特ダネ。小倉氏は一貫して「受験生のことを考えるべきだ」との主張。ゆえに入試中止にも反対。僕は受験生のことを一番考えて入試中止を教育委員会に要請した。桜宮高校を受験しようとしている受験生やその保護者は客観的に学校の状況を捉えられない。なぜなら桜宮高校は素晴らしいと信じ込んでいるから。僕のところに上がってきている情報からすると、とてもではないが受験生を迎え入れる状況にはない。だから入試中止。小倉氏は桜宮高校の状況を知らずに受験生のことを考えろと主張。徐々に報道で明らかになってきているが、特ダネの番組で紹介のあった暴力状況を聞いて、小倉氏も明らかにトーンダウン。状況を知らない中での判断ほど怖いものはない。小倉氏は桜宮高校の実態を知らないまま、受験のことだけを考えて発言し続けたのであろう。それは間違い。受験生を迎え入れる状況にない学校であれば、受験生を迎え入れてはいけない。これは当たり前のこと。これからの報道で小倉氏も考えが変わるだろう。さて大阪市教育委員長と府教委委員長の対立が報道されている。あれだけのメンバーが集まる会合では全てシナリオが用意されているのがこれまでの通例だが、大阪はそういうことを止めた。批判を受けてでも、格好悪い状況が明らかになったとしても、議論をそのままオープンにする。大阪市教育委員長は、大阪市の責任で対処するので府教委に定員増を要請しないと言った。「責任」・・・・これを一番果たせなかったのが大阪市教委だ。特に2011年、公益通報に今回問題となっているバスケットボール部の顧問が暴力を振るっているとの通報があった。この対応は、桜宮高校校長から当該顧問への15分ほどの聞き取りのみ。当該顧問は体罰はないと言い切り、それを市教委に報告。市教委は鵜呑みにした。その直前に、桜宮高校のバレーボール部で暴力事案が発生。当該顧問は停職処分になっているのにだ。このような対応をしたのは市教委そのもの。さて特ダネのコメンテーター全般に、こういう事態のときには緊急支援本部のようなものを立ち上げるべきとの意見が多かった。ここが今の教育委員会制度の問題。教育に関しては教育委員会の専権事項となっている。もちろん僕もかかわっていくが制度の建前上、市長はかかわれない。こういう問題を起こした市教委自身に、これからの対応策を全て委ねていいのか。これが教育委員会制度の大きな問題点である。大阪市では事実上僕と市教委で進めていくが、学校改革の内容はまずは教委で立案してもらうことになる。具体的な内容にかかわらない大きな進め方の方針は僕で担おうと思っている。今回の学校の状況では入試は無理。しかしこういう問題提起は教育委員会にはできない。ゆえに僕が問題提起をして教育委員会に詳細に検討してもらった。その上でやっぱり入試中止が妥当と言う結論。在校生、保護者、受験生の意識改革が学校立て直しの根幹。ここも僕と教委で共通認識。そのための具体的方策は、まずは教委に立案してもらう。大きな流れを作るのは、やはり政治家にしかできない。その流れの中で具体的に中身を詰めていくのが専門家の役割。お正月を挟んだ数週間で、流れはできた。あとはこの流れに従って、在校生、保護者も当事者として学校立て直しに取り組んでもらう。桜宮高校の在校生、新入生、保護者、OBにも、何が間違っていたのかをしっかりと認識してもらう。今は、まだ受け止めきれていない。それは仕方がない。誇れる母校なのだから。しかし、間違っていた。この認識を共有することから学校立て直しが始まる。特ダネ小倉さん。受験生の今を考えるのか、受験生の未来を考えるのか。受験生の未来を考えると、今の桜宮体育科にそのまま入学させることは絶対に間違い。僕が持っている学校情報でそう判断しました。ここはいったん普通科で受け入れて、学校立て直しに当事者としてかかわってもらうべき。教育は教育の専門家だけでは引っ張れない。政治の力も必要。専門家は今の流れ、今ある制度を前提に思考する。流れを変えたり、制度を変えたりすることはできない。日本は戦前の教育の反省から、教育行政と政治を完全分離した。このことで教育行政が機能しなくなった。バランスを取り直す時期に来た。『とくダネ』 1月29日
小倉智昭:橋下市長が、ツイッターで、「『とくダネ』の小倉氏はなんで反対してるのか。おそらく内情をよくわかってないからだろう」とお書きになってるので、今日はじっくりお話をうかがいたいと思います。(VTR)在校生の母親:今、700人以上の子ども達がどんな思いで毎日を暮らしているか。それを考えたとき、どうしても私は橋下市長を許せません。橋下市長:僕が色んなことを言うもんですから、在校生や保護者は、自分たちが侮辱された、批判されたと、そういう意識になってますけどね、学校現場でこういう事態が起きてるってことを、もう一度、原点に立ち返ってですね、見つめ直さないといけないですよ。これは異常事態なんですから。小倉:受験やめさせるって、どうしてそっちの方に話が行くのかって、わからないところですね。今いる桜宮の生徒と、これから桜宮を目指す生徒の為を、まず最初に考えてあげることが必要なことなんじゃないでしょうか。そこが一番納得いかないですよね。小倉:橋下さん、今回、大人たちの騒動が、生徒たちにも波及してしまっていると考えたらいいのか、生徒たち自身にも問題があると考えたらいのか、そのへん、桜宮高校の内情を私は知らないんで、橋下さんに教えていただく必要があると思うんですが、今回のことは在校生、それから受験生、生徒たちには絶対にプラスになると思って、橋下さんはこういう試験制度を取り入れたってことですか。橋下:絶対プラスになります。