辛坊治郎(す・またん):
大阪都協定書決定。
急転直下っていう感じです。こないだまでは公明党が反対って言ってたんで、これ議会通らないんで、そしたらもう、ほとんど潰れたも同然と思ってたら、突然、公明党が衆院選ですね、例の橋下徹、松井一郎が立候補する、しないで……多分、誰も認めてませんけども、公明党の中央本部と維新に密約があったんだと思います。
橋下市長は急に兵を退きました。
これもう、2月に大阪都の協定書を議会通すこと決まってますんで、間違いなく5月17日に住民投票ということになるでしょう。
すごい勢いですけども、これ、もしこれで大阪市が大阪都になれば、今の市会議員、全員クビですからね。
普通通らないですよこんな条例、
だって議員が自分で自分の首絞めるようなもんですもん。
議員さんには結構ドラスティックな改革ですけども(笑)。
公明党の市議団もかなり、冗談っじゃないって感じなんでしょうけども(笑)。
公明も共産も中央に言われると、「一糸乱れず」という特色がありますから、大阪の公明も中央には逆らえなかった。
維新とs中央の公明党の間に何らかのバーターがあったんだろうな、というのは想像つきますけども。
で、大阪都になるとどうなるかっていうと…
まず、産経新聞です。
「橋下氏が言う現在の大阪府・大阪市体制の弊害として、それぞれが同様の施設整備に莫大なカネを注ぎ込むなどしてきた二重行政を指摘。
さらに市民260万人に対して市長一人では地域のニーズにきめ細かく対応できないと訴えており、これらを解消する切り札」と…
確かにこないだの広島の土砂災害なんかでもですね、被害の起きたところと、市長のいるところでは全然かけ離れた場所でしてね、市長のいるところでは広島北部であんなひどい災害が起きてるなんてわからない。
基礎自治体が小さければ、もうちょっと何かあった時でも、きめ細かく対応できるんじゃないか、っていうことですね。
これに対して反対する派は、例えば読売新聞。
維新以外はみな反対、の小見出しで
「区によっての財政のバラツキ」
「区庁舎建設など新たなコスト」
「維新が当初、年4000億円としていた財源効果はごくわずか」
「都、一部事務組合、区」の三重行政となり、かえって非効率」
「維新単独で策定した区割り案には住民の意見が反映されていない」
などと批判しています。
次、毎日新聞、「市民も賛否割れ」という記事で、
鶴見区の主婦(64)
「行政のムダを解消し、将来への投資や大阪の活性化につなげてほしい。
住民が選択できるようになったことはよかった」
西成区の男性(65)
「二重行政解消による節約は、さほどの額ではなく、メリットが見えない。
大きな制度改革が必要なら住民から機運が高まっていくはずだ」
西淀川区の理髪店店主(73)
「都構想にかかる多額の費用こそ税金の無駄使いだ」
ただ、もうこれ、5月17日に大阪市民は判断を求められますから。
その一票で、大阪市が、その名前がなくなるかどうか、大変な判断を迫られることになるわけですが…
あっ、それで言うと次のニュース、関連するかな。
『ハリーポッターの魔法 USJ入場者、最速1000万人』。
これがどうして今の話と関連するのかというと、
産経新聞のトップで、大きな記事出てますが、
ハリポタ効果でものすごく人が増えてますが、開業した初年度(平成13年)こそ、お客さんたくさん入ったんですが、その後、低迷して長かった。
なんでかって言うと、最初つくったとき、これ、大阪市が出資する『第三セクター』だったんです。
その時、潰れそうになった、っていうか、実質、運営が行き詰って経営難に陥ったんです。
で、平成17~18年に第三者割当増資などを通じて米投資銀行大手ゴールドマン・サックスが筆頭株主となって、債権が進められた。
