朝日新聞・橋下番
@asahi_hb 橋下徹・大阪市長の取材を担当する朝日新聞大阪社会部の記者たちがつぶやきます。
【8月6日】維新塾の名簿流出の件。週刊ポストの維新に対する取材がきっかけです。週刊ポスト側から週末、維新幹部に対し、維新政治塾生約900人の名簿を入手しているとの取材が入り、維新は4日の幹部会合で対応を協議。名簿は維新の本部に補完され、塾の運営にかかわる一部幹部にしか配布されていないとのこと。流出の経緯はまだ特定されていません。維新はこの事態を受け、 維新幹部らが4日の政治塾で、塾生らに塾生名簿が外部に流出した問題を謝罪。塾運営委員長の浅田均府議は、橋下氏と協議し、経緯や原因について内部調査を決めました。浅田氏はその段階で、報道陣に「大変申し訳ない問題で、場合によっては警察に被害届を提出する」と言明。
週明けの6日、まず維新幹事長の松井氏が塾生名簿が流出問題で発言。報道陣に「非常に申し訳ない。責任を感じている」とし、名簿については「維新の会の資料と同じものだと確認している」「本部のパソコンの中に入っているもので、取り出すには本部のパソコンからしかない」と説明しました。松井氏はまた、塾生が所属する会社や団体に対し「説明が必要であれば、我々が出向いてでも理解を求める」とも発言。6日発売の週刊ポストに塾生888人全員の名前や職業を掲載されています。会社などには伏せて政治塾に参加していた人もいたため、松井氏は塾生に迷惑をかけたことを認めた形です。松井氏は6日、事務スタッフや所属メンバーの聞き取り調査を進めて原因を追及するとともに、今後、維新の会で資料を求める人たちに署名・押印してもらい管理を徹底する考えも示しました。そして、橋下氏は本日7日、この件について報道陣の質問に答えました。橋下氏「まず塾生の皆さんには大変申し訳ないと、謝らないといけない。維新の会の情報管理体制に問題があったことも間違いない。ただ、週刊ポストは報道機関として、候補者になりうるメンバーの情報だから報道価値があると。公共性、公益性の観点から、報道する理由はあったと思う。維新の会の内部で『報道機関に対応措置をとるべきでは』という議論もあったが、週刊ポストに対し維新の会が何かをすることではない。リストの個人(塾生)が報道機関に何か行動を起こすことは各自の判断だが、維新の会サイドとして抗議するとか、対応することではないと幹部の中で確定した。それから今回の問題では刑法上の罪名というのが見あたらない。被害届も出さないでおこうと。あくまでも純粋に内部の問題として対応しようと決めた。今やるべきことは、調査を徹底すること。情報を出した者を特定するところまでいくかはわからないが、しっかり調査をすることが一番。その(調査の)指示を出しました。ポストの記事を関係者がみれば『うちの社員じゃないか』『うちの党の所属地方議員じゃないか』と分かるから、そこで何か問題があれば、維新の会としてメンバーをサポートする必要がある。内部調査と塾生へのサポートをしっかりやっていく。今回の件は、維新の情報管理のずさんさを指摘される問題になりました。ただ、一方で国政進出に向けて準備を着々と進めています。4日の維新政治塾の講義では、9月15日に塾生による街頭演説を大阪市内で実施する方針を伝えた。当初は10月の予定でしたが、政局の流動化をにらみ前倒しを決めました。維新の会は、衆院選候補の選定については、塾とは別に候補者の公募を実施して選ぶ予定です。このため、政治塾生からどの程度の候補者を擁立させるかも決めていません。ただ、塾生の中には実際に衆院選候補者になれるかは別にして、維新の動きに先んじて乗ろうとする動きも出ています。その一例です。神戸市垂水区選出の県議新原秀人氏(自民)は先週の1日、県議を辞めました。新原氏は維新政治塾の塾生で、朝日新聞の取材に対し、「維新塾に専念する。恩義のある自民党に筋を通すため辞めた」と語りました。新原氏は取材に「国政の立場からこの国を改革するため、次期衆院選に立候補したい気持ちはある」と話した。ただ、大阪維新の会の候補に選ばれるかどうかは、選挙区も含め未定。このため「選ばれなかったとしても、スタッフとして次期衆院選で大阪維新の会を支えたい」と話しています。【8月10日】続いて、愛知県の大村知事が昨日、衆院選に向けた政治団体「中京維新の会」を設立していた件。大村氏は昨日朝、記者団に会の設立を発表。愛知、岐阜、三重、静岡4県で小選挙区候補者を公募し、大阪維新の会や減税日本(代表・河村名古屋市長)などと連携に向け協議する意向を示しました。 #維新この件について、大阪維新の会代表の橋下市長は昨日、記者団の質問に答えました。記者「大村さんから連絡は」。橋下氏「そういうことをやると聞いてはいました」。記者「どう返事されたか、連携といったことは?」。橋下氏「政治的な話は何もしていない。(連絡は)確かショートメールで来たと思う」。記者「グループができることをどう思うか」。橋下氏「僕らは大阪維新の会でやれることをしっかりやる」。記者「中京維新の会と、維新の名前を使うことは」。橋下氏「これは僕らが止められないので。何の権利も持ってませんから。それぞれの地域政党でどういう名前を使うかはもう仕方がない」。記者「名前を使われるのはいい気持ちではない?」。橋下氏「僕らが権利を持っていないのに他人様が使うことにどうこう言えない。完全に選挙目当てで名前を使われるのは勘弁してよと思う。ただ、今この段階で維新の会は一般名称化されてるから、誰が使ってもとやかく言えるような問題ではない」。