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「維新伝心」で読む4

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古賀茂明氏・渡辺善美氏 週プレ大学講演会

7月16日
7月14日、週刊プレイボーイの主催で古賀・渡辺両氏の講演・対談会が開かれました。
プレイボーイって意外にも、政治特集もしているんですね。
 
「社会保障と税の“不一体”改革で20代を襲うこれだけの不利益!!」
「橋下・大阪維新が20代にもたらす“天国と地獄”」
 
若者の政治離れが指摘されて久しいですから、若者が好む媒体で政治への関心を高めていただきたいですね。
 
その一環か、週プレ大学として講演会が開かれましたので、参加してきました。
古賀氏は民主党も問題だが、日本の低迷は自民党時代のものと指摘。
「自民党4つの大罪」として
①900兆の大借金をつくり、シロアリの温床をつくった
②少子高齢化への対策を怠った
③日本を経済成長できない国にした
④原発依存のエネルギー体制
を挙げておられました。
 
渡辺氏は、「歴史・改革の非連続性」という軸で講話をされていました。
中央集権による官僚統制。
規制する側がされる側にとりこまれての政・官・財の癒着。
電力会社との力関係など最たるものですね。
戦後統治のためにはじまり、今なお改革が進んでいない。
行革大臣を務めた安倍政権の「戦後レジームからの脱却」の理念を
今でもお持ちであることがわかりました。
戦後レジームからの脱却として、中央集権と既得権益の打破が必要です。
維新八策に通じる改革理念ですね。
 
小泉改革・安倍改革→みんなの党→維新の会と改革の志は脈々と受け継がれています。
 
参加者からマニフェストの見極め方という質問があり、バラマキではなく、農協・医師会・労組などにとらわれない政策を打ち出しているか、「既得権益と闘う成長戦略」が出されているかチェックしてほしいとのことでした。
 
4%のGDP名目成長があれば、増税の必要はなく、プライマリーバランスも早期に改善されるとのことでした。
 
生臭い質問として、第三極の連携に対しての質問がありましたが、
「誰と組むか」ではなく「何をやるか」だ、と渡辺代表もおっしゃっていました。
みんなの党は改革のためのベンチャー政党だとの発言もありました。
ベンチャー企業にM&Aがあるように、政党も連携・合流はありうる、とも。
維新の会とみんなの党は理念が非常に近く、共闘できると改めて確信しました。

 

「なぜ、日本はTPPに参加すべきなのか?」

7月17日
古賀氏、渡辺氏による講演・対談会で、司会の方からいい質問が。
「TPPは賛否両論ありますが、お二人の意見は?」
維新の会も「TPP賛成」の立場です。今回は両氏の見解をもとに、
「なぜ、日本はTPPに参加すべきなのか?」を解説します。

まず、TPPに入ると危なくなる業界がある、というTPP反対論に対して。
第一に上がるのは「農業」ですね。
古賀氏いわく、
「TPPに関係なく、改革をしなければいけない業界である」とのこと。
他国に言われる以前に、日本が自分で改革をしなければいけない、ということですね。
 
農業の例なら、減反政策など非効率な政策が引き続いていること、
戸別保証制度で兼業農家に手厚く補助金が出るものの、法人の参入は著しく規制されていること、
農協が独占禁止法の適用外となること等で、一向に産業の転換が進んでいません。
食糧自給率が指標としてあがりますが、なおさら農業の効率化を進めなければいけません。
 
医療の「混合診療自由化」なども、日本単体で改革しなければいけない話です。
(言うまでもなく、国民皆保険制度がなくなるというのは完全なデマです)
 
その上、実は外交交渉でも日本は勝ち続けており、
「牛肉・オレンジ問題」や「ウルグアイラウンド」なども猛反対がありましたが、
結果、和牛やさくらんぼはブランド価値があがり、以前よりも生産量が上がっているのです。
 
むしろ、TPPでは米国の自動車業界が日本の参加に反対しているそうです。

もうひとつ、アメリカの属国にされてしまう、といった「アメリカ陰謀論」。
 
ISD条項など、外交条約は憲法よりも優先される、と危険視されています。
これらは「途上国の反対理論」に過ぎません。
 
過去のFTA交渉でも、日本はISD条項を自ら取り入れています。
途上国が都合の良いように自国の法律を改変するのを防止するためです。
渡辺氏は、反対派は論理があまりにも飛躍している、と指摘しています。
遺伝子組みかえの有無の表記が消される、といった俗論に対して、
過去、EUと組んではねつけた実績があると一蹴されておられます。
アメリカ対日本との二国間ではなく、オーストラリア・カナダといった先進国が加わり、交叉連合(cross coalition)の形成で、例外交渉をしていけばいいとのことでした。
このあたりは例外なき関税撤廃が批准後直ちに行われる、といった誤解が多そうですね。
 
関税自由化は、批准化してから15年後の話です。
そして渡辺氏が強調していたのは、対中国の問題。
彼らは中華思想という、「自分たちが文明の中心」という絶対的価値観があります。
著作権無視の海賊版容認に始まりレアアース輸出禁止措置や領土問題に至るまで、国際法を遵守しません。
日中韓FTA交渉、あるいはASEAN+3なども同様ですが、
あらかじめTPPで世界のデファクトスタンダードを築き、
それから中国と交渉したほうが有利となる、という見解です。
 
TPPはアメリカに限らず、多国間で合意形成されていく利点があります。
時間の制約もありましたが、両氏のTPP賛成の説明でした。

なお、維新の会は、「競争力を重視する自由経済」⇒「自由貿易圏の拡大」という上位概念のもと、TPP参加、FTA拡大という基本路線を打ち出しています。
自由貿易圏拡大のメリット考察は、ブレーンでは高橋洋一氏の書に詳しく説明されていますね。
 
また橋下代表のツイッターでは、「TPP交渉参加に賛成」という表現です。
ISD条項などをそのまま飲むわけにはいかない、日本に良いルールになるよう踏ん張れ、それが出来ない日本の政治・行政なら正すべき、日本の血管のつまりを直さなければいけない、といった内容が続きます。
 
TPP論議を利用して、権力闘争を打ち破る政治エネルギーに変えていくという意味合いです。
既得権益を打破する構造改革の一環ですね。
 

日本経済こうすれば復興する!

