Quantcast
Channel: SALUMERA
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2520

橋下市長のつぶやき/改憲は道州制に必要だから、という理屈

$
0
0
@t_ishin
 
 
夏の参議院選挙は憲法改正も争点になるだろう。
維新の会は、地方公共団体を地方政府へ作り直し、道州制を日本の統治機構にするための92条改正、地方政府の立法権充実のための94条改正、衆参ねじれを正すための59条改正、国の決算を責任あるものとするための90条改正を軸に据える。
統治機構改憲。
 
特に憲法92条、94条の地方政府樹立、道州制の実現は維新の党是である中央集権打破そのもの。
中央集権打破改憲でもある。
地方分権を誰もが言いながらこれまでの政治は進めることができなかった。
そりゃそうだ。
現行憲法自体が中央集権体制を日本の統治機構としているのだから。
 
政治が何度も何度も地方分権に挑戦しながら、結局は失敗する。
まさに現行憲法が政治の力を跳ね返していたわけだ。
現行憲法は中央集権体制。官僚機構も忠実に憲法を守っていると言うわけだ。
だから憲法自体を改める。憲法は統治機構を規定する法規範なので、地方分権型統治機構に改める。
 
なぜこれまでの政治が地方分権を実現できなかったのか。
それは政治の力不足だけが理由ではない。
政治を縛る憲法自体が中央集権体制になっているからだ。
現行憲法を盾に、官僚機構は中央集権体制の統治機構を守り続けた。
国の統治機構を変えるには憲法を変える。
それこそが政治の役割だ。
 
政治家がちまちまと制度の中身を論じても、専門家や官僚機構にかなうわけがない。
それは政治家の役割ではない。
憲法で日本国家の統治機構の大枠を描く。
それが政治家の役割だ。
憲法でグランドデザインを描ければ、官僚機構や専門家はそれに従ってフル稼働するだろう。
今の大阪都構想も同じ流れ。
 
日本の統治機構を、中央集権打破、地方分権型、道州制にするのであれば、政治家は憲法でグランドデザインを描くべきだ。
それが政治家の役割の全て。詳細な制度設計は憲法に基づいて官僚機構や専門家が行う。
今回の憲法改正は中央集権打破改憲、地方政府樹立改憲、地方分権型統治機構改憲、道州制改憲だ
 
そしてこれだけ大掛かりな統治機構改革をするためには一定の時間がかかる。
そのためにも、憲法96条改正だ。
96条は、国民の判断を問うこともできない規定となっている。
憲法改正する権限は国民主権そのもの。
憲法96条は国民主権を制限し過ぎだ。
 
憲法96条改正賛成派は、国民を信じる。
反対派は国民を信用しない。
反対派は国民投票に付すと、憲法が悪い方向に進むと懸念し、国民投票を避ける。
普段は、市民運動の声を信じよ!住民投票で決めよ!と言っている人たちに限って、憲法改正においては国民投票を信じない。
 
日本の統治機構を、中央主権打破、地方分権型、地方政府樹立、道州制に改めるには、憲法92条、94条の改正が必要であり、この点国民的議論が必要になるので、まずは96条を改正しておく。
国会議員の過半数の発議で、国民の判断を求めることができるようにする。
中央集権打破、道州制改憲。
 
今般、自民党、公明党から道州制推進基本法案の骨子が出てくる。
これは極めて危ない。
中央集権打破、地方政府樹立と言う統治機構のビジョンが全く見えない。
国と地方の役割分担を整理して、国は国の仕事に専念してもらう。
国は、外交、安全保障、通貨政策やマクロ経済政策などに専念してもらう。
 
今、安倍政権が専念していることこそ、本来的に国がやるべきこと。
ここに政治がエネルギーを集中してもらうと国は動く。
ところが国の役割が整理されていないので、首相は国会に軟禁されている。
首相を国会から解放することが今の日本にとっては必要だ。
1年のうち100日は海外に行けるように。
 
ところが自民党、公明党の道州制推進基本法案骨子は、極めて役人的なペーパー。
細々とした事務を整理したペーパー。
そして基本は現状維持。市町村はそのまま。それでいて、都道府県の権限を市町村に移譲。
地方の現場を知らない非現実的な骨子となっている。
 
大阪府では僕が知事時代に市町村への権限移譲を進めたが、まあこれが大変なこと。
大阪の市町村はそこそこ規模が大きいが、それでも権限移譲は大変。
現行の市町村では権限を受けきれない事態が生じる。
あるべき基礎自治体の模索が重要なのに、市町村長の道州制反対の声に押された骨子となっている。
 
道州制を実現するためには、地方に責任も負わせなければならない。
地方でやらなければならない権限・事務を整理したら、それが担える基礎自治体に再編しなければならない。
地方分権は、地方の権限ばかりが叫ばれるが、本来は責任を伴うものだ。
ところが地方は責任は負いたくない。
 
自民党、公明党の道州制推進基本法案骨子は、問題だらけ。
国の役割を整理した上での国の機能強化、中央集権打破、地方政府樹立の理念、ビジョンが全く感じられない。
単なる都道府県の整理レベル。これじゃだめだ。
やはり日本の国の統治機構のグランドデザインを描くべきだ。
それが政治の役割。
 
自民党、公明党の道州制推進基本法案骨子は、事務ペーパー。
政治家が作るようなものではない。
政治家がやらなければならないのは、統治機構のグランドデザインを議論すること。
地方政府の樹立までもっていくのか、そうではないのか。
自民党は地方政府の樹立は反対であろう。
ここが政治議論の争点になる。
 
自民党、公明党の道州制推進基本法案骨子を基に議論すると、細かな文言修正の議論になる。知事会の議論のように。
今政治家がやらなければならないのはそんなしょうもない議論ではない。
国の統治機構のグランドデザインに関する議論だ。
方向性が定まれば、専門家に中身を詰めてもらえれば良い。
 
 
「改憲は道州制に必要だから、争点にしたい」
そら、どんなことも最終的には繋がってるから、道州制に、あるいは大阪都構想にも、改憲は必要、といえば言えなくもない。
だが…詭弁に聞こえるのはワタシだけだろうか?
橋下改革を応援してるからこそ知りたい。
選挙の争点に「改憲」を押し出すことが、ホントに大阪のためになるのか。
信じていいのか?

Viewing all articles
Browse latest Browse all 2520

Trending Articles