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大阪都抗争/藤井聡『都構想 知っていてほしい7つの事実』

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転載元 三橋貴明のブログ


■大阪都構想
知っていてほしい7つの事実

藤井聡
京都大学大学院教授、内閣官房参与


今年平成27年の1月,「大阪都構想」を実現するかどうかを決める,「住民投票」を行うことが決まりました.

住民投票の対象者は,現在の「大阪市民」です.

そこで,過半数が大阪都構想に対して「Yes」の意思表示をすれば,投票から約2年後の平成二十九年の四月から,いわゆる「大阪都構想」が実現することになります.

──しかし,大阪市民は一体,「何に」投票すべきなのでしょうか?

実は,そもそもこの点からして,大阪市民を含めた多くの方々が,ご存じないように思います.

ついては,ここでは,「大阪都構想」についての賛否はさておき,その判断に向けて大切な,いくつかの「事実」の情報を提供したいとお思います.

【事実1】今回の住民投票で決まっても,「大阪都」にはなりません.

実は,今度のいわゆる「大阪都構想の住民投票」で問われているのは,法律的に定められた,ある協定書に対する賛否なのですが,この協定書の中には,「大阪都」という言葉は一回も出てきません.
そこに出てくるのは,「大阪府」という言葉だけです.

これはなぜかというと,今の法律の中には,東京都以外の道府県を「都」に名称変更するということは定められていないからなのです.

したがって,住民投票でこの協定書が認められたとしても大阪都は実現しません.
大阪府は大阪府のままなのです.

【事実2】今の「都構想」は,要するに「大阪市を解体して五つの特別区に分割する」ことです.

さて,その協定書には,様々なことが書かれていますが,その中の最大のポイントが,この点です.

かつては,堺市や周辺の自治体も「特別区」にすることが構想されていたのですが,一昨年の堺市長選で,この都構想が堺市民から事実上「否決」されましたので,その構想それ自体が,「大阪市を解体する」ということだけになったのです.

つまり,今度の住民投票で問われているのは,この「大阪市を5つの特別区に分割すること」についての賛否,というわけです.

【事実3】年間2200億円の大阪市民の税金が市外に「流出」します.

さて,大阪市は今,数ある自治体の中でもトップランクに権限を持っている「政令指定都市」です.
ところで,政令指定都市,というのは,要するに,事業所税をはじめとした他の自治体にはない財源をつかいつつ,強力な都市計画=まちづくりの権限でもって,様々な取り組みを進める力をもった自治体です.

この強力な力こそが,大阪が関西,西日本の中心都市として発展してきた,決定的理由です.

大阪,関西の都心である大阪に手厚い権限を与え,キタやミナミ等に集中投資を行い,これをエンジンとして発展してきたのが,大阪という街であり,関西の活力の源泉だったのです.

ところが,都構想が実現してできあがる特別区には,この強力な権限がありません.

したがって,大阪市内で集められた大量の税金が,大阪市「外」に流出することになるのです.
その総額は,実に2200億円!

(※ 正確には2240億円.これは法定協議会の資料から,この数字が明確に試算できます).

もちろん,これは今,大阪市が担当している事業の一部が大阪府に引き継がれることになるので,その事業のための資金だと解釈できるのですが,2200億円の予算が大阪市外に流出し,それを現大阪市民の自治でその使い道を,現在の様に「管理」出来なくなるのは事実です.

これは大阪市民一人あたりにすると,年間約8万円.
つまり,都構想が実現すると,現在の大阪市民は,一人あたり年間8万円ものおカネの使い道を,自分で決められなくなってしまうのです.

そしてそれを通して,大阪はキタやミナミをはじめとした都心の核への投資が細り,徐々に大阪の「核」が衰弱して行くことが深刻に危惧されるのです──.

【事実4】流出した2200億円の多くが,大阪市「外」に使われます.

