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ハシズム・スプラッシュ/体罰についてのつぶやき

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【陰山英男】
 
一部の生徒が会見をする。それも生徒の意見だ。
だが、生徒全員の意見ではない。
報道では切られていたが、私が今の桜宮で声をあげられない生徒もいる以上、生徒の声なき声を聞く必要もあるといったのはそのことだ。
桜宮の総意をまとめるにも今の校長では無理だろう。
緊急に別のリーダーを送るべきだ。
 
 
 
亡くなった生徒の保護者が告訴をされた。
桜宮の生徒への嫌がらせが始まっている。
求心力のある人間を直ちに送る必要がある。
大津では、教育長へのテロも起きた。
しっかりとした対応をしないと、悲劇は連鎖する。
大阪でそんなことは起こさせたくない。私には焦りがある。
 
  
尾道の民間校長の自殺事件のみならず、私はいくつかの学校で命がなくなる事件に接してきた。
人権尊重とか命の大切さを言う割に学校というところは危機管理が弱い。
また、報道も学校の問題は感情的になる。
今回の議論を茶番と言ったコメンテーターがいたが、市長のぼやく気持ちがよくわかる。
 
 
今の日本は批判ばかりだ。
問題は批判が目的化して、揚げ足取りになることだ。
市長批判が先行して、本質的な議論は放置されている。
最も問題なのは、今の桜宮を安定させること。そこに向けての市教委の取り組みが弱い。
だから、個人的な意見と前置きして申し上げた。
 
 
入試や高校配置は、一連の大阪の教育改革で大きな課題だった。
入試中止の批判が渦巻く中、結局政治の思惑で府教委は動くと思われるのも困る。
市教委の決定は、市教委が後どのように善後策をとられようとも、大阪の教育問題となった。
それを関係者全員で解決を模索する場として、あの会をお願いした。
 
 
報道関係者にもお願いしたい。
会の後、なぜ私が感情的になったか、記者から質問があった。
私には尾道の民間校長の自殺事件のトラウマがあるからだ。
教育事件は関心が高いため、報道は過熱しやすい。
尾道の場合は教委の次長が自殺することで沈静化した。
 
 
報道が加熱する一番の要因はもちろん教育界の甘さである。
しかし過熱するあまり、ポイントがずれることもある
今回の場合、今の桜宮の安定化が急務だが、どうも報道は市長提案ばかりで、そもそも受験生の父親でもある市長がなぜそこにこだわるか、そういう視点での報道がほしい。
 
 
少しそれるが、私はプロということにこだわりたい。
教師になったときよく言われた、新任でもプロです、勉強しなさい。
言われて嫌だった。
でもその通りと思う。
教師としてプロ、教育委員としてプロ。報道のプロ。政治のプロ。
みんな自分の胸に手を当て考えるといい。
すると、やるべきことが見えてくる。
 
 
人は変えられない。可能性があるのは自分だ。
自分ならまだ自分を変えられる。
だから世をよくしたいなら、批判より反省だ。
世が悪いと批判するより、世を良くできないおのれの非力を反省すべきだ。
そういいきかせたい。
 
感情が激しいのは私の欠点。
だから、普段は自分の感情は押し殺すよう努力しているが、時々問題よって、抑えが効かず、暴発する。
ただ、最近抑えの効かない場面が増えた。
橋下市長になだめられるようじゃいけませんね。
あの橋下市長をなだめ役に回したと、変な褒め方もされましたが、反省です。
 
 
私が談合しているように見えるならそれも反省。しかし、相手は市長、知事です。敬意なくして仕事はできません。“: 松井さん、橋下さんとの談合は止めてください。”
 
 
今回の桜宮高校問題の最大にして第一のポイントは、入試を止めてでもやらないといけないほど、改革が困難で深刻な状況であったかどうかということ。
私は市長がそう主張したことに加え、市教委が現地視察した上で、正式に入試中止を決めたことでそうした状況であるだろうとみなした。
 
 
だが、私たちは桜宮の現状の報告を受けていない中で府立体育科の定数増を決めなくてはならなかったのだ。入試中止への批判は根強い中での決定で、そう簡単なものではない。
一部報道は、教委間の対立と描いているが、まったく本質を見てない。
 
 
桜宮の体育科入試中止で、すでに府内の入試への影響は大きい。
そのことに対しての市教委の釈明はない。
そもそも、市教委は入試中止を多数決で決められた。
府教委に協力要請をしないのは総意なのか。
もししないなら体育科の定数減は放置されるということか。
 
 
体育科の枠を普通科にし、人数はそのままにして募集をすることで受験生への影響を最小限にするという今回の決定がうまく機能するには、現在の桜宮が、受験生を引きつける求心力を持つことが前提になる。
つまり緊急の対策と実行が必要がある。
そうしなければ、体育科のみならず、普通科も定員割れする。
 
