首相公選・道州制によって、外交・防衛が強化できる!一体なぜか?
10月1日昨日、オスプレイが沖縄に配備されたようですね。
日中関係が悪化し、尖閣問題も有事の事態となっております。
外交・防衛問題は日本の政策課題の中で大きくクローズアップされております。大阪維新の会はその名の通り、地域政党でありました。
日本維新の会も地方分権(地域主権)を目指して、立ち上げられております。
母体が地域政党であるゆえに、国家戦略である外交・防衛に弱いのでは、といった印象を持たれがちです。そこで本日は、領土問題とはいったん距離をおきまして、維新の政治システム論を外交・防衛の視点から解説しようと思います。
維新の会の一丁目一番地は「統治機構の作り直し」です。
首相公選や道州制の実現に本気で取り組んでいます。まず首相公選制について。現状、「日本の首相がころころ変わりすぎ」という問題があります。
小泉政権を最後に、その後の自民党の総理大臣は立て続けにわずか1年毎にころころ変わりました。
民主党は総理の早期交代を批判していましたが、同じく、鳩山政権・管政権も短命で終わってしまいました。
総理の顔を変えることで内閣の支持率を上げる、というカンフル剤的効果はありますが、こと外交においては悪影響を及ぼします。
サミットごとに日本のトップが変わってしまうようでは交渉もうまくいきません。首相公選は最も国民の支持を受けた候補が選ばれる仕組みですから、高い支持率が期待できます。
また、首相の権限を強化することで、現在よりも長期政権になります。
外交こそ継続性が大切ですから、安定した政権ができることはプラスにつながります。次に道州制について。
地方分権の本質は、「地方で出来ることは地方にまかせる」「国は国でしかできないことをやる」というものです。
すなわち、国の役割を、マクロ経済政策や通貨政策、そして外交・防衛などに特化させるものです。
現状では、保育所の認可基準なども国会で細かく議論されています。
防衛は事前の法整備が肝要で、有事になってからでは間に合いません。平時のときにこそ、時間をとってしっかり議論すべき事柄なのです。
道州制によって、国会の仕事が絞り込まれることによって、今よりも安全保障問題の解決が早まります。
補足として、外交テクニックとして、地方分権を盾にダブルスタンダードをとるという手法が海外で見られます。先の尖閣の例なら国有化という外交カードを残しつつ、地方政府の独断という体で東京都が買い上げ事実上の実効支配を強化。しかし日本政府のスタンスは変わらないという建て前で交渉できます。
外交・防衛で大変な時に、地方分権を議論している場合じゃない!というのは大きな誤解です。
むしろ、根本の問題として、政治システムを改善しないといけません。
日本維新の会では、他にも首相が年100日海外訪問できる国会運営を理念に掲げています。橋下代表が国際司法裁判所を使う外交政策での領土問題解決を提言していますが、これはあくまで政策論です。
本質論として、外交・防衛を強化するためにも統治機構の作り直しが必要なのです。「攻めの社会保障」こそが中期的な日本の成長戦略になる
10月4日「攻めの社会保障」こそが中期的な日本の成長戦略になる
竹中平蔵2050年の日本は世界で最も悲惨な国になるという経済誌の予測が話題になっている。その予測を覆すには「攻めの社会保障」で経済を強くするしかない。しかし民主党も自民党も、中期的な経済戦略を欠いているのが実情だ。シュンペーター的競争が重要になる
英エコノミスト誌がまとめた『2050年の世界』(文藝春秋)という本の中で、2050年に日本の平均寿命は52.7歳になり、国内総生産(GDP)は韓国の半分になるという衝撃的な予測がなされている。しかし、この本に書かれていることで一番重要なポイントはそうした悲観論ではない。結局、これからはシュンペーター的競争が重要になるということだ。つまり、供給サイドでイノベーションを起こせるかどうかというのが、日本の最後の拠り所となる。人口増に基づいた需要サイドの成長が見込めない以上、供給サイドでイノベーションを起こし、1人当たりのGDPを増やしていくしかない。また、2050年からは日本だけでなく世界全体が人口減少に向かうので、シュンペーター的競争は遅かれ早かれ、世界経済全体の拠り所となっていくだろう。日本では今、経済についていろんなことが議論されているが、公共事業にしろ社会保障にしろ、需要サイドにお金をばらまくという話ばかりで、供給サイドの議論が欠けている。日本は「守りの社会保障」
とりわけ、社会保障の議論はお粗末である。日本は社会保障に対する考え方を根本的に変えなければ、2050年の世界を生き延びることはできない。日本では、社会保障というのは恵まれない人たちに対する弱者救済と考えられている。具体的には、所得がない高齢者に対する年金、病気を患っている人に対する医療・介護と、社会保障と言えば年金・医療・介護の3つの柱が議論のほとんどを占めてきた。もちろん、社会に安定をもたらすセーフティネットという意味でも、年金・医療・介護は必要だ。ただ、世界で福祉大国と呼ばれる国々の成り立ちを見てみると、社会保障の立脚点は年金・医療・介護ではないのが普通である。スウェーデンでは供給サイドの改革の一環として社会保障が位置づけられてきた。もっとたくさん働いて、経済を強くするためにはどうしたらいいか。そういう観点から試行錯誤した結果、現在の競争的かつ高福祉のスウェーデンができあがっている。こうした「攻めの社会保障」に対して、日本は「守りの社会保障」となっている。「現役世代のための社会保障」が不十分