とはいえ,大阪市から流出する2200億円を管理する「大阪府」が,そのおカネをフルに活用して大阪市(特別区)にとって良いことをしてくれるのなら,現大阪市民は,都構想によって不利益を被ることも,大阪の中心核が衰弱していくことも無い,ということになります.
(行政的にはもちろん,そのように説明されています)

しかし残念ながら,都道府県の財政運営の「法的常識」から考えて,そういうことは起こりそうにありません──.

そもそも,「府」が,府内の核自治体から税金を一旦吸い上げ,その後に配分するのは,「所得の再分配」といって,自治体間の貧富の格差を埋めるために行われるものです.

だから,その2200億円が,これから(千早赤阪村や四條畷市等を含めた府内の)他の自治体に回されたり,あるいは,昨今財政が厳しくなった大阪府の財政のために活用されるようになる可能性も,十二分以上に考えられるわけです.

【事実5】特別区の人口比は東京は「7割」,でも大阪では「たった3割」

とは言えもちろん,もしも大阪市の人口が大阪府全体の多くの部分を占めているのだとすれば,大阪府が大阪市(特別区)のために,手厚い行政を展開することも考えられます.

しかし残念ながら──やはりそうはならないのです.

そもそも大阪の場合は,23区民が全人口の7割を占める東京都とは真逆に,特別区民となる現大阪市民の割合は,全体のたった3割にしか過ぎません.

だから,大阪知事は,東京都知事のように,特別区の住民の意向に特に手厚く配慮しながら行政を進めていくことは,そもそも不可能なのです.

そして大阪府議会においても,大阪市(特別五区)選出議員の数は全体の約3割で,残りの7割が大阪市以外の市町村からの選出なのです.

したがって府議会の議論は,東京都の様に,特別区の住民の意向を特に重点的に配慮したものとは,ならないのです.

つまり,「数の論理」から考えれば,東京都の様な,都心を特に重視した「大都市行政」は大阪においては期待できない,ということになるのです.

先ほど,大阪市から流出した2200億円のおカネは,大阪の中心核である大阪市のために使われる傾向は低いだろう,ということを申し上げましたが,こうした「数の論理」から考えても,そうなることは明白だと考えられるわけです.

(なお,この2200億円も,現時点での協議会資料ではそうなっている,というだけで,これからさらに拡大していくことも,十二分以上に想定されます)

【事実6】東京23区の人々は,「東京市」が無いせいで「損」をしています.

ところで,都構想について,次のような漠然としたイメージをお持ちかの方もおられるかも知れません.

(1)大阪市は今,疲弊している.
(2)東京23区は羽振りが良い.
(3)だから,大阪でも東京と同じような「特別区」にすれば,羽振りがよくなる.

しかしこれは,大きな勘違いです.
それは例えば「今,一番モテている奴は,いつも髪の毛がくしゃくしゃだ.
だから自分も髪の毛をくしゃくしゃにすれば,それでモテるようになる!」なんて考える様な愚かな話です.

そもそも,東京23区がもしも「東京市」だとしたら,東京都心はもっとさらに強烈な集中投資が進んでいるだろうことが明らかなのです.

もしも東京23区に「東京市」という,今の大阪市のような一つの「政令市」があったとしましょう.
政令市というシステムは,その内側の都市行政を保護する「保護システム」です.
したがって,政令市という保護システムさえあれば,その東京市には,今,「東京都」に召し上げられている,莫大な税金がそのまま残され,その結果,より豊富なおカネを自由に使うことが可能となります.

つまり,東京23区の住民は,政令市という保護システムがないせいで随分と「損」をしているのです .

大阪都構想の賛否を考える際,この東京23区の真実も,重要な意味を持つでしょう.

【事実7】東京の繁栄は「都」という仕組みのせいでなく,「一極集中」の賜(たまもの)です.

ではなぜ,現在の「大阪市」は疲弊しているのに,現在の東京23区が豊かなのかと言えば───

それは行政の仕組みの問題ではなく,そもそもの経済規模が全く違うのからなのです.