記者「以前、大村氏らの中京都構想に苦言を言っていたが、中京維新の会と大阪維新の会とは関係ない?」。橋下氏「今のところはそうです。大村さんたちがどういうものを出されるか。中京維新の会でどんな政治グループの綱領、価値観を集めたものを出されるか、その一点にかかっている。早く大村さんに(政策を)出してもらって、大阪維新の会とどう違うのか、公の場で議論できるような環境にしたい。いろんな政治グループが各地にできることは大いに歓迎ですから、全国各地の地域の政治グループが僕らがやっている維新八策のようなものを早く出すべきだ」。東海地方の記者「中京維新の会ができることで、うちの読者には大阪維新の会の中京支部ではないかと思う人もいる。橋下氏を応援したいからそのグループに入るようなことになりかねないと思うが」。橋下氏「それは分かりません。中京地域の方々でどれぐらい僕らを応援してくれる方がいるかは分かりませんが、大阪維新の会を応援してくださるのなら大阪維新の会に入っていただきたい。まだ大村さんや河村さんのところと政治グループ的にきちんと協議をして話を進めているわけではないから。(中京維新と大阪維新は)それぞれ別個です。それぞれ別に今やることを決めている段階ですから。これはそれぞれ独立ですとしか言いようがないですね」。一方、大村の動きに名古屋市長の河村氏は反発しています。公務で米国出張中の河村氏は昨日、文書でコメントを発表。大村氏による中京維新の会の設立について、「まったく知らされていない。このようなやり方は信じられない」と非難。今後についても「大阪維新の会とは連絡を取り合っているが、このような連携はありえない」と表明しました。続いて、8月から就任した大阪市の公募区長のひとり、榊・淀川区長がツイッターでフォロワーからのRTに「あほ、暇人」などと反応した件。9日の橋下氏の会見で見解を聞きました。記者「区長がツイッターやフェイスブックなどで情報発信をしている。中には一般人に『あほとか暇』とかつぶやいている」。橋下氏「それはだめですね。(同席していた市幹部に)注意しておいてもらえますか。ツイッターは一般市民も入ってこられて、新聞やテレビとは違う。
メディアの中で意見を言う発言者に反応するのはありだと思うが(区長は)公選職じゃない一般職。ツイッターで有権者が何か言ったとしても、バカとかあほという言葉遣いは許されない。注意します」。記者「市の一般職員があほとか暇と言えば大変なことになる」。橋下氏「処分を含めて検討する」 。
続いて、橋下氏らが実現をめざす大阪都構想を後押しする「大都市地域における特別区の設置に関する法案」が10日午後の衆院本会議で可決され、審議の舞台は参院に移りました。お盆明けに参院で審議が順調に進めば、今国会中の成立は確実な情勢です。法案成立に向けた国会の動きに連動する形で、橋下氏は今秋にも、大阪市を特別区に分割する区割り案について、複数の市長案をまとめる準備を始めました。当初から想定していた人口30万人程度の8~9区に分割する案のほか、50万人程度の特別区を計5区つくる案も検討しています。
橋下氏が区割り案作成を急ぐ考えを示したのは、今週半ば、7日に非公開で行われた公明党市議団幹部との会合です。教育・職員条例や市職員の政治的行為制限条例に続き、維新・公明連合による市議会での多数派形成をまず念頭に置いた布石と言えそうです。
公明党など他党・他会派との関係については、9日の記者会見でも質問しました。記者「市議会では公明と頻繁に会談している。公明が条例や政策の正否を握るからか」。橋下氏「もちろん正直に言えばそういうところもあるが、公明党さんは全部が全部僕のやることについて賛成ではない。維新の会も僕のやることについて全部賛成ではない。ただ、中身については言いたいこと言わせてもらうというスタンスを公明党さんがはっきり示していますから、議論しようと市長就任後からやっている。選挙で相手方と戦うわけですから、それは感情的になる。感情は残り、橋下とは絶対に人間的につきあいたくないが、背後にいる有権者が示した方向で乗らなければいけないというのが、政治だと思う。それを公明党さんはしっかりやってくれている。大阪市議会でも、公明党は大きな方向性に乗っかった上で細かなことを議論しましょうと言っている。共産党の場合は僕自身の存在を否定しているから、なかなか議論は難しいけれども、できたら自民党や民主党さんの方とはうまく細かな詰めの話をさせてもらえればと思っている」。【8月15日】ここ数日話題になったのは、橋下、松井両氏が11日、民主党の松野頼久、自民党の松浪健太の両衆院議員らと会談した件。両氏ともそれぞれの党執行部に批判的で、「離党予備軍」と目されているためです。他紙の報道では、維新側に合流する現職国会議員の一角として「本命視」向きもありました。この件、朝日としては本日の朝刊で取材結果を詳報いたしました。要約しますと、維新が他力本願ではなく、自前で現職国会議員を取り込む形で今月内にも新党結成準備をスタートさせる→連携相手の「本命」は自民の安倍晋三元首相→維新の狙いは保守勢力を軸にした政界再編、となります。国会議員が所属していない維新にとって、新党結成の最初のハードルは政党要件を満たす国会議員5人の確保です。ただ、この人数に関して言えば、維新に合流・連携を打診している国会議員は少なくとも20人にのぼり、クリアするのは容易と思われます。
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