かつて大阪市は、大規模開発、天王寺の南側の「フェスティバルゲート」とか、いろんなとこで、いろんな事やって、何百億円の損を出した。
次々、破綻させていったんですね。
そんなこともあって、その当時の反省とか、どうケジメつけんのか、っていうのも、今回の大阪都構想、あるのかな、っていう気がします。
で、昨日ですね、安倍首相も関テレの夕方の番組に出て、都構想について発言。
「二重行政をなくして、住民自治を拡大していく意義がある。
住民投票で賛成多数なら、必要な手続きを粛々と行いたい」
都構想となると、法律を変えないといけない。
中央の議会の賛成…というか、手続きに入らないといけないんですが、
それを安倍さんはやると明言してるということなんで、
ホントに住民投票だけで全部が決まりそうな勢いです。
そうなると、なにか背後にあったんじゃないのかっていう話なんですが、
やっぱり産経新聞の一番最後のところなんですが、
「維新顧問の松井一郎・大阪府知事と、菅官房長官が調整して公明党を動かした」
んじゃないかという話が、各紙に少しずつ書かれ出してますね。
◇
宮根誠司(情報ライブ ミヤネ屋):
これ普通に考えると、われわれ思ってたのは、大阪市町の橋下さん、大阪府知事の松井さん、これ選挙にうって出ると、公明党の選挙区にうって出ると、言った時には、われわれ、われわれ本気なんじゃないかと…ところが一転出ない、ってなった時に、あれっ、っと思いましたよね。
春川正明:
まあ、だから、この状況考えると、密約があったとしか、思えない状況ですよね。
密約なかったと、公明党の幹部も言ってますけども、なんで変わったんだって言った時に、説明できないんですよね。
あの、揉めてる時に私、公明党の人と話聞いたら、橋下さんの「宗教の前に人の道があるだろう」という、あの言葉は絶対許さないと、言ってましたけどもね。
でも、今回のこと、知ってたんですか、って聞いたら、
「党の本部がらボンと降りてきて、急に知ったんだ」と。
宮根:
つまり、大阪の市議の方とかは全く知らなくて、公明党本部から、
「住民投票とか、設計図づくりには協力したらいいんじゃない」ってこと、
トップダウンで降りてきたから、何も知らない、わからない、ってことですか…橋下氏、都構想否決なら「政界引退」 BS番組で明言
2015/1/7 夕刊フジ
維新の党の橋下徹最高顧問(大阪市長)は6日夜のBS番組で、5月にも実施される住民投票で大阪都構想への賛成が得られなかった場合、市長の任期満了(今年12月18日)をもって政界を引退する意向を示した。「政治家やめますよ。負けたらやめます」と明言した。都構想をめぐっては、反対姿勢を示していた公明党が昨年12月末、住民投票実施賛成に突如方針転換した。公明党が翻意に至った背景について、橋下氏は「松井一郎大阪府知事の政治力だ。(公明党内の)いろんな所と話をしながら事を動かした」と説明した。先の衆院選では、公明党が候補を立てる選挙区への出馬を検討していた橋下、松井両氏が、公示直前に立候補を断念した。このため、都構想をめぐる維新、公明両党の「密約説」も流れた。この件について、橋下氏は「昨年の話なので忘れました。今、(住民投票に向けて)動いているのだから、事の経緯はいいんじゃないですかね」とけむに巻いた。橋下市長 “大逆転”にニンマリ 天敵・公明が味方に