人口についても経済規模(GDP)についても,大阪市と東京23区との間には,実に四倍前後のもの巨大な格差があるのです.

これは,首都東京に,あらゆるモノが一極集中していることを示しています.
これが,東京23区の豊かさの秘密です.

その豊かさは,「都と特別区」という制度によってもたらされたものなのではなく,「首都」という特殊な事情がもたらしたものだったのです.

さらに言うならその豊かさは,「東京市」という政令市の保護システムがないせいで,自主財源が流出し,23区民が「損」をしたとしても余りあるほどの豊かさだった,という訳です.

ところが──大阪市はそもそも,23区とは比べものにならない位の「少ない」人口と,「少ない」GDPしかありません.

その結果,23区とは比べものにならないくらいの「少ない」自主財源しかもっていないのです.

にも関わらず,大阪市という,政令市の「保護システム」を解体すれば,大量の自主財源が流出し,大阪市民は,さらなる疲弊に苛まれるようになることは,決定的なのです.

・・・・

以上,いかがでしょうか?

大阪都構想に賛成するにせよ反対するにせよ,以上に紹介した7つの事実については,少なくとも十分に吟味した上で,ご判断いただきたいと思います.
実は都構想を巡っては,さらに重要な「事実」が様々にあるのですが,それについては,また別の機会にお話したいと思います.
本稿が,大阪の明るい未来に少しでもお役に立ちますことと,祈念いたしたいと思います.

サルメラ:

1から4は当たり前の話を悪意的に解説してるだけ。
名前なんか、都でもなんでもいい。
否定も肯定もできない話ばかり。

5については、大阪都構想は東京を反面教師としてマイナーチェンジも施されてる。
そして、それがダメなら、またさらに改善すればいい話。

6は、認識自体が間違ってる。
羽振りが良くなるなんてハナから言ってない。
公選区長がワケのわからない金の使い方をしなくなる、と言ってるだけ。
フェスティバルゲートの責任は誰がとった?
UFJは民営化して、大繁盛してるぞ。
これが現実。

7は現状維持派の後ろ向きな、
座して死を待つ典型。


■橋下徹VS藤井聡
都構想議論でバトル勃発ヽ(゚Д゚;)ノ?!
転載元 超個人的美学 15年01月29日

藤井聡さんが三橋メルマガに寄稿した記事に関して、橋下徹が例のごとくTwitterで発狂していました・・・(^^;

国家戦略特区BLOGのみぬささんも、今回の問題に言及しています


《『橋下徹よ飛田新地に帰れ!』

みなさんご存知だと思いますが、橋下徹氏は、飛田新地という大阪の売春地帯の顧問弁護士をしていた事で知られる人物です。
昨年は、桜井誠氏と意見交換と称してプロレスのマイクパフォーマンス並の下らない喧嘩をして、桜井氏の著書の売上げに大いに貢献しました。飛田新地に帰って欲しい大阪の恥部です。
http://ameblo.jp/minusa-yorikazu/entry-11982438142.html 》


現在も発狂状態は継続しているようですが、とりあえず、いくつかツイートを取り出すとこんな感じです。


転載元 「国家戦略特区」blog

2015/01/28
■橋下徹と藤井聡
『大阪市を解体するだけの大阪都構想・不都合な真実』


◆『2200億円のお金が消えます!』

三橋メルマガにて藤井聡氏が大阪都構想の解説を行っており大変興味深い内容でした。
簡単に説明すると、大阪都の概要とは、大阪市を5つの特別区に解体するもので、政令指定都市が持つ税制上の特権措置である2200億円分が失われるだけの組織改変に過ぎないと看破するものでした。