7月18日
タイトルは竹中平蔵氏の本です。
本書の特徴は、経済論争や政治討論に蔓延する「ウソ」をあばいていることです。
増税問題、TPPの是非、成長戦略…それぞれのポジショントークにきっちり反論しています。
 
例えば、「小泉改革で格差が拡大した」という民主党のネガティブキャンペーン。
私も地方出身者ですので、大型店舗が出来た代わりにシャッターだらけの商店街をみて、規制緩和が進み過ぎて格差が広がったなぁ…、などと安易に感じてしまっておりました。
 
ところがジニ係数(賃金や所得の分配にどのくらいの隔たりがあるかを示す)等を見て、ちゃんと調べると、小泉政権時は景気回復していたので、むしろ緩やかになっています。
 
国民の肌感覚としても、好景気であれば幸福感が高く、格差も気にならないですね。
 
では、格差が生まれる根本的原因は何か。
IT化やグローバル化もありますが、一番の原因は「高齢化社会」です。
新社会人では横一線でも、定年時には大きな差が開くのは当たり前の話。
人口ピラミッドが歪になると、各種指標にも影響を及ぼします。
(先の商店街の例だと、廃業しているのは高齢者の方で、やる気のある現役世代は大型店の中に出店してたりします。転職した人も含め、地域の経済活動としてはより合理化され効率性が向上しています。)
 
「地方交付税の減額で、地方経済が衰退した」という批判も同様で、
因果関係を分析するとまったく別の原因であることがわかります。
本書を読んで経済を数字でとらえるだけでなく、因果関係を正確に把握する必要性を感じました。
政治家としての必須スキルですね。

 
 

橋下市長の「不倫騒動」どう思います?

7月17日
ライブドアのブログネタが、橋下市長の「不倫騒動」どう思います?となっていました。
関東の放送では芸能ニュースのくくりの中で、この話題ばかり放映されています。
 
さすがに食傷気味の中、関西では「たかじんのそこまでいって委員会」で大阪維新の会の特集が放送されました。
松井知事、古賀茂明氏、中田宏氏のお三方が出演されていました。
内容も維新の国政進出、地域分権の是非、大阪改革と非常に興味深いテーマでした。
 
そこで維新政治塾も取り上げられていたのですが、辛坊氏いわく、
「塾生はみんな国会議員になりたいと思って集まってるのだから、
『国政出ません』では収まりがつかないでしょう?」と。
ここは塾生の一人として、そんな事はないです!!と主張したいと思います。
 
塾に通えばバッジがもらえる、なんて甘ったれたことは考えていませんよ!
大事なことは、この国の改革をすること。
大阪から日本を変えていく事です。
そのために何をしなければいけないか?
維新の政策を国政に反映させていくために、政治理念の一致するグループで過半数を取る、という戦略があります。
そして選択肢の一つとして、300選挙区に維新自らの候補者を立てる、という戦術があるのです。
その手段として「維新政治塾」という組織が準備されたわけです。
 
国政進出という選択肢に現実味をもたせる事が何より重要なのであって、その結果として「戦わずして勝つ」ことが出来れば、それは最高の戦果です。
大阪都構想法案の5党間合意などは理想的な展開ですよね。
解散総選挙の前に国を動かす、その圧力に維新政治塾の存在が役立ちます。
 
次に、実際に維新の会が国政選挙に打って出るケース。
古賀氏は、維新八策の「既得権益と闘う成長戦略」が踏み絵となるので、既存政党は維新に乗れないだろうと分析されていました。
この場合でも、あくまで戦略は維新の会と連携した政党連合での過半数の確保。
現実的に見れば、連携先との選挙区分担や改革派議員を引き入れての公認が有力な戦術です。
関東であればみんなの党との競合を避けるのも当然でしょう。
 
そもそも橋下チルドレンが大量当選したとして、きちんと国政運営できるのか?という批判は全否定しえません。
当然、選挙後を見据えての公認人事になるでしょうから、維新政治塾からバッジをつけるというのは相当にハードルが高い、と覚悟すべきです。
 
そして主張したいのは、維新政治塾生はその事もちゃんとわかっていますよ、ということ。
私は、戦略・戦術・戦闘の中の舞台装置であっても、日本の改革につながるならば良いと思って、埼玉からはるばる大阪に足を運んでいるわけです。
「国会議員になりたい!」ではなく、「日本を変えたい!」なんです。
 
何万人も集まって脱原発のデモ行進をするよりも、900人弱の塾生が大阪に結集する方がよっぽど国政にプレッシャーをかけられると思っています。
 
そして、その力を強めるためにも必要なのは、実際に選挙で勝てる力をつけること。
橋下代表個人の人気頼みではなく、維新としての組織力をつけることです。
 
橋下市長の「不倫騒動」どう思います?
一つの答えは、維新の会の脱橋下依存、かも知れません。
 
 
 

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