2014/12/30 デイリースポーツ大阪市の橋下徹市長(45)の看板構想で、10月の大阪府市の両議会で否決され暗礁に乗り上げていた「大阪都構想」を巡って、30日、制度設計(設計図)を作成する法定協議会が約3カ月ぶりに大阪市役所で再開された。敵対していた公明党の“急転賛同”を得て、住民投票で是非を問う流れを復活させた橋下市長は、この日の法定協で、一度議会で否決された協定書案をたたき台に修正協議を行い、来年2月議会に議案提出することを提案。自民など他会派から反対意見が出たが、公明が賛成に回り、了承された。御用納めを終えた市役所で、頓挫寸前だった看板構想が天敵・公明の“ナゾの翻意”によって一転。大逆転の格好で、都構想実現への動きを再度つかんだ橋下市長は、会議後、ほくそ笑みとも映る笑顔を隠せなかった。法定協では、橋下市長が「建設的な意見なら修正に応じる」と1月13日の次回法定協で現行協定書案の修正を行い、2月議会に議案提出することを提起。これに自民などは「期限ありきだ」「一度議会で否決された重みを考えるべき」と時間をかけた議論継続を求めて、反発した。ただ橋下市長は、今月の衆院選で維新の党が大阪では比例代表で得票最多だったことを挙げ「この状況で都構想を葬り去ることは民主主義への冒涜だ」と指摘。公明議員も、現行協定書案の内容には反対としたうえで「民意に真正面から向き合い、住民投票で決着をつけるべきではないか」と主張した。一方で公明党が橋下市長の提案について「持ち帰る」としたが、15分の暫時休憩がとられ、松井一郎大阪府知事が「トイレ休憩の間に考えをまとめてほしい」と求めた。結局、休憩後に採決がとられ、公明も賛同。賛成多数で、来春の住民投票を目指す橋下案が了承された。大阪都構想を巡っては、12年衆院選時に選挙協力のバーターで、都構想推進を了承した公明が今年に入って反対派に回り、議論は暗礁に。橋下市長は「公明にやられたままで終われない」と今月の衆院選前に、一時、公明現職のいる選挙区に自らが出馬することを示唆し“揺さぶり”ともとれる動きをみせた。今回衆院選後、公明が突然、都構想の住民投票を容認する姿勢を打ち出し、事態が急転した。<大阪都構想>
法定協が制度案決定…5月17日に住民投票へ毎日新聞 1月13日
大阪市を解体し、五つの特別区に再編する大阪都構想の制度設計を議論する大阪府・市の法定協議会は13日、設計図に相当する協定書案を大阪維新の会と公明党の賛成多数で決定した。昨年10月に府・市両議会で否決された案と実質的に同じ内容で、2月開会の両議会に再提案される。公明が住民投票の実施に協力する姿勢に転じたため、可決は確実な情勢で、5月17日に住民投票が実施される見通し。協定書案は14日に、総務相に提出し、意見を求めたうえで、知事、市長が議案として議会に再提案する。大阪市民対象の住民投票で有効投票の過半数が都構想に賛成すれば、2017年4月に市が再編され、都構想が実現する。この日決定した協定書案の内容は、大阪市を 北▽東▽中央▽湾岸▽南 の五つの特別区に分割。特別区は身近な住民サービスを行い、府が広域行政を担う。各区の区長は選挙で選び、市議会の現行定数86を割り振った12~23人の区議会を置く。各区の人口は約34万~約69万人になり、病院や施設の統合を進めるほか、府市それぞれによる大規模開発など二重行政の解消を図るとしている。公明は「反維新」で野党と連携してきたが、昨年12月、住民投票容認に転じた。先の衆院選で維新の党が比例で大阪府内第1党を維持したことを受け、党本部などが「維新と対立を続けるのは大阪の公明にとってマイナスだ」と、公明大阪府本部に維新への協力を要請した。公明は「協定書の中身には反対だが、最後は住民自身が決めるべきだ」とのスタンスで、自民などは「衆院選での橋下市長の出馬見送りに絡み、裏取引があったと言われても仕方ない」と指摘する。大阪都構想:公明党の住民投票賛成「反維新」のはずが驚き