参考記事:【藤井聡】大阪都構想:知っていてほしい7つの事実

◆『官から民なのに官に拘る謎』

橋下氏らの発想は、いわゆる官から民へという政策だと思いますが、それではナゼ行政改革をすると経済が成長するのか説明になっていません。
民間の力で経済が発展するのなら、大阪市でも大阪府でも大阪都でも、大阪の発展に一切関係ないのではないでしょうか?
これを語るに落ちると言います。

◆『高木克俊氏のニコ生』

安倍晋三事務所への電凸で現在ニコ生配信停止中のカツトシ氏ですが、サブアカウントのニコニコ生放送を聞いていたら、どうやらこの件で、橋下徹が逆ギレしているらしいのです。
数年前に中野剛志氏への見苦しいTwitterストーキング行為を行った橋下氏ならあり得る話です。


◆『橋下徹の逆ギレ』

橋下氏のTwitterを覗いて見ると案の定、罵詈雑言が並んでいました。
しかし、橋下市長からの反論は、ただの一言。
『バカ』これだけです。
市長自ら莫迦である事を告白するような言葉の羅列は公人として完全失格です。
このような破廉恥な人物を市長に任じていることを、大阪市民には猛省して頂きたいです。

◆『橋下徹よ飛田新地に帰れ!』

みなさんご存知だと思いますが、橋下徹氏は、飛田新地という大阪の売春地帯の顧問弁護士をしていた事で知られる人物です。
昨年は、桜井誠氏と意見交換と称してプロレスのマイクパフォーマンス並の下らない喧嘩をして、桜井氏の著書の売上げに大いに貢献しました。飛田新地に帰って欲しい大阪の恥部です。

◆『公明党との裏取引』

一度は潰れかけた大阪都構想が復活したのは、議会で大きな勢力を誇る公明党が賛成に廻ったからです。
昨年12月の総選挙で橋下氏は出馬を表明しましたが後に撤回します。
衆院選で仮に橋下氏が立候補した場合、公明党の候補者のいる選挙区からの出馬は確実でした。
これに公明党が怖れを成したのです。

◆『大阪市解体の不都合な真実』

今回の藤井氏の大阪都構想の解説は、賛成も反対も表明するモノではありませんが、大阪都の正体が、大阪市の解体に過ぎないという事実を明らかにした功績は大きいと思います。
5月の住民投票までにこの不都合な真実を、徹底的に拡散する必要アリです。

◆『ネオリベが行政に拘る理由』

橋下氏と同じ思想で知られる、アベ政権の成長戦略や国家戦略特区などで謳われている内容を見ると、そんなモン勝手に民間企業がやればエエやろ?と感じる事ばかりです。
これが日本経済をダイナミックに成長させると思えません。
これが非常に不思議なのです。
一体ナニがしたいのでしょうか?

◆『要するに政府に寄生したい』

理由としては、政府や国民に寄生して金儲けがしたいという事です。
再生可能エネルギーは電気代から金を巻上げる仕組み。
PFIやコンセッションなどは、公的部門から民間にお金を流す仕組み。
労働規制の緩和は、人件費の抑制や人材派遣業の拡大。
農協改革も農業に参入したい企業の代弁です。

◆『官と民のベスト・バランスがあるだろう』

日本の長期低迷は、公共部門の投資不足が原因です。
20年近い構造改革路線は失敗に終わっています。
その完全に時代遅れの古臭いネオリベ思想を振りかざしているのが橋下氏なのです。
官と民の役割はそれぞれ異なっており、社会が安定して成長するには、そのベスト・バランスが有るハズです。

◆『公を解体して無秩序を目指すネオリベ』

そして重要なのは、政府や地方自治体を解体すれば、人々が生き生きと暮らせるという幻想や信仰が、思想的な背景としてあると思います。
このアナーキズムと表現して良いような、ネオリベ思想の恐ろしい実践が、大阪都構想の正体なのです。
大阪市民が喰われる前にこの現実を広く拡散する必要があります。
(引用終わり)
――――

まあ、論争に関しては、藤井聡さんが具体的な問題点を7つ指摘しているのに対して、橋下は、馬鹿だとか、土建屋とか、調子に乗ってるだとか、小学生レベルのレッテル貼りしか出来ていないという時点で勝負ありということで、ここで記事を終わってもいいんですけど、一応色々解説しておきます(笑)

【藤井聡】大阪都構想:知っていてほしい7つの事実
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2015/01/27/fijii/

《【事実1】今回の住民投票で決まっても,「大阪都」にはなりません.