野田政権は消費税率を5%アップすることを決めたが、そのほとんどは年金・医療・介護といった「守りの社会保障」であり、「攻めの社会保障」に当たる分野はわずか0.3%分しかない。「攻めの社会保障」とは、別の言い方をすれば「現役世代のための社会保障」である。5%増税で確保される13兆円のうち、「現役世代のための社会保障」は7000億円しかないというのが現状だ。野田佳彦首相は「すべての世代のための社会保障を実現する」と語っているが、実際には現役世代には0.3%しか回されていない。この申し訳程度の配分で「すべての世代のための社会保障」と豪語しているのである。日本経済を強くするには、これまで「守りの社会保障」に偏っていた政策を転換して、「攻めの社会保障」に力を入れなければならない。「攻めの社会保障」が充実すれば、女性もいっそう労働力に参加できるようになるので、経済成長を後押しする。具体的な政策としては、まず産休・育休を促進するための政策が必要だ。さらに、子育てのために一時的に仕事を辞めた女性が、子育てが一段落した時に労働市場に復帰できるようにするための職業訓練政策も欠かせない。職業訓練が適切に行われれば、労働市場に復帰した女性が高賃金の職に就くことができる。現状では、職業訓練が不足しているので、せっかく高い潜在能力を持っている女性がその能力を発揮できず、時給の低いパート労働に甘んじてしまっている。女性の労働参加で経済成長を高める
ヒラリー・クリントン米国務長官が挙げた数字によれば、日本の女性の労働参加率がアメリカ並みに高まった場合、GDPは16%上昇するという。もし、日本が1.5%成長すると、10年でGDPは15%増える。つまり、女性の労働参加率が高まれば、日本は10年先の生活水準を先取りできるということになる。ただ、経済が低迷していると、女性が労働参加しようと思っても就職先がないということになってしまう。女性が労働参加すれば経済が成長することがわかっているのに、そのきっかけがなかなかつかめないというジレンマに陥っている。こうした状況を打破するためには、何らかのトリガーが必要となる。その意味で、環太平洋経済連携協定(TPP)というのは大きなトリガーになりうる。TPPに参加すれば、否応なしに供給サイドの改革が進められ、経済が再び成長するからだ。そこへ女性が労働参加してくると、日本経済は一気に成長を加速させることができる。現在、民主党代表選と自民党総裁選が行われているが、その中で「攻めの社会保障」は一切議論されていない。他の既存政党も同様だ。唯一、「攻めの社会保障」について議論しているのは、大阪維新の会である。高齢者の社会保障は「世代内」で再配分
大阪維新の会が「攻めの社会保障」という言葉をそのまま使っているわけではないが、「これ以上年金と医療に国費を投入しない」ということを明言している。これは、国費を投入するとすれば、それは地方分権のためであり、現役世代のための社会保障ということを意味している。では、高齢者のための社会保障はどうするのか。大阪維新の会では、高齢者が「世代内」で再配分をするべきだとしている。若い世代に負担をかけないで、高齢者同士で支え合うというモデルを提示しているのだ。一方、情けないことに民主党代表選では、党内で「与野党対決」のような不毛な議論ばかりがなされている。政府与党というのは一体として仕事をしているはずなのに、ついこの間まで閣僚を務めていた対立候補が野田首相を面と向かって批判する。もちろん、政策論争なら批判は大いに結構なのだが、対立候補にも明確なビジョンはなく、単に野田首相に不満をぶつけているだけだ。政権与党に責任を負っているという自覚がまったくないように見える。政治家はもっと経済政策を議論すべき
自民党総裁選も、議論が外交に偏りすぎている。与党時代の自民党は経済政策について官僚任せのところがあった。外交偏重の議論に終始している今の自民党を見ていると、なかなか「古い自民党」から抜け出せていないと感じる。いわゆる55年体制下の自民党政権では、経済政策というのは粛々と官僚が行っていた。55年体制というのは資本主義と社会主義の対立だから、自民党の政治家は社会主義と対決するということに集中していればよかった。そのため、伝統的に自民党には外交の話ばかりする政治家が少なくないのだ。小泉政権では自民党でも経済政策についての議論が活発に行われたが、今の自民党は「古い自民党」のパターンに戻ってしまっている。それでは、「経済を立て直してほしい」と願う国民の心をつかむことは難しいだろう。政治家はもっと経済政策を取り上げ、「攻めの社会保障」について議論をしてもらいたいと思う。この「攻めの社会保障」こそが、中期的な日本の成長戦略になるのだから。日本が目指すべき成長戦略とは何か、とずっと自問自答しておりました。
旧来の公共事業一辺倒でないことだけは明白ですが、他にわかりやすい成長戦略はないか。
前回の公開討論会で、「成長戦略を決めない時が一番経済成長した」というお話は示唆に富んでいます。
介護産業でも、エネルギー産業でも、国が成長戦略と銘打って補助金をつけだした途端にイノベーションは阻害されてしまいます。
政府は規制緩和など経済成長の土台をつくることに専念し、不要に市場に介入するべきでない、というのが真のアンサーだと思います。ただ、その上で、国民にもっと夢を与える成長戦略はないものか、と国民の一人として思っておりました。
上記の記事は非常に心に刺さりましたね。とてもいいと思います。
女性に優しい政治になりますし、日本の大命題である少子化対策につながります。現状では日本維新の会の政策が最も近いと思いますが、より明確に「攻めの社会保障」を打ち出していくべきと思います。
今後、塾生として政策立案に関われるチャンスがありましたら、「経済を強くする社会保障」を維新八策に盛り込むように強く働きかけていきたいと思います。
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