毎日新聞 2014年12月27日大阪維新の会(代表・橋下徹大阪市長)が掲げる大阪都構想について、対立する公明党が、都構想の是非を問う住民投票の実施に賛成する方針であることが26日、分かった。一転、歩み寄りを見せた公明党。大阪維新の会と対立しながら、急な方針転換に公明内部からも疑問の声が上がった。「反維新」で連携してきた自民など他党も慌ただしく対応に追われた。大阪市西区の公明党府本部で26日、大阪府・市の議員団が集まった会議は荒れ模様だった。「都構想は反対だが、住民投票まで持っていく。民意をくむべきで、党本部の判断だ」。前日に維新の橋下徹代表(大阪市長)、松井一郎幹事長(大阪府知事)と会談した幹部が説明した。出席者からは「納得できない」「党幹部の国会議員が説明すべきだ」との反発が相次いだ。ある市議は「事前に知らされていなかった」と不満をあらわにした。清水義人・府議団幹事長は記者団に「協定書の中身は無理があり、反対の見解は変わっていない。住民投票という住民の権利を尊重することだけ、今回は決めた」と説明した。自民市議団も同日、対応を協議。公明側に問い合わせると「今のままの協定書は認められない」と回答されたという。柳本顕幹事長は「公明のスタンスが急変したとすれば、許されないことだ。橋下氏の衆院選の出馬騒動に絡み、裏取引があったと言われてもしかたない」と語った。26日夜には、公明府本部幹部と自民・公明の地方議員が集まる会合があり、自民だけでなく公明の議員も、橋下代表に方針転換を伝えた公明幹部を責め立てたという。出席した自民議員は「最終的に支持者にそっぽを向かれるのは公明だ」と突き放した。維新の府議団総会では、今井豊府議団幹事長が「衆院選の民意を受けて公明は判断したのではないか。一つの方向性の光が見え始めた」とほっとした様子。ただ、住民投票で過半数の賛成を得なければいけないため、「説明責任が問われ、大阪の将来像を説明しないといけない。気を引き締めて活動にまい進したい」と付け加えた。橋下代表は同日午後の市長記者会見で、何度も水を口にしながら質問に答えた。公明との協議の経緯について「何で秘密話を言わないといけないのか」と明言を避け、「オープンの場(法定協議会)で議論の経過を見てもらったらいい」と繰り返した。大阪都構想:橋下市長、住民投票否決なら政界引退
毎日新聞 2015年01月07日大阪維新の会代表の橋下徹・大阪市長は7日、大阪都構想の是非を問う住民投票で、都構想への反対が過半数を占めた場合、市長の任期終了と同時に政治家を辞める考えを示した。市役所で報道陣の質問に答え「住民からノーを突き付けられたら、僕自身の感覚が狂っていたということ」と述べた。住民投票は、設計図に相当する協定書議案が府・市両議会で可決されれば、5月17日に実施される見通し。橋下市長は「4年も5年もエネルギーを割いて大量の人員とお金も費やした中で、民意に反していたということであれば政治家としての能力がなかったということだ」と説明した。一方、住民投票で賛成が過半数を占めた場合、大阪都(府)移行後の初代知事を目指すかを問われ「その時にいろいろ考える」と述べ、否定しなかった。大阪都構想、5月17日住民投票へ 府と市の法定協賛成
朝日新聞 2015年1月13日
大阪市をなくして五つの特別区に再編する大阪都構想が、住民投票で決着することになった。大阪府・大阪市の首長と議員でつくる法定協議会が13日、都構想案を決定。賛成した大阪維新の会と公明党で府・市両議会の過半数を占め、3月に議会で可決されることが確実になった。住民投票は5月17日に実施される見通しだ。住民投票できるのは、大阪市内に暮らす20歳以上の日本国民で、先月2日時点で約215万人にのぼる。有権者は都構想案に賛成か反対かの二者択一で投票し、有効投票総数のうち賛成が過半数に達すれば、大阪市の解体が決まる。反対が過半数なら廃案になる。都構想は維新代表の橋下徹大阪市長が掲げた。府と政令指定市の大阪市が開発を競うような二重行政によるムダの解消を目指す。