『キャスト』 (7月24日)
伊藤史隆:大津のイジメ問題なんですけども、当時、学校側が教師約60人を対象にアンケート調査を、これ実は行っていたんです。しかし、これを、遺族に説明しなかった…まあ、普通の感覚なら、説明するのは当たり前ですし、で、その上、実は、文科省はこういうときの調査に、指針を出してるんですね。「〝できるだけ〟1週間以内に遺族の方に説明するように」と。しかし、学校はそれをしなかった。何故かと尋ねられた学校側は、「だって、〝できるだけ〟ということだったんで…」だから、しなかったんですと…しかし、この言い分、どう思われます?古賀茂明:まあ、「できるだけ」とか、「可能な限り」というのは官僚が逃げるときによく使う言葉なんですね。文科省は、「この件に関してきちんと対応をしてます」と言うためにですね、〝できるだけ〟というのをつけて、指導する。でも、そういう指導を出すと、今度は現場から反発が来る。「なんで文科省がそういうことを言うんだ」と。そしたら文科省の役人は「いや、〝できるだけ〟ということなんで」という言い方で逃げられる。で、今回のような問題が起きたときにはですね、「文科省は何やってるんだ!」なんて言われたらですね、「いや、我われは〝できるだけ〟やるように、と言ってたんですよ」と。「だって、こういう状況になってるんだから普通、やるでしょ。遺族への報告くらい」と…。つまり、「自分たちはちゃんと言ってるのに、学校側ができてない。できないって逃げるんですよ」と…つまり二重の意味で逃げることができる書き方なんですよね。これ、役人言葉で「できるだけ」とか、「可能な限り」とか書いてたら、〝やらない〟ということを想定して書いてる、って考えてもらって結構です。
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大津イジメ中学にもあった「霞が関文学」
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