実は,今度のいわゆる「大阪都構想の住民投票」で問われているのは,法律的に定められた,ある協定書に対する賛否なのですが,この協定書の中には,「大阪都」という言葉は一回も出てきません.

そこに出てくるのは,「大阪府」という言葉だけです.

これはなぜかというと,今の法律の中には,東京都以外の道府県を「都」に名称変更するということは定められていないからなのです.

したがって,住民投票でこの協定書が認められたとしても大阪都は実現しません.大阪府は大阪府のままなのです.

【事実2】今の「都構想」は,要するに「大阪市を解体して五つの特別区に分割する」ことです.

さて,その協定書には,様々なことが書かれていますが,その中の最大のポイントが,この点です.

かつては,堺市や周辺の自治体も「特別区」にすることが構想されていたのですが,一昨年の堺市長選で,この都構想が堺市民から事実上「否決」されましたので,その構想それ自体が,「大阪市を解体する」ということだけになったのです.

つまり,今度の住民投票で問われているのは,この「大阪市を5つの特別区に分割すること」についての賛否,というわけです.

おそらく、橋下にとってこの2点を指摘されただけでも、相当にストレスになったのではないでしょうか?一昨年の堺市長選では、都構想に反対する竹山氏が当選し、政令指定都市である堺市の選挙で堺市民から都構想が否決されたことになります。》

堺市長選 結果次第で維新「存亡の危機」 http://www.tokyo-sports.co.jp/nonsec/social/184320/

堺市長選結果の影響は維新だけにとどまらない http://huff.to/18HT3Iq

政令指定都市で反維新の市長が当選したということで、この堺市長選の敗北は橋下の影響力の低下が如実に表れたターニングポイントのひとつでありました。
さらに、この市長選の敗北で、当初予定していた「堺市や周辺の自治体も「特別区」にする」という広域的な行政改革が頓挫したということで、決定的な打撃を受けた敗北でもあります。

橋下は、「今回の住民投票で負ければ政界から身を引く」と発言しているそうですが、実際に身を引かずとも、今回の住民投票で敗北すれば、もはや、橋下の存在感も存在意義も無くなり、ただのイカレタTwitter芸人の座に落ちぶれることになるでしょう。
それを理解しているからこそ、今回これほど発狂しているのだと思います。

《【事実3】年間2200億円の大阪市民の税金が市外に「流出」します.

さて,大阪市は今,数ある自治体の中でもトップランクに権限を持っている「政令指定都市」です.

ところで,政令指定都市,というのは,要するに,事業所税をはじめとした他の自治体にはない財源をつかいつつ,強力な都市計画=まちづくりの権限でもって,様々な取り組みを進める力をもった自治体です.

この強力な力こそが,大阪が関西,西日本の中心都市として発展してきた,決定的理由です.

大阪,関西の都心である大阪に手厚い権限を与え,キタやミナミ等に集中投資を行い,これをエンジンとして発展してきたのが,大阪という街であり,関西の活力の源泉だったのです.

ところが,都構想が実現してできあがる特別区には,この強力な権限がありません.

したがって,大阪市内で集められた大量の税金が,大阪市「外」に流出することになるのです.

その総額は,実に2200億円!
(中略)

そしてそれを通して,大阪はキタやミナミをはじめとした都心の核への投資が細り,徐々に大阪の「核」が衰弱して行くことが深刻に危惧されるのです──.

【事実4】流出した2200億円の多くが,大阪市「外」に使われます.