都構想案では市を五つの特別区に分け、広域のインフラ整備などの成長戦略の権限を府(大阪都)に集める。特別区は選挙で選ばれる首長と議会を置き、住民に身近な行政を担う。この日の法定協では、昨年10月に大阪府・市両議会で否決された都構想案に形式的な修正を加えたうえで審議。自民、民主系、共産の各会派からは「区割りに市民の意見がまったく反映されていない」「市民の生活に新たな不安を押しつける」といった反対意見が相次いだ。一方、住民投票実施に協力する方針に転換した公明党は「あまりにもずさんで問題点が多い」と案の内容を批判したものの、「議論の収束をはかる」と表明。採決では19人の委員のうち維新側8人と公明党4人が賛成して決定した。橋下氏は法定協後、記者団に「市と府が長年いがみ合ってきた関係をきちんと整理する」と語った。都構想案は総務相の意見を受けたうえで、府・市の2月議会に提出される。昨年10月に反対した公明党が賛成に回ることで、いずれも3月中旬に可決される。この日の法定協で、維新側は4月の統一地方選後の5月17日に住民投票を実施する日程を提案。議会での可決を受けて、市選挙管理委員会が正式に決定する。通常の選挙と同じように期日前投票も可能で、結果が有効となる最低投票率のラインは設定されない。都構想案で定める大阪都への移行時期は2017年4月。府から「大阪都」に名称を変更するには、改めて法整備が必要になる。大阪都構想経緯
橋下徹大阪府知事(当時)が2010年に大阪都構想を掲げ、大阪維新の会を立ち上げた。維新は11年春の統一地方選、同年秋の大阪府知事・大阪市長のダブル選で勝利し、12年8月に自民、公明、民主など主要政党の賛成で大都市地域特別区設置法が成立。それに基づき法定協議会が13年2月に設置され、議論が始まった。当初は協力的だった公明党が議論の進め方をめぐって対決姿勢を強め、昨年1月に決裂。7月に維新単独で決めた都構想案は10月の府・市両議会で否決された。昨年末に公明党が住民投票実施に賛成する方針に転換したことを受け、橋下氏は都構想案を法定協に再提出していた。大阪市解体、215万人が判断 最大規模の住民投票へ
朝日新聞 2015年1月14日
橋下徹大阪市長(大阪維新の会代表)が政治生命をかける大阪都構想が、5月17日の住民投票での決着に向けて動き出した。維新と他会派が泥沼の論争を繰り広げてきた大阪市廃止の是非は、過去最大規模の約215万人の有権者に委ねられる。「絶体絶命と言われていたが、皆さんが衆院選を頑張った結果、政治が動いた。いよいよ残す階段は住民投票可決だ」法定協議会で住民投票実施が固まった13日。橋下氏は大阪市内の維新の党本部で所属議員に訴えた。
昨年10月の大阪府・市両議会で都構想案が否決され、知事・市長の専決処分による住民投票実施を検討するまで追い込まれていたが、公明党の方針転換で息を吹き返した。維新は「住民投票は仕掛けた側が強い」(幹部)と高揚する。維新幹部は、昨年の衆院選比例区や過去最低の投票率だった出直し大阪市長選で維新や橋下氏が獲得した30万票超を「維新の固定ファン」と分析。他会派にも呼びかけた公開討論会などで市民の関心を集め、賛成票の積み上げを狙う。橋下氏は13日、「住民説明会を少なくとも行政主催で30~40回。維新の政治活動としても、それ以上の量をやっていきたい」と記者団に表明した。6日には、住民投票で反対多数になった場合に12月の任期満了で政界を退くことを宣言。自らの人気を賛成票に結びつけようともくろむ。一方、反維新側は足並みがそろわない。「市民に『百害あって一理なし』と明確にしたうえで両議会で否決したものを闇取引でよみがえらせて、賛否を問うなど断じて認められない」13日の法定協。共産党の山中智子市議団幹事長は住民投票実施に協力した公明党の対応を批判した。