 
府教委の意見というとそれは対立を生んでしまうので、個人的な意見として、これでいいのかと指摘させていただいた。
市教委の苦悩は同業者だからよくわかる。
市教委の人とは交流もある。
市長や知事が言えば、同じことでも、政治の介入という別の批判が出て、一層混乱する。
私が言うしかない。
  
 
校長の更迭はよかったと思う。
校長には申し訳ないが、自校の生徒が教師の暴行をきっかけに自殺したことが間違いないとされている以上、会見でのあの表情はないだろう。
越権行為ということもわかっている。
でも市長に言わせるよりいいだろう。
 
 
批判はいくらでもできる。
そんな批判ばかりの風土の社会になってしまったのが残念。
 
 
週末の報道を見ていると、落ち着いてきた感じ。一安心。
市長の味方をするつもりはないが、今回の市長の入試中止の提案がパフォーマンスだという評価は首をかしげる。
参院選を考えると、受験生とその保護者に不安を与える提案はむしろマイナス。
何でも市長の批判に持って行きたい意思を感じる。
 
 
また、この事件を一般の体罰と同じ次元で見るのにも違和感を感じる。
府立の学校を含め、あんなことがどこでもあるとは思えない。
一日に一人の生徒を何十発も殴るなどというものは、指導でも愛のムチでもない。
それが日常化する構造というのは、もうそれだけで根深い。
それは私などの理解を越える。
 
 
 
大阪の体育指導の刷新のためにメダリストの力を借りれたらと思う。
最近、メダリストを連続して取材する仕事をやっているが、彼らは実に魅力的。
そんな彼らに大阪の高校生が感化されるといいと思う。
オリンピック委員会も体罰の一掃の声明を出している。
そこからのコーチ派遣もいい。前向きが大切。
 
ごもっとも!
: 成果主義を語る前に、世界で唯一の日本に存在する学校での部活は必要なのか?
7割以上の先生が競技未経験で半ば押し付けられる奉仕活動?
そして全国大会まである。そこに過剰な指導やシゴキは必然の気もする”
 
 
欧米は地域クラブでやります。
: 他国では学校でスポーツ活動がないという事ですか?“
 
 
 
 
【野村修也】
 
桜宮高校。体罰の常態化を全教員が黙認していた以上、連帯責任は当然。
入試を実施したければ、教育委は全教員の異動を真剣に検討すべきだ。
すぐに無理なら体育系クラブの顧問を3月末、その他の教員を6月末に異動させることもできる。
その代わり市長には体育科も含めて入試の実施を認めて欲しい。
 
 
クラスでいじめがあれば、教師は、いじめで暴力を振るった生徒だけではなく、見て見ないふりをしていた生徒にも罪があると教えるだろう。
教師が暴力を振るった場合には、どうして別の論理が成り立つのか、
教育委員会に説明して欲しい。
 
市の教育行政の責任者は教育委員会であって市長ではない。
これは教育の政治的中立性を確保するための措置で、教育委員会の所管事務には首長の指揮命令は及ばず,首長は教育委員の任命や予算編成等を通じて間接的に責任を負うにすぎない。
これを知らずに橋下市長の責任を論じる人がいるので、念のため。
 
 
桜宮高校の体育科入試は中止と報じられているが実質的には実施と変わらないのだから、その前提として、校長をはじめ管理者の責任、しごきを是とする暴力教師とそれを黙認していた教師の責任、高校の体質改善、そして何より教育委員会の責任を明らかにしてもらわなければ世間は納得しないのではないか。
 
大阪市教育委員会は、大阪市の教育行政の責任者なのだから、桜宮高校の体罰の実態とその対応の問題点について、教育委員会自身の対応も含めて、独立した第三者に徹底的に調査してもらうべきだろう。
橋下市長が責任者であれば、そうするに違いない。
動きの鈍さは、教育委員会制度自体の限界なのだろう。
 
 
 
【古賀茂明】
 
大阪の体罰の議論で不思議なこと。
一昨年夏のバスケ部体罰の内部通報に関する調査では、「教師に聞いたら体罰はないと言っている」として学校側は体罰の事実を隠蔽しようとしました。
学校の責任が問われるのは当然ですが、こんな報告を了承した教育委員会の責任は問われていません。
 
教育委員には身分保障があってクビにできないと言います。
地方教育行政の組織及び運営に関する法律第七条によれば、市長は、教育委員に「職務上の義務違反がある場合」に、議会の同意を得て罷免することができるはずです。
今回は、どう見ても重大な義務違反があったと思います。
 
教育行政の根幹を担う教育委員会を刷新しないで、抜本的改革をしようとしても無理だと思います。
改革にふさわしい委員を任命しなおした方がいいでしょう。
日本では、責任のある人が責任をとらずに、次の改革の議論をそのままやろうとすることが多いです。
原発問題と同じです。

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