総司令部(GHQ)から「占領軍の兵隊のために女性を集めろ」と命令された。産経新聞(6年9月17日付)への寄稿によると、名目は「レクリエーション・センターの設置」だった。米軍はベトナム戦争時にも慰安所を利用していたほか、韓国は朝鮮戦争時に「軍が慰安所を管理していたことが、韓国陸軍戦史に出ている」(秦氏)。橋下氏の「なぜ日本の慰安婦制度だけが取り上げられるのか」との問題意識はもっともだ。【侵略の定義】
「学術上、定義がないのは安倍晋三首相が言われている通り」首相の「侵略の定義は学界的にも国際的にも定まっていない」との発言に反発が出ているが、国際法上、侵略の明確な定義はない。1974年の国連総会決議では侵略の定義が定められたが、これは安全保障理事会の「参考」という位置づけで法的拘束力もない。第一次安倍内閣は平成18年10月、「『侵略戦争』について国際法上確立されたものとして定義されていない」とする答弁書を閣議決定している。【風俗業の利用】
「(米軍)司令官に会い、『もっと風俗業を活用してほしい』と言った」橋下氏は「建前論だと人間社会は回らない」とも主張する。だが、「性」の問題はまさに建前と本音がせめぎ合うテーマであり、ストレートに意見を述べればいいというものではない。慰安婦についての「当時は必要だった」との発言も、真意はともかく、秦氏は「政治家なら内外情勢を勘案し、何か主張する際には裏付けとなる証拠を示すなどもっときめ細かな配慮をすべきだった」と指摘する。
橋下が失敗したとすれば、この種の発言をするときは、もっと〝忸怩たる思い〟を表現しないといけないのに、「ドヤ顔」で話してた。
そら何度もその顔をVTRで見せられたら、関係者の気持ちは逆撫でされる。
「理屈はそうだが、なんだその言い方は」となる。
橋下が自身の発言につき、釈明しても撤回したかったのは正しい。
間違ってない。
堂々と論戦してほしい。