とはいえ,大阪市から流出する2200億円を管理する「大阪府」が,そのおカネをフルに活用して大阪市(特別区)にとって良いことをしてくれるのなら,現大阪市民は,都構想によって不利益を被ることも,大阪の中心核が衰弱していくことも無い,ということになります(行政的にはもちろん,そのように説明されています).

しかし残念ながら,都道府県の財政運営の「法的常識」から考えて,そういうことは起こりそうにありません──.

そもそも,「府」が,府内の核自治体から税金を一旦吸い上げ,その後に配分するのは,「所得の再分配」といって,自治体間の貧富の格差を埋めるために行われるものです.

だから,その2200億円が,これから(千早赤阪村や四條畷市等を含めた府内の)他の自治体に回されたり,あるいは,昨今財政が厳しくなった大阪府の財政のために活用されるようになる可能性も,十二分以上に考えられるわけです.

【事実5】特別区の人口比は東京は「7割」,でも大阪では「たった3割」

とは言えもちろん,もしも大阪市の人口が大阪府全体の多くの部分を占めているのだとすれば,大阪府が大阪市(特別区)のために,手厚い行政を展開することも考えられます.

しかし残念ながら──やはりそうはならないのです.

そもそも大阪の場合は,23区民が全人口の7割を占める東京都とは真逆に,特別区民となる現大阪市民の割合は,全体のたった3割にしか過ぎません.

だから,大阪知事は,東京都知事のように,特別区の住民の意向に特に手厚く配慮しながら行政を進めていくことは,そもそも不可能なのです.

そして大阪府議会においても,大阪市(特別五区)選出議員の数は全体の約3割で,残りの7割が大阪市以外の市町村からの選出なのです.
したがって府議会の議論は,東京都の様に,特別区の住民の意向を特に重点的に配慮したものとは,ならないのです.

つまり,「数の論理」から考えれば,東京都の様な,都心を特に重視した「大都市行政」は大阪においては期待できない,ということになるのです.》

ここも、決定的に重要で、要は大阪市を5つの特別区に分割することで、それまで持っていた政令市の特権が失われ、予算の権限も失われるんですね。
橋下は、「大阪府で大阪市を支えることになるのだから、藤井の指摘は的外れだ!!」と反論しているのですが、すでに、藤井聡はその反論に対しても先手を打っていて、仮に、都構想のプランがそのように予定されていたとしても、大阪市の持つ、行政的な権限が、相対的に小さい(有権者数、議会議員数で3割程度)なので、実際に予算を分配する段階で、大阪市に優先的に予算を分配することが不可能だと指摘しているのですね。

なので、橋下の「藤井はバカだから都構想の設計図を読んでいない」という反論にもならないような反論も的外れで、藤井聡さんは、大阪都構想の内容をよく理解したうえで、その構造上の欠陥を指摘しているワケです。

(ちなみに、言うまでもなく私は都構想の設計図など一度も見たことはないですが 笑)

まあ、なんにしても、橋下が相当追い込まれているのは確かですね。
要は、最初の都構想で広げた大風呂敷を堺市長選の敗北によって畳まなければいけない事態に陥り、さらに、実質的に自らの政治生命を掛けて、都構想(という言い方は正確ではないので大阪市5分割構想とでも呼ぶべきだと個人的には考えていますが)について大阪市民に住民投票で是非を問う時点で、今回の都構想が「どれだけ、大阪市民にとって不利益であるか?」という問題について暴露されているわけですから。

以上の点を踏まえれば橋下が今回の議論を戦争と呼ぶのも納得できます。
要は、橋下からしてみれば、
「藤井とかいうけしからん学者が俺の政治生命を終わらせにかかっている!!
これは戦争だ!!」
てな感覚なワケでしょう。
まあ、こんな詐欺師はさっさと政界から去ってほしいと切に願います。

まあ、もっとも、この詐欺師が政界からいなくなっても、上品な橋下とでも呼ぶべき安倍晋三とかいう別の種類の詐欺師が首相をやっているワケですが・・・(^^;


以下の記事は、2年前のもの。
念のため。
当然、藤井氏は大阪都構想のことなんか、何もわからずに言ってる。

【関連記事】↓


転載元 『三橋貴明のブログ』

【藤井聡】橋下維新を恐れる理由
2012/11/13

藤井聡@京都大学:

小生が子供の頃に比べると,
この世の中,ホントに「出たら目」になったものだなぁ...と
しみじみと思う事が,ホント増えてきました.