前提なんですけどもね、昨日(28日)から、保護者やOBが集まりましてね、桜宮高校を立て直していこうというグループが、今立ち上がりつつあります。入試に関して、小倉さんとの決定的な違いは、僕は桜宮高校…体育科ですね、この一点を見ていたんですね。で、色んな情報が僕のところにも上がり、教育委員会…大阪市の教育行政を預かる最高機関もですね、その情報を見たらですね、さすがにこれは新入生を迎え入れられる状況にはないという判断をして体育科の入試は中止と決めたんです。ただ受験生への配慮も必要ですから、受験科目等に、一定の工夫をしました。以前の体育科と同じ方法ではありますが、ただ一回新入生は普通科に入れますから、これまでの体育科のカリキュラムではないので、基本的には今回の学校の問題、スポーツの指導のあり方とか、そういうものを普通科でしっかり議論してもらって、学校を立て直したあとであれば、スポーツの専門科というものも改めてつくっていこう、ということになりました。小倉:つまり、桜宮高校で問題があるのは、体育科だけと考えていいんですか?橋下:普通科でも同じような暴行事案はあります。アンケートで出てきましたが、桜宮の中核は体育科なんですね。もちろん、あの、体育科も普通科も両方止めろ、という言い方もあるんですが、それは受験生に対する配慮が欠け過ぎる。ですからそのバランスの中で、新入生は一回普通科で受け入れる。菊川怜:では、今いる体育科の1年2年生はどうなるんですか?新入生を受け入れる状況にない今の学校にいる生徒は?橋下:本当は学校を全部閉めて、他の学校に生徒には移ってもらうというやり方もあるかもしれませんが、それでは混乱を招きます。ですから、ギリギリの選択としては、在校生にはこれまでのカリキュラムを変えたり、先生を変えたりして、今の学校、どこが問題で、どこが間違っているのか、自分たちの意識、どこが間違ってのか。それを保護者にも議論してもらって、当事者としてこの1年、じっくり考えてもらいたいんです。小倉:つまり、今の在校生の考え方のままでは、新入生とは一緒にさせられない、ということ?橋下:まず、在校生、保護者、教員、皆の意識を変えてもらわないといけません。それにはどうしても時間がかかる。新入生に関しては、これまでとはカリキュラムが全然変わってくるんです。クラブ活動のあり方も変わります。それから桜宮を受けたい生徒は、特定の顧問の指導を受けたい子どもが多いんです。そしたら、今まで通りじゃないのに、今まで通りに体育科の入試を続けてたらダメでしょう。以前と同じクラブ活動、以前と同じ顧問の指導を受けれると思ってる生徒に、違うということを、これから桜宮は新しい方向に向かうんだということを伝えなきゃいけない。そのためにも、体育科の看板は外さないといけません。小倉:問題になってるバレー部とか、バスケットボール部、体育科の生徒だけが入ってるんじゃないでしょ?普通科の生徒も入ってるんですよね。その部活も完全にやめさせるんですか?橋下:これはね、今回の問題を、一顧問と、一生徒の問題として捉えるのか。学校全体の問題として捉えるのかで、考え方は変わってきます。今回、緊急に外部監査チームを立ち上げて、実態解明を暫定的にやったところですね、体罰があったのはバスケットボール部と、バレーボール部だけではありませんでした。他のクラブにもあった。そして在校生や保護者が、それを受け入れてる。校長や教頭のガバナンスもまったく効いてない。暴行事案が上がっても、隠蔽してたワケですね。教員同士も、こういうことを見ていながら、間違ってるという認識はありませんでした。学校全体にこういう意識が広がってる。小倉:(VTRで在校生が顧問がいなくても全国大会を目指したい、全国大会に出場することが、亡くなった生徒への供養になる的発言を受けて)当然こういう声もあると思うんですよ。それを完全に封じ込めて、あきらめさせるというのは、いいんですかね?橋下:バスケット部でも、あの顧問の指導を受けたいという部員は多い。他のクラブでも、桜宮の指導者には一流…一流というか、試合で勝ちを収めてきた先生が多いですから。ただ、僕はね、高校教育の中でのクラブ活動の考え方も変えなきゃいけないと思ってるんです。というのは、世界から見た場合、日本のクラブ活動というのは摩訶不思議の世界なんです。僕自身もやってきたから、全否定する気はないですが、なんでクラブ活動をしたいから体育科なんですか?逆ですよ。「体育科で何をやりたいか」が、先に来なきゃいけないですよ。クラブ活動っていうのは、付属的な部分であるはずなんです。でも、学校のクラブ活動を全否定してるんじゃないですよ。クラブ活動をしたいなら、普通科に入ってすればいいし、例えば、野球で甲子園に出るような強豪校でも、サッカーでも、みんな体育科からというワケじゃないですよね。普通科のところもあるワケで。普通科で甲子園を目指せばいいワケでね、だって、体育科っていうのはスポーツ指導を教えるところですよ。それが今までのやり方を是として卒業していったら、どういう状況になるんですかね?そして体育指導での体罰の何が問題かというと、歯止めが利かなくなるんです。エスカレートしていくんです。先生と生徒という絶対的関係の中で、スタメンで出る、出れないは顧問が握ってるワケですから、まったく何も言えなくなる。これは法律でいくらダメだと決めてもダメなんです。自分たちでダメだと思わないと、何も変わらないんです。
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橋下市長のつぶやき/桜宮体罰問題
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