公明党の清水義人府議団幹事長は法定協で、都構想案の内容には反対する考えを表明。終了後、記者団に「知恵を出して理解の輪を広げたい」と、住民投票に向けて反対運動を展開する考えを示した。わかりにくい対応に、公明党の支持母体・創価学会は複雑だ。学会関係者によると、関西組織の最高幹部が6日、住民投票反対という党の決定を尊重しつつも「ただ、我々としては推移を見守っていきたい」と発言。反対運動には様子見の姿勢を示したという。反維新の中核を担う自民党も定まらない。花谷充愉(みつよし)府議団幹事長は13日の法定協後、記者団に「あまり政党や議員が表に立つのは良くない。議会の手は明らかに離れた」と漏らした。自民党支持層にも都構想の支持者を抱え、積極的に動きにくい事情がある。自民党内には公明、民主、共産各党と都構想の問題点を共闘して追及する動きもあるが、改選を迎える統一地方選では競争相手にもなるため、一枚岩とはいかない。「統一選を目の前に控えて新年会など地域の行事に各議員が追われている状態で、住民投票まで目が向いていない」。自民党の市議団幹部は、こう嘆いた。異例の賛否、市民にゆだねる
大阪維新の会代表の橋下徹大阪市長は、住民投票を「究極の民主主義」と位置づけている。賛否を二分する政策課題を住民投票に諮る先駆けは、1996年に新潟県巻町(現・新潟市)で実施された原発建設の是非を問う住民投票だ。反対が6割を超え、建設計画撤回につながった。2000年には吉野川の可動堰(ぜき)建設が徳島市の住民投票で反対多数になり、中止された。11年には減税を掲げた河村たかし名古屋市長が住民を動かし、市議会解散につなげた例もある。一方、06年の山口県岩国市では米軍艦載機の岩国基地への移転計画に反対が87%に上ったが、今も計画は進む。沖縄県名護市沖の米軍基地建設をめぐる97年の住民投票は条件付きも含めた反対が上回ったが、名護市への移設計画は候補地を変えながら続いている。鳥取市では3年前、市庁舎の耐震改修が新築移転を上回ったが、昨年末に新築移転で決着した。結果が住民の意思と異なるのは、こうした条例による住民投票に法的拘束力がなく、首長や政府の決定を最終的に縛れないためだ。議会や首長が「壁」になる場合もある。大阪市や東京都では12年、原発の再稼働の是非を問おうと市民グループが直接請求した条例案が否決された。橋下市長はこの時、脱原発依存を掲げる自身が市長選に勝ったことから「市民の意思は明確で投票の必要性は乏しい」とし、条例案に反対する意見書を議会に出した。だが、都構想の住民投票は法律に基づくため条例は不要。賛成票が上回れば、大阪市の廃止と特別区の設置が決まる。市町村合併の賛否を住民投票で問うことは過去にも多くあったが、自治体の解体の賛否を問うという前代未聞の内容。その判断は5月17日、大阪市民の投票に委ねられる。橋下氏は13日夜、維新の会合で「住民投票が終われば死んでもいいぐらいの勢いでやる。どこにでも行く」と意気込んだ。住民投票
議会の解散、首長の解職などの直接請求のほか市町村合併については地方自治法に基づいて行われる。原発建設や基地移転、庁舎建設など個別の政策課題では、常設型の住民投票条例がなければ有権者の50分の1以上の署名によって住民が条例制定を求めて実施される。ただ、条例を議会で可決しなければならず、法的拘束力もない。都構想の住民投票は大都市地域特別区設置法に手続きとして明記されている。都構想案が大阪府・市両議会で可決されれば実施され、投票結果で都構想の可否が決まる。
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大阪都抗争/急転直下 ゴール前
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