「出たら目」,というのは,
サイコロを振って「出た目」に基づいて決めていく,
という意志も理性も何にも無いメチャクチャな話を言うものです.
こんな「サイコロの目」に基づいて物事を決めていく様な「出たら目」は,
他愛もない子供の遊びなら,まぁ別に構いませんが,
人の生き死に,企業や都市の存亡,そして,「国家の命運」に直結する
「政治」
の舞台でやられたんじゃあ,たまったものではありません.

そんな「サイの目政治」をやれば,
2年や3年で,地域や都市がダメになったり,
外交がメチャクチャになったり,
たくさん会社が潰れたり,
色んな人が貧乏になったり失業したり,
そして,たくさんの人が死んだりすることとなります.

...で,実際,今の日本はそうなっちゃったわけです.
言わずもがなですが,民主党さんのお陰です.
「トラストミー!」やら「最低でも県外!」やら,
「サイの目級」の発言例には事欠きませんが,
その中でも最大の「サイの目」は「マニフェスト」でありました.
多くの皆さんは,次のような記事をご覧になったものと思います.

「マニフェスト全面謝罪へ…民主、見通し甘さ認め」

もう小生はこの記事を見たとき,
(ハクション大魔王のワンシーンあたりにありそうな)
「おデコにヤカンを乗せたら一瞬で沸騰する」くらいに,
腹がたって腹がたって仕方なくなっちゃいました.

(※ 馳浩先生なら,
「てめぇ,なめてんじゃねぇぞ,コノヤロォー!」
と絶叫しながら,ジャイアントスイング32周かますところです.)

理由は言わずもがな,でありますが...

そもそも,「最低でも県外」だの「地方主権」だのというマニフェストはいずれも,
ほとんどマトモに実現できるもんじゃないし,
無理してやればメチャクチャに国益を毀損することは,
人の言うことに少しでも耳を傾ける態度さえあれば,
誰にでも分かるような代物でありました.
(※それはいわば,例のウソツキさんの維新イヨカン….
じゃなくてハッサクと同じ様なものだったわけです)

そんな事を,さんざん色んな人が指摘していたのに,
当時の民主党は皆,
「このマニフェストは練りに練った立派なモノなんです!」
なんて事を,偉そうに言いまくってたんです.

しかも,政権交代を果たした直後には,新米の大臣達が,
そのマニフェストを片手に持ちながら,官僚の皆さんに,
「ある意味では、国民と新しい政府との契約書、あるいは命令書!」
なんていけしゃぁしゃぁと,「ドヤ顔」で言いまくってたんです.

で,そんないい加減なマニフェストだかなんだかを適当に使いながら,
「サイコロの出た目」で決めるような政治をやりつづけて,
日本の内政も経済も外交もメッチャクチャにしてしまったのが,
この3年間だったわけですが,あろうことかその挙げ句の果てに,

「あっ,そうそう,こないだいってた,あのマニフェスト,
あれウソだったのよぉ…..ごめんちゃいねぇぇぇ」

「えぇぇぇぇ,おこってるのぉぉぉ?
もう,そんなことでいちいち,おこんないでよぉぉ,
ゆるしてよぉ,もぉ…あなた,ちっちゃいなぁ」

「だからさぁ,こんどの選挙ではね,
ちゃんと一票いれてちょぉだいねぇ キャハ!」

….って….

