連携は衆院選まで!?
公明、大胆改革の橋下維新と距離産経新聞2013.3.4大阪市営地下鉄の民営化などを目指す日本維新の会共同代表の橋下徹市長が市議会対応で苦悩している。その要因の一つが、市長と協調路線をとってきた公明市議団が市長の大胆な改革内容に慎重になっていることだ。公明側では日本維新と選挙協力した衆院選が終わり、「市長から軸足が離れてきた」との声も漏れており、両者の間で吹くすきま風が橋下市政にブレーキをかけかねない状況になっている。「わが会派以外の全会派が賛成に回った。由々しき事態ではないか」。2月26日、大阪維新市議団の会議で、議員の一人は危機感をこう口にした。前日に開かれた市議会委員会。橋下市長が平成27年度以降の実施に意欲を燃やす市立幼稚園民営化計画をめぐり、見直しを求める陳情書が諮られ、維新以外の賛成で採択された。その中には、これまで市政改革に協力してきた公明も含まれていた。橋下市長は「陳情は山ほどあるわけで、それに縛られるわけではない。そういう陳情があるということだけだ」と強気の姿勢を崩さないが、市長を取り巻く状況は厳しくなっている。大阪府内42市町村が運営する大阪広域水道企業団に大阪市の水道事業を移管する水道統合をめぐっても、橋下市長が企業団との間でまとめてきた素案に市議会委員会で異論が噴出。ここでも公明市議が資産を企業団に無償譲渡するなどの素案内容に「問題外の素案を作ってきた。統合の必然性、意義はまったくない」とこき下ろした。「公明が以前よりも強くものを言うようになった」。維新市議はこう指摘する。公明幹部は「これまでも是々非々でやってきた。幼稚園や地下鉄の民営化、水道事業統合は市民生活に大きな影響があり、すんなりと通すことはできない」と強調する。一方で前回の衆院選以降、「市議団の軸足が変わった」とも言う。前々回の衆院選で選挙区全敗を喫した公明は議席奪還が最重要課題で、橋下氏と協調路線をとった。橋下氏も大阪維新が市議会で過半数に満たないため市政改革で公明との連携が不可欠で、公明が擁立した選挙区には候補を立てなかった。その結果、公明は候補を立てた大阪府内など9選挙区で全勝した。ただ、今夏の参院選では連携は行われない見通しで、公明関係者は「これまでは橋下氏への協力で衆院選の大きな見返りがあった。今は何もない」と冷ややかに見る。地下鉄民営化に関する条例案については今回の定例市議会で結論を出さず、継続審議にする公算が大きくなっている。水面下では自民、公明が情報交換、協議を活発に行っているとされる。維新幹部は公明を含む他会派の慎重姿勢に「民営化は煮詰まっており、『議論が足りない』という時期ではない」と不快感を示し、「民営化が前に進まなければ、(市議会の)リコール運動を行っていく段階を迎えるかもしれない」と牽制した。公明が維新けん制
職員の相対評価制度に異議産経新聞2013.2.27
大阪府が試験導入中の職員の相対評価制度をめぐり、公明党が26日の府議会で松井一郎府知事に改善を要求、大阪観光局予算にも異を唱えた。松井氏が幹事長を務める大阪維新の会が単独過半数を占める府議会で存在感発揮を狙った形だが、大阪維新側は公明党の協力獲得に腐心しており、思わぬ“けん制”に気をもむことになりそうだ。公明府議団の清水義人幹事長は府議会本会議で相対評価に関し「(制度を定めた)職員基本条例も含め、再構築の必要がある」と指摘。松井氏は「必要に応じて改善する」と述べるにとどめた。府が平成25年度当初予算案で2億5千万円を計上、市や関西経済界と4月に新設する大阪観光局の事業費に関しても清水氏は「人件費が明確でない。つかみ金になっている」と迫った。地下鉄民営化には、市として特に重要な施設のあり方にかかわる事項として、市議会の3分の2以上の賛成が必要。公明、自民以外に民主系会派(9人)も民営化に慎重な姿勢をとっている。一方、市は民営化に先駆けた事業展開として、今月23日からの終電発車時間の延長や平成26年度からの初乗り料金10円値下げは実施する予定。
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大阪都抗争(死闘編)/市面楚歌
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