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大阪都抗争/抗争の真因

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by 橋下徹@t_ishin


反対派の主張は、
①大阪市がなくなる!
②大阪市のお金が大阪府に奪われる!
③住民サービスが低下する!
そして
④効果よりもコストがかかる!
に収斂されてきた。

まず大阪市というコミュニティーはなくならない。
大阪府庁と大阪市役所という役所組織を一から造り直すだけだ。

ゆえに地名も大阪市という表記が新しい区の名称になるだけで、あとは現在と全く異ならない。
反対派は大阪市役所が一から造り直されることに最大のデメリットがある。

まず議員。
大阪市議会議員は全員失職する。
そして特別区議会議員に簡単になれるかと言えばなれない。
選挙区が変わるからだ。

現在の大阪市議会議員は、大阪市内の24区と狭い狭いエリアの中で選挙をやっていた。
ところが特別区になると単純に選挙区エリアが5倍になる。
今までの後援会組織での選挙は通用しなくなる。
大阪都構想によって一番不利益を被るのは大阪市議会議員だ。

次に大阪市役所から安定的に補助金を受けていた団体など。
彼らも特別区になった場合に、自分たちがどうなるか不安を抱いている。
ゆえに現状を維持しようとしている。
一般の市民の皆さんは何の心配もない。
現在のコミュニティーや地名はそのまま残る。
何の変わりもない。

次に大阪市のお金が大阪府に奪われるというのは意味のない主張。
大阪市民は大阪府民でもある。
自分たちの税金がどちらに行こうが、きちんと仕事をしてくれたら良い。
今までの大阪府、大阪市で莫大な税金の無駄遣いが行われていたので、仕事の役割分担を変えるのが大阪都構想だ。

大阪市議会議員からすると、これまで自分の仕事だと思っていたものが大阪府議会議員の仕事になるので、腹立たしいのであろう。
しかし大阪市民にとってはどちらでも良いこと。
大阪府知事も、大阪府議会議員も、大阪市民の代表であることは間違いない。

住民サービスが低下するというのも完全なデマ。
これまで大阪市が基礎自治体としての住民サービスに使っていた税金は6200億円。
これはそのまま特別区に移す。
ゆえに特別区の住民サービスが今より低下することはない。
これまで大阪市がやっていた大阪府と同様の仕事は、大阪府に担ってもらうだけ。

そして最近、反対派が力を入れているのは、効果はなく費用だけかかる!という主張。
これも意味のない主張。
まず効果があるかないかは主観の話。
そうではなくて事実を見なければならない。
反対派は、大阪都構想による「行革効果」だけを効果と見る。

そして「行革効果」の範囲を非常に狭く見る。
しかし大阪都構想は金の話だけではない。
一番重要なことは、現体制に存在する課題の解決である。
現体制には、二重行政、府市の意思決定の不統一、大阪市内において複数の予算編成ができない、という決定的な課題がある。
これを解決するのが大阪都構想だ。

大阪都構想における「行革効果」は副次的な効果だが、あえてそれを計算しても、数千億円の効果がある。
反対派はそんなに行革効果がないと言うが、最小限に見ても大阪都構想の初期費用は絶対に賄える。
反対派は行革効果がない!だから大阪都構想はダメだという。

では、現体制の課題をどう解決するのか?
反対派はそこへの回答を出さない。
これが議論がかみ合わない決定的な理由だ。
反対派は大阪都構想に対して反対するだけで、現体制の課題解決策を一切出さない。
それどころか現体制で何も問題がないと強弁する。

反対派は現在の大阪府、大阪市の体制で、課題は何もないという認識か、
今のままでも話し合いをすれば解決できるという認識。
前者は論外だが、後者もとんでもない無責任な主張。
それは、2重行政解消のための改革案を今、否決し続けているのが反対派だからだ。

今の大阪府、大阪市の体制で2重行政の解消などあり得ない。
可能性があるとか、取り組めばできる、という者は自分がやりもしない口だけの評論家。
勝谷氏、大谷氏と同類。
僕は大阪府知事を経験し、現在、大阪市長だ。
現在の大阪府、大阪市の体制では二重行政の解消や府市の意思統一は無理だ。

反対派はカネめの話ばかりするが、大阪都構想の最大の目的は、

①二重行政の解消、
②府市の意思統一、
③大阪市内の複数の予算編成だ。

反対派は今の大阪府、大阪市の体制で、この目的をどう達成するのかの論証が必要だ。
カネめの話は僕らの認識では充分な行革効果が出るし、初期費用もそれで十分賄える。

大阪都構想になっても各特別区はきちんと財政運営できるシミュレーションもある。

大阪都が目指すとしているこの将来像
  ↓
 http://oneosaka.jp/policy/ 
 http://www.city.osaka.lg.jp/shisei_top


少なくても大阪都構想の反対派よりも具体的に大阪の将来像を描いている。

反対派は大阪都構想に反対するが、現在の体制に対しての解決策も示さず、将来の大阪についても具体像を示さない。
結局、反対しているだけだ。
大阪都構想が反対されれば、
結局、現状維持。
課題解決策もなく、大阪の将来像も示さない自民、公明、民主、共産がかつての大阪の暗黒時代を蘇らさせる。
最悪だ。

これまでの大阪府庁、市役所体制で莫大な税金の無駄遣いをしてきた反省のかけらもない。

今のメディアの批判はムービングゴールだ。

ゴールに達したと思ったらゴールを遠くに移される。
言われて点を説明をすればもっと具体像を、きちんと詰めればまだ生煮えだ、の繰り返し。
何をどこまでのレベルで具体的にすべきなのか、詰めるべきなのか、示すべきだ。
それには対応する。


●『 RT @corosanta01: 人間はみんな保守的にできていて、変化を先天的に恐れるようにできていると思います。』

そうですね。
でも今の危機を乗り越えるためにリスクをとれ、と自称インテリは口では言うんですよね。
そして実際にチャレンジすると反対。
これが今の日本。変えなければ。

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