「オメェ,きもちワリぃんだよぉ!!!」
.…..なお話が,
今回の「マニフェスト全面謝罪へ」なる報道なわけであります.
....

とにかく!
政治家と言論人は,自分の一言一言の言葉に,責任を持たねばなりません.
政治家のデタラメは,人を殺します.
言論のデタラメもまた政治を動かし,同じく人を殺すのです.
だから,政治と言論のウソは絶対に許してはならないのであり,
政治と言論において出鱈目な言葉を吐く輩の罪は,
本来「死を持って償ってもらわねばならぬもの」なのです.
....

ですが,こういう「感覚」が今の日本人の精神の内から,
あらかた消滅してしまったんですねぇ.
....

その結果,
デタラメな言葉を吐く「言論人」が,どれだけデタラメをはき続けても
人々の尊敬を集め続けるようになってしまいましたし,
「マニフェスト全面謝罪へ」なぞという
「おいら詐欺をしてアンタから金品を奪ったんです,ごめんちゃい」
みたいな報道があっても,
「あっ,そうなんだぁ,ふーーん」
ってな感じで別に怒るでもなく,
みんな何も無かったように普通の暮らしを続けてしまう様な国に
なってしまったわけです.

だからこそ!
筆者は「橋下維新」を恐れているのであります.

それは,橋下徹という小人物に対する恐れではありません.

筆者が恐れているのは,
橋下徹という「弁護士と政治家はウソつきのはじまりなの!」と言って憚らない
デタラメな詐欺師紛いの人物のデタラメっぷりに頓着せず,
そんな人物に政治的権力を付与させてしまいかねない
「大衆」
に恐怖しているのです.

いうなればこの「大衆」は,
「民主党政権を樹立させた」という「前科」を持つ「犯罪者」です.

角田美代子一家と同じように,
何をしでかすか分からない「犯罪者」ほどに,恐ろしいものはありません.

しかもこの犯罪者,角田美代子一家なんか目じゃ無いくらい強い.
それはもう神話に出てくるクラーケンやタルタロス級です.

そもそも角田美代子は,
国家権力でとっつかまえて,処罰することができます.
が,この「大衆」だけは
国家権力でとっつかまえて処罰できまないんです(!).

なんといっても,この「大衆」,
今や国家権力それ自体を牛耳ってるわけですから,
そりゃもう,無理ってもんですね(笑),

いやもう,ここまでデタラメになったら
後はもう笑うしかない!
ガッハッハッハッハッハッハッ!!
...なところですが,

まぁ,笑ってばかりいても仕方ないので,
こんなメルマガ書いてみた次第であります(笑).

ということで,皆さん!
自らの精神の内にも潜みかねぬ犯罪者まがいの大衆根性に気をつけつつ,
身の回りの犯罪者に十分に気を付けながら,
今日も一日,ムカツクべきモノに正しくムカツキつつ,
他人のデタラメの滑稽さをヒィヒィ笑い飛ばしつつ
楽しくやって参りましょう!
ではまた来週!!
京都大学 藤井聡
http://www.facebook.com/Prof.Satoshi.FUJII?ref=ts

PS
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その正体がわかります。
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以下、amazonの内容紹介より。

「リセット」とか「ぶっ壊す」とか胡散臭いと思った人の直感は正しい。
なぜ日本は1997年から成長できなくなったのか。
「改革」は誰を利するのか。
利したのか。
国土計画、マクロ経済政策、新幹線整備……
日本のど真ん中で経済成長を牽引した
各界の権威の証言を引きながら
「改革」の真実と
「日本弱体化」の構図を明らかにする。

【主な目次】
×第一章 日本を財布と見なす「アメリカ」
×第二章 日本の成長を阻む「狂った羅針盤」
×第三章 日本をダメにした「行政改革」
×第四章 「次世代投資」を阻むマスメディア
×第五章 日本を狙う「反成長イデオロギー」
×第六章 維新で踊るダメ人間

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