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牛丼の値上げと近江商人の言葉

「ぎええええ・・・380円かよ」吉牛ファンが悲鳴
いきなり大幅値上げ発表の吉野家に明日はあるのか?

J-CASTニュース 2014/12/ 9
 
牛丼チェーン大手「吉野家」が牛丼の値上げを発表した。
並盛の300円が380円(26.6%値上げ)になることが分かるとネットでは
「ぎええええいきなり380円かよ」
「さすがにこれはやりすぎ」
などといった悲鳴が上がり、「もう食べに行けない」といった発言も出た。
 
値上げしなければならなくなったのは米国産の輸入牛肉の仕入れ値が昨年に比べ倍になったことが原因のようだが、吉野家ファンからはこうした急激な値上げで客数が減るのは必至であり、経営は大丈夫か?などといった心配の声まで挙がることになった。
 
「企業努力ではもう牛丼の水準を維持できない状態」
吉野家ホールディングスは2014年12月9日に並盛牛丼を現状の税込300円から380円に、大盛りを460円から550円に、特盛を560円から680円と80円~120円値上げすると発表した。
値上げするのは12月17日午後3時からで、この年末に、しかも値上げ発表から8日後の実施というスピードの速さから「相当切羽詰った状態なのか?」といった感想も漏れた。
 
吉野家ホールディングス広報に話を聞いてみると、値上げしたそもそもの原因は米国産輸入牛肉の高騰で、13年9月と現在では仕入れ価格が倍になっているのだという。
11年から12年にアメリカで干ばつがあり、牛に食べさせる飼料が高騰したほか、アジア市場で牛肉の需要が高まるなどしたことが価格を押し上げた。
なぜこの年の瀬に値上げしたかについては、検討に検討を重ねた結果であり、
「我々の企業努力ではもう吉野家の牛丼の水準を維持できない状態になってしまった。
価格改定に関しても牛丼の水準を最適なものに維持するためには、これだけの値上げが必要になっていました」
と同社広報は説明した。
 
 
 
 

買い手良し、世間良し、売り手良し/近江商人の言葉

転載元: ICT Business Online
 
取引が社会全体の幸福につながる
近江商人は、鎌倉時代から江戸、明治、大正、昭和の戦前にかけて活動した近江(滋賀県)出身の商人のこと。
大阪商人、伊勢商人と並ぶ日本三大商人の一つで、今日の大企業の中にも近江商人の系譜を引く方たちが数多く活躍している。
 
近江商人の特長は、外に出向いて商いを行った点。
江戸時代の商人は皆、幕府や藩の領民であったが、近江商人のみはこうした体制からはずれた、いわば自由商人としての立場を持っていたという。
 
この「買い手良し、世間良し、売り手良し」、「三方良し」の言葉は、他国行商を商いの中心とした近江商人だからこそのものといえる。
地縁、血縁などもちろんない他国へ出かけ、初めて会った人々の間に、例え自分たちが不在の間でも店を構えているのと変わらない信用を築くための、無くてはならない大切な経営哲学だったのだ。
 
企業は公のもの
この言葉の原典となったのは、江戸時代の中期に活躍した麻布商の中村治兵衛宗岸(なかむら じへえ そうがん)が書いた次の一節である。
これが明治時代、さらに簡潔にまとめられ、冒頭の三方良しの言葉として世間に広められることなった。
 
「たとへ他国へ商内に参り候ても、この商内物、この国の人一切の人々、心よく着申され候ようにと、自分の事に思わず、皆人よき様にと思い、高利望み申さずとかく天道のめぐみ次第と、ただその行く先の人を大切におもふべく候、それにては心安堵にて、身も息災、仏神の事、常々信心に致され候て、その国々へ入る時に、右の通りに心ざしをおこし申さるべく候事、第一に候」
 
これは次のように読み解くことができる。
 
他国に商いに出かけた場合には、その国のすべての人々に気持よく使ってもらうことをなにより心がけること。
さらに取引そのものが相手の利益になることを考えるべきだ。
自分の利益はあくまで、こうした商いができたあとの結果である。
自分の利益だけを考えて、一度に大きな利益を上げるようなことはせず、なによりも行商先の人々の立場を尊重することを第一に考えるべきだ。
 
 
思わず、毎日のようにニュースを騒がせている人々の顔を思い浮かべてしまうような言葉である。
目先の利益を求める余り、産地偽装、内容偽装、品質偽装など次々に起こる事件。
ほんの一時的に「自分良し」だけが達成され、その結果、お客様に被害を出し、世間の評判を落とすこととなっている。
しかもその「自分良し」には、ほんの一部の経営者しか入っておらず、自社の社員までも被害者にし、ただただ真面目に働いてきた多くの人々の働き口までも失わせることとなっている。
 
 「三方良し」の言葉を見るにつけ、この近江の偉大な先輩たちは、昨今の数々の出来事を見越していたのでは、とさえ思える。
そもそも物を売ることと、数あるものの中から商品やサービスを選び、買う人の意識の関係は、時代などには左右されない普遍的なものであるからかもしれない。
 
お客様のことを第一に。「三方良し」の言葉を借りなくとも、これは企業のポリシーとしてよく取り上げられる表現である。
しかし、これをただの理想として捉えている場合もまた多い。
だが結局のところ、この理想こそが商売を長続きさせることのできる知恵だということを改めて感じる。
 
この三方良しは、自分と顧客と社会の関係を説いたものだが、買い手の「良し」、
とともに「世間良し」を、自らの「良し」の前に位置づけたのには理由がある。
それは企業は公のものである、という考え方だ。
企業が相手のことを真剣に考えれば、相手から利益が戻ってくる以上に世間(社会)が良くなり、最後に自社(自分)が利益を得ることができる。
つまり社会に尽くすことを考えることのできる企業が、社会から評価され長く利益を上げられるということだ。
これからさらに重要なテーマになるであろう環境問題にさえ通じてくる名言である。

 
「三方良し」の三原則
「常に相手の利益を最初に考えること」
「企業は公のものであり、社会の利益も常に考えるべきである」
「自分の利益を最後に考えてこそ、商いは信用され、長続きする」
 
 

「買い手良し、世間良し、売り手良し」、「三方良し」の基本は、上記のポイント3点に集約される。
ネット販売など顧客の顔が直接見えない商行為が当たり前になっている現在こそ、他国で信用を得るために培われた、この近江商人の哲学から学ぶべきことは多い。
 
 
ライター 夏井誠(ナツイマコト)
 
 
今までずっと、価格競争で誰かが泣いてた。
(ダイエーの中内商法以降からだったと思うが…)
 
牛丼値上げで客が悲鳴を上げるのはわかるが、
この際、「三方良し」というよりは、「三方痛み分け」にしたほうが、
一時的にはキツいけど、長い目で見れば…

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